お待たせしました、7月1日に行われたJBCF 広島クリテリウムのレポートです。

 

このレースでは、中島康晴選手が2位となり、表彰台の一角を確保。

スタート直後から終始チームの攻撃的な姿勢が光りました。

 

レポート・写真を通じて、チームの戦いぶりをご覧ください。

応援ありがとうございました!

 

2位の表彰を受ける中島康晴

 

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初開催のJBCF 広島クリテリウムで中島康晴が2

序盤からの波状攻撃でレースの主導権を握る

1 July 2018

 

●JBCF 広島クリテリウム

男子エリート 1.7km×30周回 51.0km

 

●KINAN Cycling Team出場選手

山本元喜 

山本大喜

雨乞竜己
中島康晴
新城雄大

 

国内最高峰のロードレースシリーズ「J PROTOUR」は、広島シリーズ2日目。

初開催となるJBCF 広島クリテリウムで、KINAN Cycling Teamは中島康晴を2位に送り込んだ。

レーススタート直後から果敢に攻撃を仕掛け、レースの主導権をつかんだうえでの上位進出だった。

 

広島市西区の商工センター内に設けられた1.7kmの周回コースで実施された、広島市内では初めてとなる市街地クリテリウム。

3カ所のヘアピンカーブと長い直線が特徴とあり、カーブをクリアする番手や最終局面での位置取りが勝負における大きな要素となると予想された。

 

レースを待つYONEXロードバイク「CARBONEXHR

 

KINAN Cycling Teamは、前日のJBCF 西日本ロードクラシック 広島大会において中西健児が5位、山本元喜が6位と、2選手がトップ10入り。

雨脚の強い中でも、選手たちはまずまずの走りを見せた。

その流れを受けて臨む今回のクリテリウムには、山本元のほかに山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大が出場。

スプリントはもちろん、逃げや少人数での勝負となることも想定し、あらゆるレース展開に対応できる選手たちをそろえた。

 

スタート前に記念撮影

 

前日とは打って変わり、ときおり強い日差しが照り付ける中で始まったレースは、スタート直後からKINAN勢が攻勢に出る。

山本元、山本大、中島、新城と代わる代わるアタックを仕掛け、逃げのチャンスをうかがう。

一時的に4~5人が数秒のリードを奪う場面があるものの、序盤は出入りが激しいまま進行。

1周回目を終えようかというタイミングでクラッシュが発生し、雨乞が間一髪で落車を免れたが、この影響によりバイクを交換。

トラブル発生時と同集団でのレース復帰が許されるニュートラル措置により、集団へと戻っている。

 

盛んに逃げを狙った新城雄大

 

集団内を走る雨乞竜己

 

逃げを狙ってアタックする山本元喜

 

均衡が破られたのは、レース中盤。

山本大ら3選手のアタックが決まり、そのまま逃げグループとなる。

この動きを容認したメイン集団とのタイム差は10~15秒で推移。

KINAN勢は、山本大が先行したことで集団コントロールを他チームに任せ、次なる展開へと備える。

前日の落車と序盤のアクシデントとが重なった雨乞がリタイアとなるが、残る4人で勝負どころを探っていった。

 

レース中盤に逃げを決めた山本大喜

 

レースが後半になると、逃げグループ内でも脚の差が明白となる。

やがて山本大ら2選手に絞られ、後方ではメイン集団も徐々にペースアップ。

10秒を切るタイム差まで縮まる。

残り7周回となったところで、メイン集団でアタックが発生。

これには山本元が対応するが、追走とはならず集団へと戻っている。

以後も先頭2人と集団との構図が続いたが、残り4周回に入ったところで先頭から山本大がアタック。

さらにスピードアップし独走へと持ち込む。

 

残り2周まで逃げ続けた山本大喜

 

しばらくトップを走り続けた山本大だったが、残り2周回でメイン集団によって吸収された。

代わって仕掛けたのは山本元。

このカウンターアタックによってメイン集団は活性化。

山本元は集団へと戻ったが、集団は34人となって最後の周回を迎えた。

 

残り2周、山本元喜がアタック

 

スプリントに向けた激しいポジション争いが展開された中、先頭で最後の直線へと現れたのは新城。

そして、残り約200mで中島を発射。

最後は混戦のスプリント勝負となり、これに絡んだ中島は2位でフィニッシュラインを通過した。

 

最後の直線で新城雄大は先頭へ。残り200mで中島康晴を発射する

 

スプリント勝負を託された中島康晴は2位

 

スタート直後からの波状攻撃で流れをつかみ、最後も好連携を見せたKINAN勢。

あと一歩で優勝は逃したものの、きっちりと表彰台の一角を確保。

前日の上位フィニッシュに続き、広島での2連戦で一定の成果を収めた。

それでもレース後には選手間でミーティングを行い、課題と収穫を確認。

結果に一喜一憂せず、より内容の濃いレースとしていくための意識を高めた。

 

