Please Comeback Rick Baker! | CURSE OF CINEMA

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メジャー、インディー、洋画、邦画を問わず映画や、アメコミのレビュー、自作のイラストを掲載していくブログです!映画はホラー映画メインになりそうですが(笑)とにかく個人的に好きな作品などを褒めちぎる愛のある映画レビューを書いていきます!

今回は映画のレビューではないんですが、昨日飛び込んできたニュースでどうしても書かなければ!と思ったので。

昨日、1人の天才が現役引退を表明したとのニュースが世界に流れました。
現役引退と言ってもスポーツ選手ではありません、誰あろう特殊メイク、メイクアップアーティスト界1の天才、リック・ベイカーその人であります!!涙


天才リック・ベイカー

勿論、映画観る人なら知ってると思いますが、名前を知らなくてもきっと彼の偉業の数々をスクリーンで目にしてるはず!
ホラー映画に関わらず様々なジャンルの映画で、その神の手から繰り出す超絶技巧で不可能を可能にしてきた人です。

アカデミーを受賞した作品だけでも、
『狼男アメリカン』(1981)
『ハリーとヘンダーソン一家』(1987)
『エド・ウッド』(1994)
『ナッティプロフェッサー クランプ教授の場合』(1996)
『メン・イン・ブラック』(1997)
『グリンチ』(2000)
『ウルフマン』(2010)
なんと、過去7度もアカデミーのメイクアップ、特殊効果での受賞を達成してるのです!
『ナッティプロフェッサー~』がアカデミー受賞してるのも驚きですが(笑)

更に、その他彼が携わり映画の魔法を見せつけてくれた作品は、
『キングコング』(1976)※この時はコングの中の人も自分で演じております。
『スターウォーズ』(1977)この時はエイリアン達のマスクを担当
『ビデオ・ドローム』(1984)
『愛は霧の彼方に』(1988)
『グレムリン2 新・種・誕・生』(1990)
『バットマンフォーエバー』(1995)
『エスケープ・フロム・LA』(1996)
『マイティー・ジョー』(1998)
『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999)
『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)
『ザ・リング』(2002)
『ヘル・ボーイ』(2004)
『Xメン ファイナル・ディシジョン』(2006)
『魔法にかけられて』(2007)
『メン・イン・ブラック3』(2012)
『マレフィセント』(2014)
などなど
こうして見ると、やっぱり『キングコング』での功績の影響か、猿を作るのが多いですね(笑)


キングコング


ハリー


『愛は霧の彼方に』のゴリラ


ジョー


セード将軍

リック・ベイカーだって天才になるまでに、『吸盤人間オクトマン』で日本の特撮にも及ばないオクトマンのスーツ作ったり、白人が黒人のマスクを被って強盗する『ゼブラ軍団』とか、勝手にどんどん溶けてって最後はゴミになる『溶解人間』とか、グラインドハウスムービーでの下積みがあってこそ!!


オクトマン


あ、溶解人間の耳が落ちてる!

リック・ベイカーは、子供の頃、僕も大好きなユニバーサルの往年のモンスター映画、『フランケンシュタイン』(1931)、『魔人ドラキュラ』(1931)、『ミイラ再生』(1932』、『狼男』(1941)などを見て、特殊メイクアーティストの始祖とも言えるジャック・P・ピアースの生み出すモンスターの造形に感動し、特殊メイクアーティストへの道を志した。(ピアース自身は、一時代を築いた最大の功労者にも関わらず、メイク技術の進歩に対して古くからの手法に拘った事もあり、スタジオをクビになってしまう)

ベイカーは、もう一人の天才、ディック・スミスに師事する。ディック・スミスは、『ゴッドファーザー』や『エクソシスト』などのメイクを担当した伝説のアーティストだ。

去年そのディック・スミスが亡くなった時には、ベイカーは『マスターが亡くなった、メンターであり友であった彼がいなくなった、明日から世界は同じではいられない』と自分の師匠の死を悼んだ。
ディック・スミスの訃報には僕も衝撃を受けた、何も知らずに『エクソシスト』を観てマックス・フォン・シドーが当時まだ40代だと分かる人がいるだろうか!?とにかく素晴らしいメイクだった。
確かにショックだったけど、彼は亡くなってしまったのだ。だから仕方ないと思えた。
でも、今回は違う、ベイカーは引退である。
勿論もう70手前であるから、本人的な衰えもあるだろうけど、問題は引退に際してのベイカーのコメントだ。

『もう時代は、特殊メイク、特殊効果の時代ではなくなった』
そう、CGで生み出せない映像などなくなった時代に、特殊メイクでは生み出せる映像に追いつけない、という事だ。

確かに、例えば『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに出ていたゴラムなんかのキャラクターは、CGならではだ。あの皮膚や顔にする事は特殊メイクでも可能だが、あの頭の大きさと体の小ささはメイクではどうにもならない、人形などを作る必要がある、そうするとあの様にゴラムが動き回る映像は無理だろう。ヨーダだってCG無しにはライトセーバーを振り回せない。

でも、絶対に必要だ!手作り感満載の特殊効果や、特殊メイクが今後も映画には絶対必要なんだ!!頼むよベイカー!まだまだもっとあなたの魔法が観たいよ!!
考え直してくれ!!!