日蓮仏法に於ける一大秘法 21

 

 

大聖人の「妙法蓮華経の五字」の記述文書 19

(弘安37月「浄蔵浄眼御消息」から弘安54月「三大秘法禀承事」まで

 

 

「妙法蓮華経の五字」「妙法の五字」「題目の五字」なる語句を含む大聖人の御文を年代順に紹介しています。

 

 

「又若しやの事候はばくらき闇に月の出づるが如く妙法蓮華経の五字・月と露れさせ給うべし、其の月の中には釈迦仏・十方の諸仏・乃至前に立たせ給ひし御子息の露れさせ給ふべしと思し召せ」(浄蔵浄眼御消息1397頁)弘安37月 59歳御作

 

「天台智者大師と申す聖人・妙法蓮華経の五字を玄義十巻・一千丁に書き給いて候、其の心は華厳経は八十巻・六十巻・四十巻・阿含経数百巻・大集方等数十巻・大品般若四十巻・六百巻・涅槃経四十巻・三十六巻、乃至月氏・竜宮・天上・十方世界の大地微塵の一切経は妙法蓮華経の経の一字の所従なり、妙楽大師重ねて十巻造るを釈籤と名けたり、天台以後に渡りたる漢土の一切経・新訳の諸経は皆法華経の眷属なり云云、日本の伝教大師重ねて新訳の経経の中の大日経等の真言の経を皆法華経の眷属と定められ候い畢んぬ」(内房女房御返事1422頁)弘安38

 

「妙法蓮華経の徳あらあら申し開くべし、毒薬変じて薬となる妙法蓮華経の五字は悪変じて善となる、玉泉と申す泉は石を玉となす此の五字は凡夫を仏となす、されば過去の慈父尊霊は存生に南無妙法蓮華経と唱へしかば即身成仏の人なり、石変じて玉と成るが如し孝養の至極と申し候なり」(内房女房御返事1423頁)

 

「蓮の宗とは果海の上の因果なり、和尚の云く六即の次位は妙法蓮華経の五字の中には正しく蓮の字に在り蓮門の五重玄の中には正しく蓮の字より起る、所以何ん理即は本性と名く本性の真如・理性円満の故に理即を蓮と名け果海本性の解行証の位に住するを果海の次位と名く」(十八円満抄1364頁)弘安311

 

「仏意の五重玄とは諸仏の内証に五眼の体を具する即ち妙法蓮華経の五字なり、仏眼は・法眼は・慧眼は・天眼は・肉眼はなり、は不思議に名く故に真空冥寂は仏眼なり、は分別に名く法眼は仮なり分別の形なり、慧眼は空なり果の体はなり、は用なる故に天眼と名く神通化用なり、は破迷の義に在り迷を以て所対と為す故に肉眼と名く、仏智の内証に五眼を具する即ち五字なり五字又五重玄なり故に仏意の五重玄と名く、亦五眼即五智なり、法界体性智は仏眼・大円鏡智は法眼・平等性智は慧眼・妙観察智は天眼・成所作智は肉眼なり、問う一家には五智を立つるや、答う既に九識を立つ故に五智を立つべし、前の五識は成所作智・第六識は妙観察智・第七識は平等性智・第八識は大円鏡智・第九識は法界体性智なり。」(十八円満抄1365頁)弘安311

 

「問う所説の要言の法とは何物ぞや、答て云く夫れ釈尊初成道より四味三教乃至法華経の広開三顕一の席を立ちて略開近顕遠を説かせ給いし涌出品まで秘せさせ給いし実相証得の当初修行し給いし処の寿量品の本尊戒壇題目の五字なり、教主釈尊此の秘法をば三世に隠れ無き普賢文殊等にも譲り給はず況や其の以下をや、されば此の秘法を説かせ給いし儀式は四味三教並に法華経の迹門十四品に異なりき、所居の土は寂光本有の国土なり能居の教主は本有無作の三身なり所化以て同体なり、かかる砌なれば久遠称揚の本眷属・上行等の四菩薩を寂光の大地の底よりはるばると召し出して付属し給う」(三大秘法禀承事1021頁)弘安54月 61歳御作

 

※結局「妙法蓮華経の五字」は、大聖人の御生涯を通して多くの御文に記述されていますが、本門戒壇の大御本尊とされ、「三大秘法惣在」とされる「楠板本尊」の記述はありません。大聖人の御文に「本門の本尊」の記載が6文書に存在しますが、「本門の本尊」を「一大秘法」の根本に収束させる表現は見つかっていないのです。

 

 

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