今回は近鉄特急、ひいては他社線を活性化させるプランについて。宣伝費が若干かかるが、特段、大規模な投資は要らないプランだと思う。車両を新造する必要も、増発のために乗務員を増やす必要も、ましてやダイヤを改正する必要すらない。

どうだろう?

伊勢志摩特急の最大のライバルとは?

ここ最近、伊勢志摩へ向かう近鉄特急(大阪・名古屋・京都発着=阪伊、名伊、京伊)の利用客は大きく落ち込んでいる。いまやピークの4割ほどだ。コロナ以前からこの調子である。インバウンド客も伊勢志摩にはそもそも多くなかった上、単純に新名神などの高速道路にやられたことや人口減少だけが理由では無い。






大きな理由は娯楽の多様化で旅行以外の手段で済ます人が増えたこと、そしてLCCなどの普及によって中韓台や沖縄、北海道旅行が身近になったことで伊勢志摩への旅行客が減少したことだ。



そうでなくても「伊勢志摩ライナー」などは元から平日は空気輸送である。「しまかぜ」も平日のチケットは取りやすい。アーバンライナーやJR西・サンダーバードのようにはならない。だからといって、伊勢志摩ライナーやしまかぜに代わる、あるいはその次の新たな観光特急などを作るのもいいのかもしれないが、大金がかかって仕方がない。




ヒントはロマンスカーにあり

ところで、金曜日の夜、小田急ロマンスカー「ホームウェイ」の箱根湯本行きは満席近く乗っているようだ。町田などへの帰宅客もいるが、箱根湯本への観光客もまた少なくないそう。首都圏では、金曜日の夜から箱根観光しに行くのが人気である。






首都圏(成田・羽田)でもそうだが、近畿圏でも古くは都心から近い伊丹空港にすぐに移動して、最近は深夜便も飛べる関西空港に移動してから、仕事を終えた金曜日の夕方から海外旅行する人は少なくなかった。しかし、近畿圏では近場でそういった旅行をする習慣は多くない。




じゃあどうしたらいいのか。近鉄自身が「金曜日夕方の特急に乗って12泊し、気軽に旅行しませんか?」と提案するのである


先ほど言ったように海の幸の豊富な伊勢志摩もいいし、私が先日行ってきた吉野もいい。吉野は地味なイメージがあるものの、京都と違って混雑せずにゆっくり過ごせる。まだ大阪線や名古屋線の特急(伊勢志摩特急含む)は夕方にビジネス客の利用があるが、特に南大阪線特急は夕方でもガラガラなことがあるから、もっと利用客を増やす余地があると思える。





あるいは、ガラガラとまでは言えないが、金曜夕方・夜の「ひのとり」に乗って大阪から名古屋(あるいは名古屋から大阪)に来てもらうとか、停車駅の増える「アーバンライナー」で四日市へ行ってもらい、湯の山温泉に泊まってもらうなどの案も考えられる。


近鉄に限った話ではない〜新幹線も同様〜



このように「金曜日の夜から旅行」を提案するやり方は近鉄以外でも応用できる。阪急グループなら六甲山エリアや有馬温泉に(丹後海陸交通のある)天橋立、JR西日本なら白浜や城崎・加賀・芦原温泉に(山陽新幹線で)瀬戸内エリア、京阪なら京都や琵琶湖エリアに泊まって貰えば良い。最近のプチ贅沢を望む気風に合う。



関西以外だと名鉄なら知多半島、JR東海なら高山や新幹線「ひかり」「こだま」で(新大阪や名古屋から)熱海などに集客を図ると良い。





金曜日の新幹線とて混むのはビジネス客の多い東京発「のぞみ」「ひかり」ばかりであるから、逆方向や「こだま」にももっと乗ってもらいたい。まして新大阪からは「のぞみ」も空くので、これで福山あたりで下車、海沿いの旅館にでも泊まって、翌日は朝から鞆の浦などを観光という提案は悪く無いだろう。




京都はキャパを超えるほどの観光客が来ていたし、熱海なんかはそもそも東京・横浜の奥座敷であり、ここまでして名古屋や大阪の人を呼ぶ必要性はなさそうだが、今はそうも言ってられない。



特にここ数ヶ月はインバウンド客が見込めず、国内、特に近場の観光客に頼らざるを得ない。さらに、鉄道各社やバス各社も苦しく、過大な投資はできないが、増収は必要である。そこにこの施策を提案したい。JR東海ツアーズや近畿日本ツーリストなど旅行会社を通じた旅行プランなら「Go To キャンペーン」の補助も活用できるだろうから、やるなら今だ。