CURSE OF CINEMA -4ページ目

CURSE OF CINEMA

メジャー、インディー、洋画、邦画を問わず映画や、アメコミのレビュー、自作のイラストを掲載していくブログです!映画はホラー映画メインになりそうですが(笑)とにかく個人的に好きな作品などを褒めちぎる愛のある映画レビューを書いていきます!



ジングルべ~ル♪ジングルべ~ル♪鈴が鳴る~♪

と言う事で、クリスマスですなぁ。って2日遅れ!!すみません無理やり…。
でも兎に角、今年も残り僅かになりましたね(笑)

まぁ毎年どこかで発表されている気もしますが、先日もRotten Tomatoes でクリスマス映画ベスト10が発表されていましたね。
1位の『素晴らしき哉、人生』、2位の『三十四丁目の奇跡』なんかは正に映画史に残る名作ですが、個人的には『ホームアローン』がランキングに入って居なかったのが残念でした。『ダイハード』はギリギリ9位、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も7位と思ったより上位じゃなくて残念。

しかーし、クリスマス映画と言えば絶対にこれ!
『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』!!
クリスマス映画ベスト10には絶対に入ることの無いクリスマスにこそ観るべき名作!
実は本当に悲しい、いい映画なんだなぁこれが。(2日遅れでもあくまでクリスマス映画としてこれを紹介するのは、来年のクリスマスまでとっておけそうにないから…。)



しかし、1984年の公開当時はとんでもない大問題作として上映禁止騒動まで巻き起こった曰く付きの作品であります。

実は作品としてはホラー映画にありがちの本当に低予算のどうしようも無い映画だったんですが、この問題作扱いが逆に功を奏して、カルト的な人気を博し、アニバーサリーホラー(以前に『マザーズデイ』を紹介した時にも触れましたが、向こうではありとあらゆる祝祭日がホラー映画のテーマとされてきました)としても代名詞的存在になりました。
とは言え、勿論『ハロウィン』には敵いませんが。

他にも『血のバレンタイン』に、『ザ・スカウト殺戮祭の日』や、『狙われた夜 血に染まる大晦日のロックパーティー』など本当に色んな記念日が殺人鬼が大活躍する舞台となってきました。

そんな中でも特に人気が高いのがクリスマス。これはやはり本作『悪魔のサンタクロース~』の影響が大きい気がいたします。
それほどまでに本作は騒がれ知名度を上げる事に成功したのです。

映画評論家は勿論、PTA的な人達も大騒ぎ、『子供たちの夢の存在であるサンタクロースを殺人鬼の題材にするとは何事か!』と言う理由でした。
厳密に言えばサンタクロースが人を殺すわけじゃなく、サンタクロースの格好で人を殺す話なんですが。



と、文字にすれば確かに不謹慎&くだらなさ満点、と思う方もいるかも知れませんが、観れば実にしっかりとした筋で、サンタクロースの格好にもちゃんと理由があるんですな。

と言う事で詳細を。

1984年公開のアメリカ映画になります。

監督は、チャールズ・E・セリアー・Jr(この人の他の作品は観てません…。)

出演は、リリアン・ショーヴァン、ロバート・ブライアン・ウィルソン、ギルマー・マコーミック、ブリット・リーチ、トニー・ネロなどなど。

ストーリーは、
主人公のビリーは少年時代のクリスマスの夜、両親が強盗に殺される所を目撃してしまう。
しかもその強盗はサンタクロースの格好をしていた。

弟のリッキーと共に孤児院に預けられたビリーだったが、両親を殺されたトラウマからクリスマスとサンタクロースに対して異常な拒否反応を示し、孤児院で問題児扱いかれていた。

孤児院を纏めるシスターは厳格な人で問題児のビリーを厳しく罰し、また若者の乱れた性問題を嫌悪するシスターの影響もあり、ビリーは『悪い子は罰せられる、セックスは悪い事』と言う思い込みを抱えたまま、禁欲的な生活を送り、真面目な青年へと成長します。

孤児院で弟のリッキー以外で唯一、ビリーの気持ちを理解してくれる若いシスターが親身になってビリーの働き口を探してくれ、ビリーは町のオモチャ屋さんで働く事になりますが、これが悪夢の始まりだったのです。

ビリーが仕事にも慣れ、同じ店で働く女性にほのかな恋心を抱き始めた頃に、クリスマスの日が訪れます。
そんな中、ビリーのトラウマを知る由も無い店長は、ビリーにサンタクロースの衣装を着る様に言いつけます。

何とか我慢してサンタクロースの衣装を着て仕事をこなしたビリーでしたが、閉店後の打ち上げでお酒が入った上に、憧れの女性が他の男とキスし出したのを目撃した事で、彼の中の何かが壊れてしまう。

ビリーは斧を片手に、『聖なる夜』を『性なる夜』として楽しむ破廉恥な輩に死の罰を与える為に町に繰り出すのだった。

※ここからガッツリとネタバレを含みますので、これから観ようと思ってる方はご注意下さい!!(サラリと『サンタクロースが殺しにやってくる』のエンディングに触れてしまっているのでそちらにもご注意を!!)











