こんにちは。
胚培養士の大野です。
木下レディースクリニックは、滋賀県プレコンセプションケア事業の講師派遣に登録しており、
地域での啓発活動にも力を入れています。
今回は、看護学校にて、生殖医療の専門職として
「妊娠する力(妊孕性)」やプレコンセプションケアについてお話しする出張講義を行いました。
講義を通して、学生さんたちが
「何を知り」「何を感じ」「どんな気づきを得たのか」
その一部をご紹介したいと思います。
以下は出張講義を行なったスタッフからの報告です。
プレコンセプションケアとは?
プレコンセプションケアとは、
妊娠を望む・望まないに関わらず、将来の妊娠に備えて健康な身体づくりを行うことを指します。
この考え方には、大きく分けて2つの重要なポイントがあります。
① 若い世代からライフプランと健康を考えること
将来の結婚や妊娠を意識していなくても、
日々の生活習慣や健康管理は、将来の選択肢に大きく関わってきます。
② 女性だけでなく、男性にも重要であること
「妊娠は女性の問題」と思われがちですが、
今の自分の身体の状態は、次の世代を担う子どもの健康にもつながるという視点がとても大切です。
プレコンセプションケアは、妊娠のためだけでなく、
人生100年時代を心身ともに豊かに生きるための健康管理とも言えます。
講義を通して見えてきたこと
講義後のアンケート結果から、
学生全体の妊孕性に関する正答率は約7割でした。
特に、参加した学生全員が理解していた内容は次の点です。
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若くても不妊症は誰にでも起こりうること
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女性の喫煙が妊孕性に与える影響
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「2人目不妊」という概念
一方で、
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AMH(卵巣予備能の指標)
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社会的卵子凍結
といった言葉については、
知っている学生はまだ少数でした。
学生から寄せられた声
自由記述では、次のような感想が多く寄せられました。
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「妊娠できることが当たり前ではないと、改めて感じた」
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「日本の不妊治療の現状を知り、驚いた」
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「不妊は女性だけでなく、男性にも関わる問題だと分かった」
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「夫婦やパートナーと一緒に考えることが大切だと思った」
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「不妊治療専門クリニックの雰囲気や、そこで働く看護師の役割を具体的にイメージできた」
単なる知識の習得にとどまらず、
看護学生ならではの視点で、不妊治療や看護師の仕事そのものへの関心が高まっていることも感じられました。
今後に向けて
今回の講義を通して、
社会人になる前の学生が、将来を考えるタイミングで妊孕性について正しい知識を得ることの重要性を改めて実感しました。
学校教育だけで完結するのが難しいテーマだからこそ、
地域の医療機関や行政が連携し、正しい情報を届ける仕組みが必要だと感じています。
木下レディースクリニックでは、
学生一人ひとりが自分の身体や将来について主体的に考え、行動できるよう、
今後もこうした取り組みを続けていきたいと考えています。