読書記録です。


「匿名者のためのスピカ」

                               島本理生 祥伝社





法科大学院生の笠井修吾は、
同じ院生の景織子と親しくなる。
はじめての彼女との甘やかな時間。
しかし、景織子は高校時代、
恋人に監禁された過去があり、
更にまた今、
その元彼と一緒に行方不明になる。

修吾は友人の七澤と共に、
景織子を救うために島へ向かう。


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恋愛小説の名手の島本理生さんの
ミステリータッチの青春小説です。

景織子は
ストックホルム症候群なのでしょうか。
そうとも取れるし、
もっとセンシティブ、
かつ強かさも感じる複雑な女性。
それを景織子の視点ではなく、
笠井修吾の視点で読むので
更に像の捉えにくさがありました。

ヒロインは景織子なのですが、
私の中では
この小説のヒロインは笠井修吾爆笑
充分大人のはずなのに
純粋な人だなぁと。


そして
印象的だったのは
最後に、
「どうして
正しいものと私が欲しいものは
こんなにも違ってしまうのだろう」
という景織子の独白があります。


そこでそうか!と。
少し斉藤由貴さんの風情を交えた
女性像が最後の最後で浮かんで
納得したような気持ちになりました照れ