2010年• 初夏
2010年6月初旬、私はイギリスのバーミンガムにいました。目的は20年近くあった私の側頭部と、後頭部の大きな傷を治す(=消す)為です。この年の4月にあることから、この会社(サロン)の存在を知り、半信半疑で予約を入れ渡英しました。ロンドンから列車に乗り、約1時間半、バーミンガムニューストリート駅からTAXIで約15分のところにそのサロンはありました。当時のサロンは何の看板も表札もなく、おまけに呼び鈴を何度鳴らしても誰も出てきません。『やぺ...イギリスくんだり迄来て、やってしもうたかな』と、思い始めた頃、やっと一人の大男が出てきました。彼の名前はイアン・ワトソン。このサロンの代表です。他にはランビアという女性がいて、今でこそ10名近くのスタッフが居ますが当時はほとんどこの2名で切り盛りしていました。先方が用意した用紙に必要事項を記入し、2Fのトリートメントルームへ。中央にあるこの椅子に座って一番高い部分に腕を組みその上に頭を乗せます。(↑の写真はヘイ呑です)使用する器具はこれだけ。 左側の平べったい器具はコントロールマシーン。右側のシルバーの器具の先に針をつけ、小さなカップに入れられたインクをつけてそれを頭皮や傷などに打ち込んでいきます。今でこそされていても世間話が出来るほど慣れたものですが、当時はなにせ頭に針を刺された経験すらなく、それも一時間以上に渡ってですから、激痛というほどでは無いがなんと言っていいのか、チクチクの無制限、容赦なしの連続攻撃、ボクシングで言えばひたすら軽いジャブを浴びている様なものです。3、4日の間隔をあけて、これをあと2回。(↑多少赤みがありましたが、すぐ消えました。)完璧です。これが始まりでした。