上位3選手の表彰

 

レース後のミーティング。課題と収穫を選手間で確認し合う

 

チームは5月以降、出場するレースで次々と好成績を収め、これまでにない充実した時期を過ごした。

ビッグレースが続いた第1ピリオド(前半戦)を終え、チームは次の段階へとステップアップするときを迎えている。

選手個々のレベルがアップし、レース出場をかけた競争も激しさを増すなか、今後は全体の底上げが進んでいることをチーム力をもって証明していくことになる。

 

 

1 JBCF 広島クリテリウム(51.0km)結果

1 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 1時間22分26秒

2 中島康晴(KINAN Cycling Team) +0秒

3 黒枝咲哉(シマノレーシング) 

4 大久保陣(チーム ブリヂストンサイクリング) 

5 横山航太(シマノレーシング) 

6 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

24 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3秒

28 山本大喜(KINAN Cycling Team) +29秒

37 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分11秒

DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)

 

 

●選手コメント

 

・山本大喜

「一緒に逃げていた雨澤さん(宇都宮ブリッツェン)は脚があるので、一緒に逃げ続けられればと思っていたが、メイン集団の勢いが上がってきた時点で1人で行けるところまで行こうと決めた。独走になってからは苦しくて、集団が迫っていることも感じていたが、少しでも長い時間逃げ続けてチームメートを楽にできればと思って走っていた。チームとして連携ができて、中島さんの2位につなげられた。

 

春先はチームとして結果が残せず、力不足を感じることもあったが、全日本選手権に向けたトレーニングが結果的に個々のレベルアップをもたらしたと思う。みんな自信をもって走れているし、それが積極的な姿勢にも表れている」

 

中盤から逃げ続けた山本大喜

 

・中島康晴

「チームとしてスタートから攻めていくという姿勢を心掛けた。よいタイミングで(山本)大喜が逃げに入ってくれたので、ほかのメンバーは集団内の好位置をキープしながら走ることができた。力のあるスプリンター相手に真っ向勝負となると分が悪いので、残り2周になったところで(山本)元喜にアタックしてもらって、集団内がより活性化することを狙った。ラスト1kmからは(新城)雄大に引っ張ってもらって、スプリント勝負につなげた。

 

窪木選手に勝ちたかったが、途中ではアタックに反応しつつ、最後はスプリントで勝つあたりに強さを感じている。チームとしては雨乞での勝負とはならなかったが、その分をみんなでカバーし合って表彰台を確保できたことがうれしい。

 

チーム全体として全日本選手権からの勢いを持続できている。メンバーがプロトン内で一目置かれていることを実感しているし、それがかえってレースを進めやすくしている側面もある。このまま勝利を重ねていきたいし、みんなでどん欲に勝つことにこだわっていきたい」

 

集団の中でレースを進めた中島康晴

 

 

【Gallery】

 

ウォーミングアップ中の新城雄大

 

レースシューズを準備する山本元喜

 

チームプレゼンテーションでステージへと上がった5選手

 

チームプレゼンテーションで中島康晴がマイクを取る

 

ステージで日本チャンピオン獲得を報告した山本元喜

 

チームプレゼンテーションに臨んだ新城雄大

 

山本大喜はアジアチャンピオンジャージを披露

 

ステージに上がった雨乞竜己

 

ウォーミングアップ中の山本大喜

 

エアロスーツに忍ばせたアスリチューンをアピールする中島康晴

 

レース直前に行われた市民パレードの様子

 

スタートラインについた中島康晴

 

会場近くの園児たちがスターティングセレモニーに花を添えた

 

スタートラインについた山本元喜

 

レーススタート

 

逃げを試みる山本大喜

 

再三逃げにトライした新城雄大

 

逃げのタイミングをうかがう山本大喜

 

序盤からハイペースで攻めた新城雄大

 

ヘアピンコーナーをクリアする山本元喜

 

ヘアピンコーナーを攻める山本元喜

 

ヘアピンコーナーを攻める雨乞竜己

 

集団先頭付近を走る新城雄大

 

集団内のポジションアップを図る雨乞竜己

 

スプリント勝負を狙った雨乞竜己だったが途中でリタイアとなった

 

ハイスピードでコーナーを攻める中島康晴

 

集団内を走る山本元喜

 

集団前方に位置する山本元喜

 

山本大喜は得意の逃げでチームに貢献

 

一緒に逃げ続けていたメンバーを振り切って独走へと持ち込んだ山本大喜

 

集団内のポジションを上げていく山本元喜と新城雄大

 

逃げで魅せた山本大喜がフィニッシュ

 

好連携を見せた中島康晴と新城雄大

 

派手なシャンパンファイトに会場が盛り上がる

 

 

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU

 

メディアリリースのダウンロード

20180701_JBCF_Hiroshima_Criterium_.pdf