まぁ、映画の形としては典型的なスラッシャーであり、典型的な低予算ホラーなんですが、本当にストーリーが意外に(失礼!)しっかりしていて哀愁を誘います。『サンタクロースが殺しにやってくる』の追い詰められた殺人鬼の乗った車がスリップして崖から転落、殺人鬼が死亡して一件落着かと思いきや、サンタクロースのソリよろしく殺人鬼の乗った車が宙に浮いて飛んで行ってしまうと言う、あまりに唐突な無茶苦茶ファンタジックエンディングも悪くはありませんが、やはりホラー映画には哀愁は欠かせませんな!

本作はオープニングからしっかり怖い。

主人公ビリーが少年の頃のクリスマス、老人ホームに入るおじいちゃんを家族で見舞いますが、おじいちゃんは誰が声を掛けてもボーッとして黙ったままだったんですが、両親が席を外すと突如として爛々と目を輝かせ、ビリー少年に語りかけます。

『お前は1年間いい子にしてたか?サンタクロースはいい子にはプレゼントをくれるが、悪いには罰を与えにやってくるんだぞ!』と。

まだ幼いビリー少年のみならず観ている我々まで怖がらせるおじいちゃん。

しかも、怖がるビリーの元に両親が戻ってくるとおじいちゃんはまたボーッと呆けた状態に戻ります。
何だ!?何の為に孫だけ怖がらせるんだお前は!?(笑)


ビリーの両親の前では呆けたままなのに。


ビリーにだけ狂気の表情を見せるお爺ちゃん!

その帰り道、ビリー少年と両親が車を走らせていると道端に一台の車とサンタクロースの格好の男が。

『故障ですか?』とビリーの父親が親切で車を止めますが、実はこのサンタクロースの格好をした男は強盗でした。

男は突如父親を瞬殺!

驚く母親に襲いかかります。
ビリー少年は車から逃げ出し草むらに隠れて様子を伺います。


お父さんは瞬殺。

強盗は母親に乱暴しようとしますが、抵抗されるとナイフで母親をメッタ刺しにして殺害します。


お母さんも殺されます。

それを見たビリー少年は、おじいちゃんの言葉が思い出されるのです。
『サンタクロースが罰を与えにやってくる』と言う言葉が。

何とか無事に隠れて助かるビリー少年でしたが、この事件を機にビリーにとってクリスマスは両親が殺された日であり、サンタクロースは殺人鬼と言う怖い存在として心に焼き付いてしまうのです。

その後、孤児院に引き取られたビリーと幼い弟のリッキーでしたが、そこを纏める院長のシスターはとても厳格な人で、トラウマを抱えてても特別扱いはしません!とビリーにも厳しく接する。

トラウマを抱えるビリー少年は毎年クリスマスになると発狂。
慰問に来たなんちゃってサンタクロースにも暴力を振るったりと問題を起こしてしまうが、その度に院長シスターから厳しい罰が。
ビリーのベルトを抜き取るとそれでビシバシと折檻!


厳格な院長シスター。


容赦なく折檻!

その後、ある日孤児院の廊下を歩くビリー少年。
すると何処からか怪しげな呻き声が聞こえてくる。

声のする方に近づくビリー少年。
声は廊下の隅の部屋から聞こえて聞こえてくるのだった。
ビリー少年が鍵穴から中を覗くと裸の男女が。

そう、呻き声では無く喘ぎ声だったのだ。
しかし、まだ少年のビリーにはよく分からない、よく分からないけど何故か目が離せないビリー少年。
しかし、女性の裸を見ると強盗に乱暴されて殺される母の姿がフラッシュバックする!

と、突如厳しい厳しい院長シスターが現れ、部屋に押し入ると、『汚らわしい!』とこれまた男の脱いだズボンからベルトを抜き取りカップルをビシバシと折檻!!折檻!!

