タイトル戦以外の一般棋戦で、昨年は全部優勝したが、今期はすべて決勝進出を果たしたのはさすがだったが、決勝戦での結果がついてこなかった。NHK杯も2年連続の佐々木勇気八段との対決になったが、残念ながら今期は敗れてしまった。

 先手になった佐々木勇気八段が事前研究が進んでいたのか、角換わり腰掛け銀になった。ほとんどチェスクロック使用なのに時間を残していた。終盤戦まで研究していたのか、最終盤になっても考慮時間が丸々残っていた。藤井竜王名人も研究が進んでいたのかほとんど時間を使わず終盤に入った。しかし佐々木勇気八段のペースで進んでいることは確かだった。佐々木勇気八段の優勢になってから、2二歩が緩手だったのかな。絶対詰まない形になっている。思い切り攻めていけるのが良くて、藤井竜王名人の得意な形である。9九角が入り、藤井竜王名人の優勢になった。98%までなって勝勢になったが、解説の羽生九段はまだ難しいと言っていた。最善手を指し続けての98%だからまだわかりませんよということだった。98%というのは即詰みは無いということだから、どこまで王手をかけるかだった。局後の感想戦ではもう少し早めに手を渡すべきだったと、藤井竜王名人は反省していた。5五馬が悪手だった。佐々木勇気八段の優勢になってしまった。30秒将棋になったのは佐々木勇気八段の方が先だった。藤井竜王名人は2分残していた。5五馬にした時は藤井竜王名人も30秒将棋になってしまった。ここで逆転の好手が出た。2四飛が詰めろ逃れの好手で、飛車のいた位置に王が逃げて即詰みが無くなっている。駒を沢山渡しているので、藤井玉が詰むかどうかはわからないが、受けに回る手があって、佐々木玉が寄せにくくなった。佐々木勇気八段の評価値が90%を超えて来た。ここからはしぶとく指したが佐々木勝勢は変わらなかった。4七歩を何度も打って、必死に読むが詰まない筋しか見えなかったのだろう、苦しい表情に変わっていった。粘ったが結局寄せられてしまった。NHK杯では負けた対局が多いなあ。やはり30秒将棋になるのがまずいのかな。逆転の勝負手が難しくなるのかな。

 今棋王戦の第4局があっているので、今日はこの辺でやめておこう。やはり藤井竜王名人が負けると気落ちが激しいな。