(ネタバレ注意!)原作と映画の違い①登場人物、またその性格 | 近キョリ恋愛、原作と映画の比較

近キョリ恋愛、原作と映画の比較

原作無視で話題となった映画「近キョリ恋愛」を原作と比較するブログです、映画の感想も時々書きます。原作、映画共にネタバレあるので注意!

映画近キョリ恋愛の大きな特徴の1つは原作に登場する登場人物の半数以上、というよりほとんどが映画に出ていなく、その分を映画オリジナルの登場人物数人でまとめているところ。

そのため、性格や設定を大きく変えられているキャラクターも多く見られます。

今回は原作と映画でその登場人物について比較します。


①枢木ゆに

原作…史上最強のツンデレガール。16~18歳。第1話にして担任であるハルカと付き合う事になる。変人で不可能な事はないが英語だけは苦手。

映画…超クールな女子高生。18歳。数学オリンピックで優勝するほどの天才だが英語だけは苦手。ナミ以外友達がいない。無表情で、常に感情を耳たぶを触るなどのしぐさで表す。


②櫻井ハルカ

原作…ゆにの高校のクールなイケメン英語教師、もともとはゆにのクラスの担任が産休になったため代理として来た。担任期間が終了し、学校を去ることになったらゆにとの交際を始めるということになっていたが再びその担任が妊娠してしまい、ゆにが2年生になってもゆにのクラスの担任を継続することになる。その後、正式にゆにの学校の教師として働くことになるが、3年生になるとゆにのクラスとは別のクラスの担任を持つ事になる。京都出身だが、子供の頃はLAに住んでいた。大物俳優、櫻田レオの隠し子で、母親を捨てた彼を恨んでいる。

映画…史上最強のツンデレ教師。ゆにの高校の英語教師だが決してゆにの担任ではない。また、元々ゆにの学校の教師として働いている模様。ゆにの英語の成績が悪い事を気にかけ、彼女に対して補習を始める。そのことでゆにが不安定になっていると気付いた明智によって補習をやめさせられる。ひたむきなゆにに惹かれて、ついキスをしてしまう。父親の死をきっかけに嘘が嫌いになる。


③峰藤コウ

原作…ゆにの学校の教師でハルカの大学時代からの知り合い。美少女が趣味でゆにをコレクションに加えるのが夢。当初はゆにとハルカが付き合っていることを知って、ばらすとゆにを脅していたが、ゆにの気持ちを知ってからはゆにの味方をするようになり、時にはゆににアドバイスもする。ゆにがコスプレしているのはだいたい彼女のせい。ゆにの3年生の時の担任。後に小南といい感じになる。

映画…登場なし


④名波菊子(ナミちゃん)

原作…ゆにの親友。中学生の時は暴君菊子という異名を持ち、恐れられていた伝説のヤンキーだったが、ゆにだけは他の友達と接するように話しかけてくれたことから仲良くなり、次第にゆにの不思議さに魅力を感じるようになる。当初はハルカの事を「ハルカちゃん」と呼ぶほどのファンだったが、後に咲と付き合う事になる。

映画…ゆにの唯一の親友で中学の頃からの付き合い。普通の女子高生で原作のような元ヤンならではの乱暴な言葉づかいはしない。冒頭から咲と付き合っている模様で、原作のようにハルカのことを「ハルカちゃん」とは呼ばない。


⑤佐藤咲

原作…ゆにのクラスメイトで超ナルシスト。作中で特に強調はされていないが意外に頭がよく、第1話冒頭の模試の結果が貼られるシーンでもゆにに次いで2位になっている。また、1度だけゆにを抜かして1位になったことがある。ひょんなことからゆにと仲良くなり、ゆにがハルカの事を好きだと知ってからは彼女に協力するようになる。後にナミと付き合う事になる。

映画…ナミの彼氏で、ゆにと同じクラスかは不明。また、原作ほど頭は良くない模様(張り紙に名前が載っていない)。普通の男子生徒でナルシスト発言してる様子はない。常にナミと一緒にいる。ゆにとナミと3人で話した後、ナミに「緊張した」と話すほどで、全体を通してナミがいないところでゆにと関わる様子はない。


⑥明智数馬

原作…登場なし(ただし映画化決定した後に描かれた特別編で顔と名前だけ登場。ゆにの父方のいとこで美麗と付き合っている)

映画…ゆにのいとこでありゆにの高校の数学教師、つまりハルカの同僚。海外にいる両親の代わりとしてゆにと一緒に暮らしている。ハルカの補習を受けているゆにが不安定になっていることに気付き、補習をやめさせる。また、ハルカとゆにが付き合っていて結婚も考えていることを知って怒り、反対する。ゆににねこのバレッタをあげた人。


⑦ゆにの家族

原作…小説家の父・虎(たいが、ダディ)、母親・ララ(ママ)、不思議な力を持っている弟・類(るーちゃん)がいる。4人暮らし。3人ともゆにに劣らぬ変人タイプ。虎はゆにがハルカと結婚すると知って反対する。実は虎は櫻田レオと10年来の友人。

映画…両親は海外にいるということになっていて、弟に関しては言及すらされていないのでいないことになっている模様。劇中で1回も姿を見せない。もちろん名前も出てこない。


