第34話「苦悩Ⅰ」
静香の受験まで、いよいよあと1週間になりまして・・・
まあ受験といっても、面談と作文だけなんで、
学校推薦をもらった段階で、よっぽどのことさえなければ
大丈夫だと思うんだけどね・・・
この前の面接練習のときみたいに・・・
「塾の先生が大好きで~す♪」
なんて調子に乗らなきゃいいんだけどヽ(;´Д`)ノ
さて、いつものように授業の準備をしていて・・・
今日の授業は、「確率(基礎)」講座でした。
前にも説明したと思うんだけど、受験直前時期になると、
通常期のクラスごとの授業から選択制の授業に変わります。
自分が苦手だなぁって思う講座の授業を選ぶわけです。
だから、授業を受けに集まってくる生徒たちのレベルは
そこそこバラバラになっちゃうわけですね。
とはいえ、まさか最上位クラスと最下位クラスの生徒たちを
一色単にして、同じ授業を受けさせるわけにはいかないわけで・・・
同じ講座でも「最難関」「応用」「基礎」とレベル分けをして、
生徒たちを振り分けしちゃってます。
つまり、俺の「確率(基礎)」授業に集まる生徒は・・・
馬鹿ばっかということで間違いありませんヽ(;´Д`)ノ
この時期に馬鹿の面倒を見るのも疲れるんだよ~
「先生、ねぇねぇ、男子ったら最悪だよぉ。」
嗚呼・・・
このお馬鹿さんもいたんですね・・・
授業前の準備で急がしかったので、
このお馬鹿さんを無視していますと、
「ちょっと聞いてんのぉ? こっち向いてよぉ。」
クソ優香に椅子の背中を引っ張られて、机から強引に
椅子ごと離される俺の
尊厳って一体どこに・・・
_| ̄|○
「な、なんなんだよ、お前は!!
俺は忙しいんだっつうの!!(;゜皿゜)」
「あのさぁ、男子のバカがさ、うちらのランキング作ってんだよ?
ムカつかない? あいつらブサイクのくせにさ。」
・・・ソンナコトデオレノシゴトノジャマヲシタンデスカ?
「べ、別にいいじゃねぇかよ、ランキングぐらい。
お前らだって、男子のこと、あいつがカッコいいとか、
あいつはダサいとかクサイとかいろいろ差別してるじゃねぇかよ。」
「うちらのことはいいからさ、とにかくアイツ等ムカつくの。
ねぇ、先生、何とかしてよぉ。」
その自分のことだけは棚に置く性格は直しなさいよ・・・
ホントに世話が焼けるヤツだなぁ・・・
それにしても、こういうことに口うるさい女子って、
何故か毎年いるんだよね・・・
なんでだろう・・・?
「あのさ、お前が直接文句言えばいいだろ?
そんなの全然平気だろ?」
なんせ優香さん、この性格ですから、
相手が男子だろうがズケズケものを言います。
男子に「ちょっとウルサイんだけど・・・」
と注意されると、
「うっせー、ブス」
と意味不明の反論するぐらい強気の女ですからヽ(;´Д`)ノ
ふつう、逆だろ?!
もしも俺の同期にこんな女がいたら、ぜったい友達になんか
なりたくないタイプだよね・・・
「無理。今日は絶対無理だって。」
「なんで? お前が?」
「『お前』とか言わないでよっ。
他のクラスの男子もいるし、言えるわけないじゃん。」
・・・・・・ああ!!!
ああ、なるほどね・・・
他のクラスの男子の前では、
野蛮な姿を見せられないってことですか・・・
ムフフ。女の子っぽいところがあるじゃん。
あの優香が恥らうなんてさヾ(´▽`)
「なによ・・・」
「いや、べ~つに♪」
ちょっとばかし優香が可愛らしくて思えちゃったよw
「あのさ、言っとくけどさ、
私は先生のことも考えて言ってあげてるんだからね。」
はぁ?
何言ってるんですか、この人・・・。
思い通り成績が上がらないもんだからおかしくなったんですかね?
