第16話「お母様、ご機嫌ようⅠ」
はやいもので季節はもうすぐ11月。
あと3ヶ月ほどで受験生の本番が始まるわけです。
それにしても・・・
あの地獄の夏期講習がやっと終わったばかりなのに、
なんでもう冬期講習が始まるわけ?!
うおおおお、泣けてくるぜ・゜・(ノД`;)・゜・
この時期になると、受験生たちも志望校を決めてきます。
中学受験だったら親が主導してくれるからさ、
志望校もある程度家庭に任せておけるんだけど・・・
中3になるとそうはいかないんですよ・・・
なんせ・・・
ただのバカだって塾に来るんだもん(-ω-;)
勉強する気なんか全然ないけど、
とりあえず中3だからって理由で
塾に通ってくるやつがくるんだよね。
ま、最低限の責任上、
どこかしらの学校に放りこまなきゃいけないしさ・・・。
そこで、どの学校を受けさせるか
親御さんと相談するために・・・
保護者面談っつう面倒くせぇものを
やんなきゃいけないのです。
ああ、うぜぇ。ヽ(;´Д`)ノ
で、その個別面談の日取りを決めるために
せっせと生徒の家庭に電話しております。
一人2,3分で切ったとしても、
50人もいれば軽く2~3時間はかかります。
なかには、さっさと切りたいのに
電話で相談ごとをもちかけてくる母親もいるし・・・。
実際は1時間に10人話せればいい方ですかね。
でね・・・
非常にかけにくい相手がいるんですよ・・・。
お分かりですか・・・?
静香の母上様です・・・
ε-(;-ω-`A) フゥ…
以前にも成績のことで何回か話しことはあるんだけど、
そのときはまだ・・・
そんな関係になってなかったしさ。
一体どんな顔で話せばいいわけさ・・・
ああ、こういうことがあるから、
面倒なことには首をつっこみたくなかったのよねぇ。
もう遅いけど・・・(´д`lll)
静香んとこは順番をできかる限り後回しにしたんだけどさ・・・
それでも結局はかけなきゃいけないわけでして・・・
はぁ、ため息が出てくる(´Д`;)/ヽァ・・・
仕方ねぇ・・・
面談をやらないわけにもいなかいし・・・
意を決して、ダイヤルしました。
「トゥルル、トゥルル、トゥル・・・・
ガチャッ、はい小川です。」
「わ、私、○○塾のヒカルと申しますが、
静香さんのお母様でいらっしゃいますか?」
なんかメチャクチャ焦っちゃってさ・・・
ああ、出てくる言葉のたどたどしいことったら
いい歳したオッサンのくせに情けねぇ・・・ヽ(;´Д`)ノ
「あ、先生!! 私です、静香です。こんばんはぁ。」
し、静香かぁ・・・。なんかホッとしたぁ。
「どうしたんですか?
先生から電話してくれるなんて。嬉しいなぁ。」
あ、このバカ、なんか勘違いしてやがる。
「バ、バカ!!(゜Д゜;≡゜Д゜;)
そ、そんなこと言ってお母さんに
聞かれたらどうすんだよ。変なこと言うなよ。」
「あはは、平気だって。
お母さん、今台所で夕食作ってるから。」
ったく焦らせんじゃねぇよ、もう。
今日だけはお前と遊んでいる余裕はないんだよ・・・。
「お前さ、ちゃんと勉強してるよな・・・。
俺の言った課題は約束どおりやってるか?」
「え・・・ぎくっ。
あはは・・・、ちょっとだけやったかな・・・。」
「お前なぁ・・・。今度の定期テストが内申あげるための
最後のチャンスだって言っただろ? ちゃんとやっとけよ。
やらなかったら、メチャクチャ怒るぞ?」
「ちゃんとやりますよぉ。
これからやろうと思ってたんだから。」
「ホントかよ。まあいいや。
とりあえずお母さんに代わってくれるか?」
「いいけど・・・。わたしの悪口言ったりしない?」
「しねぇよ。今度個別面談するからさ、
その日程を決めたいんだよ。」
「うん、わかった。
じゃあ、お母さん呼んでくるから待っててね。」
保留音に切り替わって、ディズニーの曲が流れます。
メロディーを聴きながら待つ間、
なんかすごく緊張するんだけど・・・。
はぁ・・・
ため息が出るよ。マジ心臓にわりぃ・・・
別にお母さんにばれてるはずないとは思うけどさ・・・。
なんかドキドキするぅ・・・
悪い意味で・・・(´д`lll)
受話器ごしに3回目のため息がでそうになった瞬間、
「お待たせしました。静香の母です。」
「わ、私、○○塾のヒカルです。
お忙しいところ申しわけありません。」
「いつも娘がお世話になっています。
面談の日取りですよね。」
「あ、はい。もしよろしかったら、
今ご予定決めさせて頂ければと思うんですが、いかがですか。」
ふぅ。ここまでは順調順調。予定通り進んでます。
さっさと日程を決めちゃってスパッと電話切っちゃおうっと。
「あの、先生。」
「はい?」
「その前にちょっと・・・
先生にお聞きしたいことがあるのですが。」
え?!(゜д゜;)