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気になる言葉 <第866回>

『立秋』の次侯、『寒蝉鳴(ひぐらしなく)』です。

今週はお盆の週に当たります。お盆は仏教における「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を略した言葉ですが、本来の意味は釈迦の弟子(目連尊者)が餓鬼道に落ちて苦しむ母親を救

う話に由来するものです。

現在の日本におけるお盆は、家族や一族が集まり、ご先祖様を供養する行事になっています。毎年お盆は暑いものとされていますが、今年の暑さは格別で炎天下のお墓に行くのも大変です。

 

朝5時に出発する朝散歩の日の出の風景は癒されるのですが、30分後にはもう太陽の熱に悩まされます。とくに、朝の紫外線は思った以上に強いそうで、要注意です。

<写真1>

 

この時季になると、散歩道の周りでも夾竹桃の花が目立ってきます。ピンク色が多いのですが、白色もあります。

インド原産で、江戸時代に中国経由で日本に渡来してきたと言われていますが、大気汚染に強いというので道路沿いの並木や公園樹として盛んに植えられてきました。

 

<写真2>

 

この夾竹桃は、原爆で被災した広島市において、原爆により70年間草木も生えないと言われた焦土にいち早く咲いた花で、市民の復興への希望と光を与えてくれました。

そのため昭和48年に広島市の花に選定されています。

ただ、気を付けなければいけないのが、根・葉・茎・花など樹全体に毒性を持っており、口に含むと嘔吐、下痢、めまい、腹痛などの症状が出て危険なことです。生木を燃やした煙も危険だと言いますから、まさに要注意ですね。

できれば、遠くから見るだけにした方がよさそうです。

 

家を出てすぐに夾竹桃の道 (山尾玉藻)

戦ひのあの日の空や夾竹桃 (高尾幸子)

咲き殖ゆる夾竹桃を怖れけり (小川昭江)

 

そういえば、藤本洋(作詞)、大西進(作曲)の『夾竹桃のうた』という原爆反対の歌がありましたね。

 

1.夏に咲く花 夾竹桃 戦争終えた その日から

  母と子供の おもいをこめて

  広島の 野にもえている

    空に太陽が 輝くかぎり

    告げよう世界に 原爆反対を

2.夏に咲く花 夾竹桃 武器をすてた あの日から

  若者たちの 願いにみちて

  長崎の丘に もえている

    空に太陽が 輝くかぎり

    告げよう世界に 原爆反対を

 

最近の世界情勢を考えると原爆のリスクが高まっているような気さえします。何とも、人間は度し難い存在だと思わざるを得ません。

 

 

 

今週の<気になる言葉>は、宇宙理論研究者、佐藤春夫さんの「あなたのこれからが、あなたのこれまでを決める」という、とても勇気づけられる言葉です。

ふつうに言われてきたのは「あなたのこれまでが、あなたのこれからを決める」というもので、今までの経験とか、行いなどの累積がこれからの人生を決めるという言い方が一般的でした。

それに対し、過去の出来事がどうあれ、努力を重ね、よき未来が拓けるとしたら、悪かったと思っていた過去の価値が全く変わって「あの辛かった体験のおかげで今がある」と感謝できるようになります。

もちろん起こったこと自体は変わりません。しかし、過去の事実ではなく「過去の事実に対する解釈や価値はいかようにも変えられる」と言っているのです。勇気づけられますね。

 

 

 

今週の旅スケッチは、4年ほど前に描いた立秋の頃の作品ですが、光と雲の雰囲気が好きで、少し手を入れてみました。

 

 

今年ほどの厳しい残暑ではなく、夕方になると少し涼しくなり、虫の音も聞こえだしたような印象がありました。

空や雲も、空を青く、雲を白く、という描き方ではなく、印象的には空全体が白っぽいオレンジ色に染まっていたので、敢えてブルーを全く使わずに描いてみました。

この絵には、何か遠くに秋の到来を感じるような雰囲気がありましたね。

その雰囲気だけでもお楽しみくだされば、、、と。

今年の厳しい残暑が早く収まることを祈りつつ。

 

 