まあもともとおかしい人でしたが。
「静香のことだって、安心しきってると知らないからね。」
え・・・
「静香、ああ見えても結構モテるんだから。
静香のこと好きだって男子なんか山ほどいるんだからね。」
『ああ見えても』って言わなくても、そんなことぐらい・・・
もう十分すぎるぐらい理解していますからヾ(´▽`)
あれだけ可愛いからこそ、
俺だって気持ちがグラグラしちゃったわけだしねw
モテないようなブサイクだったら最初から遊ばねぇっつうの。
「4組の岸君が告白するかもって、タカシから聞いたよ。」
タカシは優香や静香と同じクラスで、俺の生徒ですが、
4組は俺のクラスじゃないからよく知りません・・・
ただ・・・
いきなり具体的な名前が出てきて・・・
俺は・・・
思わず動揺しちゃったわけであり・・・
「岸って、タカシと同じ学校の・・・?」
「そう、私はタカシから聞いてたから知ってたけど、
ずっと前から静香のことが好きだったらしいよ。
卒業前に告白するって言ってたんだって。」
「そ、そうなんだ・・・。
静香はこのこと知って?」
「ううん。知らないはず。
タカシにも口止めされてるし。」
むむ・・・
まさか敵が塾の中にいようとは・・・ヽ(;´Д`)ノ
まあ冷静に考えてみれば、あれだけ可愛いけりゃ・・・
モテるのは当たり前だよね・・・
俺がもしも同じ中学生だったとしたら、
絶対静香のことが気になって、毎晩夜のオカズにして右手の恋人にしていたに間違いないもん。「小川さん、僕のを触ってごらん。」「え、ヒカルさん、何をするの?」「そんなに怖がらなくてもいいよ。これだって僕の分身なんだ。君のことを考えれば考えるほどアツク硬い男に変身していくだけなんだから。ね。僕に勇気をくれないか?」「え?勇気って?」「簡単だよ。僕の息子をやさしく上下にこすってく・・・」
間違いなく、意識してたと思うんだよね・・・
「そっか・・・」
「ほら、先生、男子のとこいってさ、ランキング取り上げてきてよ。
そんでさ、お前ら女子のことばっか考えて浮わついてたら、
高校受験失敗するぞ!!って脅してやればいいじゃん。」
お、お前・・・
案外策士じゃん・・・(;゚Д゚)
「そんでさ、岸君を怒鳴りつけて、
俺の女に手を出すんじゃねぇ、とか言ってやんなよ。」
てめぇ、面白がってんだろ!!
(;゜皿゜)
岸のことは詳しくは知らないだんけど、
そこそこのツラをしてたような気がする・・・
まあ、相手がどんな男であってもさ、
あれだけ俺に夢中だった静香ちゃんがだよ?
もしも告られたからって・・・
いきなり態度を急変するなんて・・・
そんなこと・・・あるはずが・・・
やっぱ不安だよぅ(汗)
_| ̄|○ililil
いやね、俺だって静香のことを考えればさ、
俺なんかにいつまでも付きまとっているより、
同い年の男の子と恋愛するほうが普通だと思ってる・・・
きっと、そのほうがずっと健全で、
静香にとってもずっとずっといいことじゃないかって、
頭の中では理解してるんだよ・・・
でも・・・さぁ・・・
ε-(;-ω-`A) フゥ…
「ほら、先生、もうすぐ授業なんだから、
そんなとこでダラダラしてないで、
さっさとランキングを没収してきてよ。」
ダラダラとか言うなっ、ぼけっ!!
「はいはい、行ってくりゃいいんだろ?」
こんなくだらないことに加担する真似はしたくなかったけど、
静香がどれだけ人気があるのか気になったわけでして・・・
ランキングをのぞいてみたいという気が起きたのと・・・
ついでに岸ってヤツのことも偵察してこようかと・・・
優香なんかに振りまわされちゃって、
いったい俺は何をやってんだかヽ(;´Д`)ノ
大事な受験前に・・・
動揺を与えるようなことだけは・・・
したくなかったのに・・・
受験まで・・・あと7日・・・。