粋な二上り三下り
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

模写

コローの「Ville d'Avray」という絵の模写です。F6号の油絵です。


粋な二上り三下り-corot

線が曲がったりはみ出たりして、人物がだんだんデブになってしまいました。


秋に、自分が以前通っていた油絵教室の教室展があるそうで、「前に在籍した人でも出展できますよ」とお誘いを受けました。

50号までということですが、50号はちょっと大変です。なんとか頑張って20号ぐらいで描いてみようかなと思います。

うた高砂や この浦舟に帆を上げて 

月住の江の通い路は 尉と姥とが相生に 

妹背の道も遠からず 枝に不断のつまごとは 

非情有情の唄の声 変わらぬ色ぞゆかしけれ

  ( 小唄 『高砂』 )


私の知っている小唄の『高砂』です。小唄の『高砂』にはこの他に別の曲もあるようです。

小唄の元は、能の『高砂』で、今でも結婚式などで歌われますが、これから派生したものには、長唄の『夫婦松高砂丹前』、『新曲高砂』、箏曲『高砂』、端唄『高砂』などがあります。


能の音楽の歌の部分を謡(うたい)、謡曲といいます。


粋な二上り三下り-nou

能と茶道は武士の芸能で、加賀百万石の城下町金沢では、藩主前田家の庇護によりこれらが古くから盛んで、謡は、武家はもとより町人の間でも、出入り先の武家屋敷で酒食を振舞われる折などの余興のために、広く嗜まれておりました。


現在でも金沢では、古くからの街中の商工会などの宴席では、オープニングとエンディングは謡(うたい)なんだそうです。

で、自分でもCDで謡を聴いてみたりするんですが、どうも、あの低音でフルに倍音を効かせた歌には、いまいち乗れないんですね。

聴きなれていない者としては、やっぱり能舞台で演奏されるように、笛、鼓、大鼓、太鼓、囃子声などの高音、中音と合わさってこそ、バランスのとれた音楽になるように思えます。


あまり多くを聴いてはいないですが、それ以前の貴族文化である雅楽、それ以後の町人文化である浄瑠璃や小唄と比べ、凛とした緊張感と雄々しさを感じる能の音楽は、やはり武士のものという気がします。

イーヨーオォ、ポォーンという掛け声に、戦に臨むもののふの気迫が感じ取れます。



- 風と樹と人の囁き薪能 -


日本音楽の歴史を遡る

小唄は、それ以前の邦楽、清元、新内、長唄などをベースにしています。

なんで、真面目にやるなら、これらの唄い方、演奏の仕方を理解しておかなくては!


と言う訳で、清元、常磐津、長唄、すなわち歌舞伎の音楽のCDを聴きだしましたが、歌舞伎の演目には能から来ている物があり、さらに能を遡れば今様、催馬楽、雅楽があり・・・で、totalで日本音楽を知るために、「ベスト純邦楽100」という5枚組CDを買いました。


粋な二上り三下り-besthougaku

収録されているものは、雅楽から民謡、俗曲まで、時代は平安時代から現代までの純邦楽です。


邦楽のCDは録音によって良し悪しがかなりあるのですが、このCDはかなり良く、小唄なんぞは唄い方や三味線の、粋なところがよく出ています。

おかげで、戦前の日本人なら誰でも知っていた有名な曲の、サワリだけなら大体わかるようになりました。


私の周囲には、小唄をやっている人の他に、能の謡曲をやっている人、さらには雅楽をやっている人なんかもいますが、まったく別物に思えるこれらのジャンルも、CDで通して聴いてみると、前後の時代に共通点が見つかることもあります。


これらの音楽が、それぞれの時代でどのように演奏されてきたのか・・・・大河ドラマの平清盛のテーマに今様の「遊びをせんとや ― 」が入っていますが、実際あの時代では、どんな人がどういう思いで唄っていたんでしょうかねー。


連休後半、今年は天気が悪いですね。



- ゴールデンウィークに遣らずの雨の冷たさよ -

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>