この事件によりビリー少年の中で性的な事は悪い事であり、罰っせられると言う事実として心に刻まれる事になってしまう。

これはビリーのキャラクター造形に無くてはならないシーンなんですが、このイチャつくカップルが何処からか来た誰か、が全く分からない…。孤児院にいる年長の子なのか、それとも孤児院で働く人達なのか。兎に角ビリーに新たなトラウマを与える為だけに登場した人達。
オマケに覗き見したと言う事でビリーもオマケ折檻を受ける始末…。

しかし、この件でほぼ『クリスマスはサンタクロースが悪い子を罰する日、そして性的な行為は罰せられる行為』と言うビリーのバックボーンがほぼ形成されてしまう。


ねじ曲がっていくビリー少年。

その後も、院長シスターはビリーをベッドに縛り付けたりとトラウマを持っている子にはキツイ仕打ちを続ける。
院長シスターとしては荒療治のつもりの様だが、ビリーを心配する若いシスターはやり過ぎだと注意するも院長シスターは聞く気なし!ビシバシ折檻、ビシバシ折檻の日々が続くのだった…。可哀想なビリー。

それでも普段は弟思いのビリーもすくすくと成長。
すくすく成長し過ぎて何故かメチャマッチョに!!しかも少年時代から考えられないくらいイケメンに。(ちょいエアK似!)


イケメンマッチョに成長したビリー。

そんなビリーの成長を喜ぶ若いシスターは、さらなるビリーの更正と幸せのために半ば無理やりおもちゃ屋の店長を恫喝し、就職のお膳立てをする。
しかし、これが悪夢の引き金となるのだった。

このシスター基本的にビリーに対してはいい人何だけど、この就職がそれ以外の人達にとって文字通り命取りになる。


心優しきうっかりシスター。

しかし、真面目でマッチョのビリーは働き者で店長も満足。
店でドンドン評価を上げ人気者になるビリー。

一緒に働くカワイ子ちゃんとも何だかちょっといい感じ。
初めて恋する心を知ったビリーも明るくなり、より仕事に打ち込む。
そう、とても真面目な好青年のビリー。


ビリーが想いを寄せるカワイ子ちゃん。

中にはそんなビリーを妬む先輩も居るが、それでもビリーに取っておもちゃ屋の仕事はやり甲斐のあるものだった。
あの日が来るまでは…。

そう、おもちゃ屋にとって、年に一度の
掻き入れ時、おもちゃ屋がその存在意義を思う存分発揮する日、そう、クリスマス!!

クリスマスが近づくだけで落ち着かなくビリーですが、真面目なので何とか働きます。カワイ子ちゃんとイチャついていたら殺されると言う夢を見たり、相変わらず性的な行為は罰の対象としてビリーの心に刻まれている様子。
しかし、それ以上の最悪の事態が彼を待ち受けておりました。

ビリーのトラウマを知らず、それどころか働き者のビリーを評価して信頼する様になった店長は、よりにも寄ってビリーにとって拷問にも近い仕事を言いつけます。
サンタの格好で店に出ろ、と。


拷問のサンタコス!


大満足の店長、この時点で死亡フラグ立ちまくりです。

もう、我々観客はビリーに代わって悲鳴を上げたくなります。

それでも真面目なビリーは(もう涙無しには見れません)、脂汗なのか冷や汗なのか、汗ダクダクでサンタの格好をしながらも何とか働きます。

何事も無く無事にクリスマスの営業を終えた店内で店長、経理のおばさん?、カワイ子ちゃん、先輩、ビリーの5人は仕事納めの打ち上げパーティーを開きます。

お酒を飲んだ事の無いビリーもサンタの格好のまま店長に勧められてお酒を少々。
店長と経理のおばさんは酔っ払って上機嫌、そんな中カワイ子ちゃんを探すビリーでしたが、何とカワイ子ちゃんと先輩は店の奥の倉庫でちょっといい感じ!

しかし、ガッつく先輩に対してカワイ子ちゃんはここじゃ嫌なの、と焦らしてましたが、先輩は乱暴にカワイ子ちゃんに迫ります。


全然カッコ良くないのにいい男気取りのパイセンは強引にカワイ子ちゃんをモノにしようとする。

そこを目撃してしまったビリーの脳内で久々に母親の殺害シーンがフラッシュバック!!

そして、その瞬間、サンタクロースの殺人鬼が誕生したのであります。
もう働き者で真面目なビリーはそこに居ませんでした。

『パニッシュ(罰)!!』と呟いたビリーは、先輩に近づくとクリスマスのイルミネーション様の電飾の紐で絞殺!マッチョだから簡単にキュッと殺して罰を与えます。

悲鳴を上げるカワイ子ちゃん。
悲しげな目のビリーは再び『パニッシュ』と呟くと傍らにあったカッターナイフでカワイ子ちゃんの腹を切り裂く。
そう、例え恋心を抱いたカワイ子ちゃんであっても悪い子には罰を与えるどこまでも真面目なビリー…涙。

おかしな物音に気付いた店長が倉庫にやってくるとビリーは店長の頭をかち割る。


あんな格好させたお前が悪いぞ、店長!

