続 日蓮仏法に於ける一大秘法 3
歴代僧侶の「妙法蓮華経の五字」の引用文書 3
「妙法蓮華経の五字」に連なるなる語句を紹介しています。
重須談所二代学頭 日順上人(生存期間 西暦1294-1356年)
日順上人は、8歳にして民部阿闍梨日向門下の日澄に師事後、日興上人の折伏により、日澄と共に日興上人の弟子となり、24歳の時、重須談所の日澄に次ぐ二代目学頭に補せられ、多くの書を著作されている。
「今・末法万年の良薬は上行所伝の本門の肝心・妙法の五字なり」(日順 記『表白』富要集2巻10頁)文保2(1318)年11月 祖滅36年
「人は上行・後身の日蓮聖人なり、法は寿量品の肝心たる五字の題目なり」(日順 記『表白』富要集2巻14頁)
「所謂ル従地涌出の下方の大士・神力別付の上行応化の日蓮聖人・宣示顕説の妙法蓮華経の五字是れなり」(日順 記『本門心底抄』富要集2巻29頁)貞和5(1349)年半夏中旬 祖滅67年
「何に況んや神力品は別付嘱なり、別とは上行等に結要付嘱す・結要とは純一無難の五字の題目なり」(日順 記『摧邪立正抄』富要集2巻49頁)貞和6(1350)年暮春中旬 祖滅68年
「不思議実理の観とは二つ之れ有り、迹門の妙法蓮華経と本門の妙法蓮華経なり(中略)
次に本門の妙法蓮華経とは下種の法華経、唯本独一の本門なり」(日順 記『本因妙口決』富要集2巻71-2頁)著作年不明
「尋ねて云はく妙法の五字に二つ之れ有り、(中略)
初に妙法五字の二とは迹門台家の題目は不変真如の理性に於いて之れを立つるなり」(日順 記『本因妙口決』富要集2巻72頁)
「三千三観は所開の法・妙法五字は能開の深理なり、所開の迹門は能開の本門に帰すれば迹門は本門の為めなり(中略)
住不思議顕観とは首題の五字を不思議と云ふ」(日順 記『本因妙口決』富要集2巻73頁)
「迹門の妙法蓮華経の名号は本門に似たりと雖も義理天地を隔て成仏又水火の不同なり、久遠名字の妙法蓮華経の朽木書なる故に不思議一と釈し給ふなり」日順 記『本因妙口決』富要集2巻74頁)
「一同とは迹門の妙法蓮華経も名体宗用教なり、本門の妙法蓮華経も名体宗用教なる故に名一なれば一同と云ふなり」(日順 記『本因妙口決』富要集2巻75頁)
「問て云く妙法の五字を名躰宗用教の五字に釈する様は所有之法は法自在神力は妙秘要之蔵は蓮華なり法界我等が身躰当体躰の蓮花、経蔵の義なり、甚深之事は花経の義なり経とは一部に非ず題目の五字なり(中略)
況して本仏の妙法五字の内に此珠を裹(つつみ)と文、(中略)
全く妙法の外に裹む物無く裹み物の外に妙法無きなり」(日順 記『日順雑集』富要集2巻91頁)文和5(1356)年3月 祖滅74年
「此経とは一経を指すに非ず妙法蓮華経五字なり、結要付嘱の故に(中略)
四信五品抄に云く直専持此経とは一経を指すに非ず、妙法蓮華経の五字なり、又名躰宗用教の五重玄を以って五字を釈する事・玄義一部の習ひなり」(日順 記『日順雑集』富要集2巻98頁)
※日順上人も「妙法蓮華経の五字」の重要性を十分に理解しており、この時代でも「楠板本尊存在」の影など全く無いのです。