⑧滝沢美麗

原作…ハルカの高校時代の担任で彼の元カノ。ハルカは自分がレオの隠し子であると週刊誌に売ろうとしたが逆にそのせいで別れることになってしまう。しかし、ハルカを想ってゆにの学校に教師としてやってくる。自分がまだハルカの事を好きであることをハルカに告白するが振られる。その後、特別編では明智と付き合っていることが判明する。

ドラマ、映画…ハルカの幼なじみで同い年。ハルカの事が好きで後に付き合う事になるが、ハルカが自分の中の奏多を見ていることに気付き、別れる。10年後、ゆにの学校に教師としてやってきて、産休で休んでいる担任の代わりにゆにの担任となる。その際、ハルカがゆにとキスしているところを目撃してしまう。


⑨鮎川奏多

原作…登場なし

ドラマ…ハルカ、美麗の幼なじみで同い年。美麗に片思いしていたが、交通事故で亡くなる。


⑩小南あずさ

原作…ゆにの初恋の人でゆにに猫のバレッタをあげた人物。モデルをやっている。ゆにの最初の友達。幼いころ、ゆにとの結婚を約束していてずっと覚えていたがゆには彼の事を忘れてしまっていた。ゆにがハルカの事を好きだと知ってから別れさせようとしたが、2人を見てゆにを笑顔にするのは自分ではなくハルカなのだと思うようになる。後に峰藤といい感じになる。

映画…登場なし


⑪ハルカの家族

原作…作中で明らかにされているのは父親・櫻田レオ、ハルカが7歳の時に死去している実母、ともに俳優をしている義理の兄弟と義理の母、京都で舞妓をしている義理の妹・美玲。ハルカの実母がハルカを身ごもったときにレオは彼女を捨てて女優と結婚した。実母の死後、ハルカはレオに引き取られる。しかしそれは自分がレオのイメージアップに使われていただけだと知って週刊誌に自分の存在を売ろうとしたが、逆にそれがハルカと美麗が別れるきっかけになってしまう。しかし、レオが病気になり、ハルカと仲直りしたいと思うようになる。枢木虎とは10年来の友人。

ドラマ、映画…作中で明らかにされているのは両親と義理の姉・凛々子。父親はサラリーマンで、特に名前はない。出張ばかりしていたが家にいる時はいつも作り話をしていた。しかし、ハルカが12歳のときに自殺。後に会社で大きな損失を出して悩んでいたこと、そしてそれを家族に黙っていたことが判明する。この出来事をきっかけにハルカは嘘が嫌いになる。

⑫的場竜

原作…ゆにが3年生の時のクラスメイト。周りには恐れられているが実は優しい一面もある。パティシエになるのが夢で、ゆににノートを守ってもらったことをきっかけにゆにのことを好きになる。

映画…原作とほとんど同じ

⑫岡本花音

原作…ゆにが3年生のときにハルカが担任として受け持った生徒。家庭環境がハルカと似ていて、家族から自分はいないものとして扱われている模様。そのため、ハルカに相談に乗ってもらっていた。やがてハルカの事を好きになるが、ゆにとハルカの関係を知り、別れさせようとする。

映画…登場なし

⑬吉田芽衣

原作…登場なし

映画…ゆにのクラスメイトでハルカの事が好き。ゆにがハルカの補習を受けていることを知り、ハルカに自分も補習を受けたいと申し出るが断られ、やがてゆにはハルカの事が好きだからわざと英語だけ悪い点をとっているのではないかと思うようになり、友人と一緒に、ゆにを倉庫に閉じ込めて補習に行かせないようにする。しかし、それもハルカにあっさりとばれてしまい、もう二度としないと約束させられる。その後は登場しない。



以上が原作、映画、ドラマの近キョリ恋愛に登場する主な登場人物とざっとした違いです。

こうして見ると、的場以外は性格や設定が根本的に変わっていることが分かります。

もちろん、一言一句まで原作を再現した実写映画が現実的に不可能なのは当たり前ですし、そのために設定を改変するなんてのはよくあることですが、近キョリ恋愛の場合、そのための改変とは思えない別の改変ばかりな気がします…

特に主人公のゆにとハルカの性格は一番変えるべきではないところだと思うのですが…

原作ではハルカがツンデレだという記載は0に等しいと言っていいほど見られません。

逆にゆにはほぼ毎回と言っていいほどツンデレだと書かれています(ハルカがツンデレ最高!と言ってたり)。

それにもかかわらず、序盤は比較的原作に沿った展開という矛盾。

序盤に限らず、個人的に、全体を通してハルカがツンデレだとは思えませんでした。

後半に関してはツンデレラブストーリーってキャッチコピーを付けたことを忘れているんじゃないかってくらい。

原作でのゆにのデレデレがすごいからなおさらそう思ってしまいます。

スタッフはツンデレの意味を理解しているのでしょうか…

そもそも、そこまでしてハルカをツンデレってことにしたかった理由って何だったんでしょうか…

やっぱり、山下智久がツンデレ教師役を熱演って宣伝すれば話題になるから…?

そんな理由で主人公2人のキャラを逆転させていいのでしょうか…