っておい!店長別に悪い事してないぞ!!完全にサンタクロースの格好された仕返しにしか思えないぞ!
どこへ行った真面目なビリー!!

更に店長の死体を発見し悲鳴を上げる経理のおばさんが警察に電話しようとすると斧で電話機を叩き割るビリー。

ただの殺人鬼じゃないか…ビリー…また涙。

店内を逃げ回るおばさんを弓矢で射殺すビリー。って何でおもちゃ屋に弓矢があるんだっ!?


殺傷能力の高い弓矢を売る危ないおもちゃ屋。

しかし、店内の悪を一掃したビリーは、なまはげの様に『悪い子はいねぇかぁ?』と街に繰り出す!

ビリーが居なくなったおもちゃ屋に、ビリーの様子を見に来たシスターは死体の山を発見する。ビリーの仕業と確信したシスターは警察に連絡する。

その頃、とある家の地下室では若いカップルがイチャついていた。
どこでその事を知ったのか分からないが何処からかとも無く現れたビリー。

『パニッシュ』と景気良く斧で玄関をぶち壊し進入。


ターミネーターの様なビリー。

音を聞きつけて一階に上がってきたカップルの女の子を軽々と持ち上げるビリーサンタ。
そのまま壁に飾ってあった鹿の頭に突き刺して殺すと言う独創性溢れる殺し方!トナカイじゃなくて鹿だけど何かクリスマスっぽい!!

更に様子を見に来た彼氏と乱闘。
何やかんやで二階の窓から彼氏をぶん投げるマッチョなビリーサンタ。


性なる夜には死を!

彼氏は地面に叩きつけられガラスも刺さって絶命。
快調にKILLを重ねるビリー。

と、一仕事終えたビリーの所へ、その家で寝ていた幼い女の子が起きて出てくる。
女の子はビリーを見てサンタクロースと思って近づいてくる。
背後にミリタリーナイフを隠し持つビリーは、女の子に尋ねる。

『君は今年いい子にしてたかな?それとも悪い子だったかな?』


純粋無垢な女の子。

女の子はニッコリ笑って『うん、いい子にしてたよ!』と答える。
すると、ビリーもニッコリ笑って、女の子にプレゼントを渡す。
隠し持っていたミリタリーナイフを。


いい子にはちゃんとプレゼントをあげるのもサンタの仕事!

色々ツッコミたくなる心温まるシーン。
自己申告で『いい子にしてた』を簡単に信用するのかビリー!
幼い子にミリタリーナイフのプレゼントはダメだぞビリー!!

一方シスターの連絡でサンタクロースの格好の大男を追う警察だったが、今宵はクリスマス。見つけたと思っても子供の為にサンタクロースの格好をしてるだけのお父さんだったりと全く役に立たない。

森では恐らくいじめられっ子な男の子2人がひっそりとソリで遊ぼうとしていた。(何で夜の真っ暗な森の中でソリをしようとしてるんだろう、この子達…。)
しかし、そこへビリー、ではなく恐らくいじめっ子な男の子2人が登場し、強引にソリを奪ってしまう。

ソリに乗って滑るいじめっ子1号と滑ってくるのを下で待ついじめっ子2号。

しかし!1号が勢い良くソリで滑りだすと何処からかとも無くビリー登場!
『パニッシュ!』と最早手足の如く扱い慣れた斧をフルスイング!!
スパッと1号の首チョンパ!

1号が滑ってきたと思ったら、ソリに跨ってたのが首なしの死体で驚く2号。
そこに時間差でコロコロと1号の首が転がってくると言う素晴らしいシーン。

店長と経理のおばさんをノリで殺しておきながら何故か2号には罰を与えず消えるビリー。一貫性が無いぞ!ビリー!!

夜が明けるとビリーの最終目標は折檻されまくった院長シスターに。
もうこうなるとただの私怨、復讐であります。

孤児院に向かうビリー。

しかし、警察も若いシスターの話からビリーが院長シスターに復讐する可能性を知り孤児院に警官を向かわせます。

孤児院を見廻る警官は、サンタクロースの格好の男を発見。
子供達に近づくその男に警告を言い渡すもズンズン近づく男。
警官が銃を発砲しサンタクロースの格好の男を射殺!
一件落着かと思いきや、そのサンタクロースは、慰問の為にサンタクロースの格好をした神父のお爺さんだった!!
そういう情報は先に警察に伝えろ、若いシスター!!本当に人はいいけどオッチョコチョイ!サザエさんかお前は!