 

今週の<朝の散歩道>の一枚目は、いよいよ勢いを増して来ている葛(くず)の様子を写したものです。

 

一旦停止の標識が今まさに葛に乗っ取られようとしています。その勢いは何とも凄まじい感じがあります。

葛のつるは10~30mまで伸びるし、一日に30cmほど成長することもあるそうです。這って伸びた先で土と接するところがあれば、そこにまた根を下ろします。

山を覆い、すごい勢いで畑に侵入します。何ともやりたい放題の状態で、最近はその手を付けられ猛威からグリーンモンスターとも呼ばれているとか。

つるの伸ばし方もよく見るとすごく巧妙で、いろんなものに絡みつきながら伸ばしていきます。絡み付けるものなら相手が草であろうと、木であろうと、電線であろうとかまわず蔓を絡ませていきます。何もないときは、仲間のつるとお互い絡み合いながらさらに伸ばしていきます。

葛は秋の七草のひとつ、とか塊根から葛粉をとる、などと悠長なことを言ってはおれませんね。

 

径いづこ一面葛に覆はれし (稲畑汀子)

無秩序とはこのこと葛のからみあひ (坂上正巳)

 

二枚目は、散歩道の端にころがっていたカブトムシの様子です。

 

カブトムシの寿命は意外と短く、成虫の期間はわずか1~3か月、幼虫の期間は約8か月と言います。何だか落ちゼミのような死に方ですが、セミの幼虫の期間は数年間くらいですから、セミよりもずっと短いことになります。

メスの方は交尾後、卵を産んで次の世代を残すという大切な仕事がありますから、交尾後すぐに死ぬオスよりはかなり長く生きます。

オスのカブトムシは、見る限り威厳があって格好いいのですが、なかなか厳しい世界のようですね。

 

くぬぎ樹は秘密の場所や兜虫 (稲畑廣太郎)

兜虫見事に死んで見せにけり (千坂美津恵)

兜虫死して威厳を失はず (大串章)

 

 

 

1.「あなたのこれからが、あなたのこれまでを決める」

              ー佐藤春夫(宇宙理論研究者)ー

 

”ゆらぎ”の理論研究で知られる一方、宇宙研究の成果を平和教育の一環と位置付けられるリベラルアーツ教育の実践を、全国的に展開している佐藤春夫という人がいます。

長年宇宙の摂理を探求する中で、宇宙生成法則が生き方の法則と不思議なほど一致しているという結論を得たと言います。その中で私がとくに感動した言葉について紹介しま

す。

 

過去に死んでしまいたいと思うほどの出来事があったとしても、そこで死んでしまっていたら、その人の今はないわけです。こうして生きているからこそ、未来に向かって希望を持つこともできる。そうやって努力を重ね、よき未来が拓けるとしたら、悪かったと思っていた過去の価値が全く変わって、「あの辛かった体験のおかげで今がある」と感謝できるようになります。

僕は、そのことを「あなたのこれまでが、あなたのこれからを決める」のではなく、「あなたのこれからが、あなたのこれまでを決める」と表現しているんです。

これからの歩み方次第で過去の価値はいかようにも変えられる。大切なことは、何かを始めるのによい時期というのはないということです。

 

この佐藤春夫さんの言葉には、『目からウロコが落ちる』ほどの衝撃を受けました。

「過去の事実と他人の心は変えられぬ」という昔からのことわざがあるように、”これまで”はもう変えることができない、と信じていたのです。そして、その”これまで”に蒔いたことが、”これから”を決めてしまうのが当たり前だと思っていました。

 

しかし佐藤春夫さんは、「そうではない、これからの歩み方次第で過去の価値は変えられる」つまり、過去の事実ではなく「過去の事実に対する解釈や価値はいかようにも変

えられる」と言っているのです。

「今の自分が未来に向けて希望を持った瞬間から過去の出来事の解釈が変わってくる、例えば辛かった過去の失敗も、実は未来のための種蒔きであったのだ」と納得できるようになるというのです。

どうです?みなさん、何だか希望が湧いてくるような気がしませんか。

 

それではまた。