兵庫県に三田という街がある。大学のキャンパスもあるが、慶應義塾の「みた」ではなく、「さんだ」である。兵庫県三田市だ。

その三田駅前ビル「キッピーモール」2階にあった阪急百貨店「三田阪急」。本日(2021年8月1日)をもって閉店する。



 経緯

2005年(平成17年)9月にオープン。それまでは大丸になる予定が阪急になり、全館が百貨店になる予定は断念するなど紆余曲折あった。


結局、阪急百貨店と子会社のスーパー「阪急オアシス」でワンフロアずつ借りることで、郊外などにおける小型店の出店モデルにしようとした。実現はしていないが、大阪・北浜の三越大阪店跡「The Kitahama(ザ・キタハマ)」にもこのスタイルで出そうとしたらしい。

▲1階の食品スーパー「阪急オアシス」。阪急以外の百貨店しかない滋賀県草津市や京都市にも出店している。三田阪急のポイントカードが今後も使用可能。


数年前に、当時阪急阪神(H2O)に移管されると報道されたばかりの「そごう神戸店」と共に私はここを訪れた。この際には「カフェサンダ」で関西学院大学生や近隣のシニア層が歓談するなど、それなりに賑わってはいた。しかし、消費や三田市の人口低迷もあって撤退することになったと考えられる。


一時は人口増加率最大だった三田市も都心回帰で厳しいようだ。いまや明石市や尼崎市、西宮市(南部だけ)などの方が人気だ。余談だが、明石以外は百貨店も便利である。

▲これは客からの寄せ書きと別に売り場の皆さんからのメッセージ。


 店の様子


三田駅側がファッションの売り場、次に化粧品売り場、奥がお菓子などの売り場となる。


ハンカチなど紳士用品といった普段は賑わない売り場も活況を呈していた。6月までは「阪急うめだ本店からの商品取り寄せ」サービスなども行っており、小型店の良さを発揮していた。


惣菜や生鮮食料品は1階の阪急オアシスを利用するが三田阪急では贈答品やパンなどを購入することができる。「カフェサンダ」併設のベーカリー「ベイクドQ」では全品2割引をしており、長蛇の列。



前回訪問した際は何も買わなかったが、今回は最初で最後の買い物をする。三田市や神戸市北区、西宮市山口町などの各店が催事場に出店していたので、三田市大原「小南商店」のわらび餅を求めた。




溢れやすいでしょうとおばさんがテープの枚数を増やしてくれたが、ここで再会することはもうないだろう。


でも、寄せ書きには店長さんより"Always Be Together"、「いつも一緒に、ずっと一緒に。」「『さよなら』は言いません。またお会いしましょう」



みなさん、またどこかでお会いすることがありますように。


 今後

百貨店がゼロになる県もあるが、兵庫県はそうでは無い。なにより、隣の宝塚市・宝塚駅前に宝塚阪急があるため、完全に不便にはならない。三田阪急のチラシでは宝塚阪急のLINEを友達登録するよう宣伝していた。



その他、うめだ本店や神戸阪急へ出かける人もいるだろうし、寄せ書きへは「今後は川西阪急を贔屓にします」と書いている男性がいた。川西阪急は宝塚阪急より遠いが梅田や三宮より近く、フルサイズの阪急百貨店だからか。


また、1階の阪急オアシスでカタログを見ながらであれば、ギフトやクリスマスケーキの注文もできる。何より阪急オアシスが残っているので日常の買い物には困らない。

▲「阪急オアシスは引き続き営業いたします」の貼り紙は随所に。



しかし、閑散とした2階のワンフロアを埋めてくれるようなテナントは何かあるのだろうか。その辺りも含めて心配になるところだ。