気持ちを切り替えて(神父撃たれ損!)見廻りを続ける警官は、物置小屋を調べる。何事も無いかと安心したその時、ビリーが斧を持って登場。
ズドンと警官の腹に斧を食らわせパニッシュ!!

孤児院の庭の雪だるまの首も斧で叩き落とし、ついでに斧に付いた血糊も掃除!

そのまま孤児院に突入する。


恨み晴らさでおくべきか!

サンタクロースの登場に孤児院の子供達は大喜び。
そんな中、年を取って車椅子に乗る様になった院長シスターとその車椅子を押すビリーの弟リッキーは、そのサンタクロースが兄のビリーである事に気づく。


歳を取っても厳しい院長シスター。

『みんな、下がりなさい!』と言う院長シスターだったが子供達はサンタクロースのビリーに群がる。

後手に斧を持ったビリーは子供達を掻き分けズンズンと院長シスターに近づく。

固まる院長シスターとリッキー。

怒りの表情のビリーが斧を振り上げ積年の恨みを晴らそうとしたその瞬間、若いシスターと警察が突入し、ビリーを蜂の巣にする。

崩れ落ちながらも院長シスターに追い縋ろうとするビリー。
冷たい表情でそれを避ける院長シスター。

血を吐きながら倒れたビリー。
ビリーは、死ぬ間際に『サンタクロースは、もう、いない…』と呟いて絶命する。


可哀相なビリー…。

ビリー!!!もう本当にビリーがひたすら可哀相で涙を禁じえない…。
ビリーの受難をズーッと見せつけられて映画が終わる。

と思いきや、そんな兄の死に様を目の前で見せつけられた弟リッキー少年は院長シスターを睨みながら呟く、『パニッシュ(罰)』と…。

そう!兄のビリーが晴らせなかった恨みを弟リッキーがキッチリと引き継ぎ、『悪魔のサンタクロース2』へと続くのであります!!


お兄ちゃんの仇は僕が討つ!

まぁ、この続編は完全に本作の便乗でありました。終わり方が明らかに続編製作への意欲満々なんで当初からそのつもりだったのかも知れませんが。
それにしても続編が凄まじかったのが、ほぼ半分の尺を使って一作目のダイジェストを観せると言う構成。
こんなにガッツリ前作のおさらいをしてくれる親切設計のダイジェストを未だ他の映画で観たことありません。

この続編では、リッキーはビリーを上回るマッチョに成長。中身的にはしっかり兄の意思を継ぎ、悪い子に罰を与えまくり、そして最後には見事、兄の悲願である院長シスターへの復讐も果たすと言う感動のラスト。

しかし、やはり尺の半分をダイジェストに費やすと言うあからさまな予算の節約ぶりから本作以上の評価は得られませんでした。

DVDで同時に観れば、『悪魔のサンタクロース2』は正味頭の40分位を早送りして観れるので、映画2本を2時間ちょっとで観れると言う、忙しい現代人に優しい作りではあります(笑)

それにしても本作は、ホラーお約束、【SEXしたら殺される】を殺人鬼のキャラクターのバックボーンに見事に活かした作品であり、アニバーサリーホラーの秀作であります。

サンタクロースの格好で人を殺しまくると言う、確かに不謹慎極まりない設定ではありますが、ビリーのキャラクターを実に丁寧に描く事で、キリストに負けずとも劣らない(?)受難の物語として観るものの涙を誘います。

しかし、本当にアメリカ人はこの作品をボロカスに非難しておきながら未だにクリスマスホラー作りまくってくるからいい加減だなぁ。

今年公開のクリスマスホラー、『クランパス』も観たいなぁ。

余談ですが、日本一のホラー漫画家楳図かずお大先生も、クリスマスにアゲアゲで遊んでSEXする若者達に今までのプレゼントのお返しとばかりに、サンタクロースが身体を千切って回収すると言うスプラッター漫画『プレゼント』と言う作品があります。こちらは本物のサンタクロース!こっちの方がアメリカだったら問題作だろうなぁ。
ちなみにこの『プレゼント』は実写で映像化されてます!


さすがは楳図かずお大先生!!

それはそうと、日本でもアニバーサリーホラー、記念日ホラー作らないかなぁ。
お爺ちゃんお婆ちゃんが若者を殺しまくる『血染めの敬老の日』とか、色んな職業の職人がその技を使って若者を殺しまくる『悪魔の勤労感謝の日』とか、巨大な鯉の化け物が人を食いまくる『戦慄のこどもの日』とか…。