2)光を通す庇=ガラス庇 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

家の設計をする最初のときに、建築主からの要望の中で上位にランクされることが、なるべく明るい家をということです。


特に建て替える前の家が暗い場合は当然ですよね。


しかし、窓を大きく、窓をたくさんつけるということと、地震に強い家ということは矛盾することが多いです。


壁が少ない家や

南側に窓が大きくあり北側は壁が多い家は


どうしても地震に弱くなります。


そこで、そのような想いを細かい工夫で少しでも実現しようと、悩んだり、あーでもない、こーでもないと悩むことが建築家にとっても大切な仕事です。


窓の正面に隣家の白い壁がありました。


窓はないのでプライバシーは問題なく、かつ白い壁なので光を反射してくれます。


それならばと思い切ってご要望の通り窓を大きく取りました。


しかし、雨が吹き込むのは避けたいので庇を付ける。


折角、白い壁に光が反射して間接的に明るくなるのに、上を庇でふさぐと効果は半減です。


そこで、庇をガラスで造ることにしました。


ガラス庇です。



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よくわかり難いかもしれませんが、中央右上のブロンズ色の木の庇が浮いているように見えますが、その木の庇を支える腕木の間に架けられた庇がガラスです。


隣家の壁が民法で定められた敷地境界から50センチの間隔を空けずに建ててしまったために、厳しい環境ですがそれでももっと光を!という想いをガラス庇で少しでも実現しました。


今では住まい手の方が、たくさんの植木の鉢を窓の正面において、きれいに育てています。


限られた空間でも、小さな工夫の積み重ねと職人の高い技能によって、快適な想いを込めた木の家が実現できます。


お金をかけずに知恵を出す・どこかの元大臣とは真逆でいきましょう

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