先日も述べたように、亀山〜柘植間20.0kmが電化されれば、名古屋〜京都間の短絡ルートとなる。それならば同区間の直通列車が欲しい。かつて急行「平安」があったルートのため、特急・急行列車も良いが、現行ダイヤとの整合性を考えると快速列車が妥当ではないか。それについて考えてみる。


 特別快速の運行を

現在、名古屋―亀山間では桑名・四日市以西の各駅に停車する快速が毎時1本運転されている。これを「特別快速」に改め、桑名・四日市・加佐登・亀山・関・加太・柘植・甲南・貴生川・草津・山科停車で京都まで延長することを提案する。


貴生川〜京都間にはもっと停車した方がいい駅があるが、輸送力を考えると当面は通過せざるを得ない。しかし、ラッシュ時は名古屋地区で蟹江や弥富に停車することになろう。

関・加太に停車することで当区間の各駅停車を減らす。日中の関西本線ワンマン列車は3運用から柘植〜加茂間の2運用に縮小する。



名古屋〜四日市間37.2kmを以前の最速「みえ」に余裕時間をプラスした30分(74.4km/h)、四日市〜柘植間42.7kmをキハ75時代の「かすが」と同等の42分(61.0km/h)、柘植〜草津間36.7km30分(73.4km/h)、草津〜京都間22.2km18分(74.0km/h)で結ぶと、関西本線・草津線経由の名古屋〜京都間138.8kmはちょうど2時間(69.4km/h)で結ばれる。




さらに東海道本線(JR京都線)を遡って大阪始発にしても高槻などでの利用が見込めて競争力があるが、名古屋〜新大阪の全区間をJR東海で結ぶ東海道新幹線との兼ね合い、それ以前に輸送力の小ささを考えると京都始発が基本だろう。ただ、一部は夕方の大阪始発の新快速と統合して大阪から直通、草津で12両からの切り離しを行うのも良い。




(参考)筆者以外にも同様なことを考えている方がおられる。

https://ameblo.jp/96-yamashina/entry-12298604637.html




特別快速に用いる車両

225313系を用いる相互乗り入れが良い。しかし、以下の図で見れば分かるように、草津線経由で直通運転をすると編成の向きがおかしくなる。



特別快速を全て225系にし、草津線用にJR東海が313系を貸し出すのもいいが、旅客流動と合っておらず、これはこれでおかしな話になる。結局225系の4×3編成ほどをJR東海が所有するのが現実的かもしれない。このような車両保有には寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の実例がある。






なお、京都方先頭車は座席指定車とする。4両編成の姫路方が「Aシート」となっている新快速付属編成と同じにすれば良い。関西本線でも快速「みえ」の鳥羽方先頭車が座席指定車なので揃うことになり、分かりやすくなる。




この「特別快速」は始終着駅だけ見れば東海道新幹線と競合する。しかし、途中駅や到達時間からして棲み分けとなり、新幹線の減収にはならないだろう。


むしろ、ローカル輸送しか行っていない区間を活性化させるという点でJR東海とJR西日本の利害が一致する上、人口増加著しい滋賀県湖南エリアとJR東海が力を入れる名古屋駅の直結、乗降の少ない柘植駅ではなく様々な産業のある亀山駅が草津線の拠点駅になるなどメリットは計り知れない。


もちろん今でも京都〜近鉄四日市間の高速バスなどはあるし、近鉄特急も使えなくは無いが遠回り。実際には滋賀・三重の両県の移動は利用の多くはマイカーに頼っている。それらが鉄道に変わり、さらに流動が増えることでJR2社の増収が期待できる。会社境界駅の亀山を越えての直通運転になるが、決して空想とは言い切れない。




まとめ


関西本線で未だ非電化で残る亀山〜加茂間。今も沿線自治体は電化と名阪間直通列車の復活を求めてJR西日本やJR東海の本社、国土交通省などを訪ねているようだが、奈良〜大阪間で迂回していること、近鉄の名阪特急が大阪・奈良・三重・愛知の4府県を結んでいることなどを考えても関西本線全線電化、全線直通列車の復活は難しいだろう。


その中ではポテンシャルが高い柘植〜亀山間だが、現状では貧弱な設備である。未だに実現性の低い全線電化に拘っていること、その割には自治体の本気度が低いことが挙げられる。



そして自治体の本気度の低さについて見てみよう。全般的には三重県が名古屋を向いている自治体で、JR西日本の地元負担での設備投資をするスタンス(山陰線高速化・複線化、奈良線複線化など)が理解されていないこと、それに三重県は鉄道全般への投資をあまり行っていないことが挙げられる。





しかし、新名神高速道路は既に供用されており、懸案の紀伊半島1周道路にも完成が見えてきた。滋賀県側も状況は似ており、一般道の改良工事はあるが、そろそろ在来線鉄道に投資する機会ではないか。しかも、独立した長大路線の電化ではないので莫大な投資とは言えない。既に電化されている草津線・関西本線の有効活用のためだから非常に有用だ。


加太〜柘植間もシェルターの設置など格安な災害対策が別にできるなら、トンネル掘り返しなどせずに現在線を電化してコストダウンを図れるかもしれない。ただし、駅間が長すぎるので中在家信号所の復活は必須となる(もちろんスイッチバックにしない方が良い)。


関西線電化はもちろん、草津線にしてもJR西日本単体で自発的に投資することは難しいが、他路線の例を見る限りでは自治体からの協力があれば前向きになるだろう。三重県側、滋賀県側とも活発な議論と投資を期待する。