JBCF 広島シリーズ2連戦が始まりました。

まずは6月30日、JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会。

今年で第52回目を迎える、伝統と格式のある大会です。

 

スタートと同時に強い雨が降る悪コンディションでしたが、そんな中でもチームはしっかりと戦い抜きました。

レースレポートからその戦いぶりを感じてみてください。

写真と合わせてお届けします。

 

レポートは、6月30日付のメディアリリースからの引用となります。

 

強い雨の中で下りをこなす3選手

 

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JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会で中西健児5

終盤にレースを動かし上位進出につなげる

30 June 2018

 

●JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会

男子エリート 12.3km×9周回 110.7km

 

●KINAN Cycling Team出場選手

山本元喜 
中西健児

山本大喜

雨乞竜己
中島康晴
新城雄大

 

国内リーグ「J PROTOUR」の2018年第11戦、JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会が6月30日に広島県中央森林公園で行われ、6名出場したKINAN Cycling Teamは中西健児がチーム最上位の5位。

山本元喜も6位に続き、終盤にかけてレースを動かした2選手が上位進出を果たした。

 

今回で第52回目の開催で、伝統と格式は西日本有数のこの大会。

広島県中央森林公園に設けられる1周12.3kmのコースはアップダウンに富み、急坂はもとより、「ジェットコースター」とも称されるテクニカルなダウンヒルも選手たちを待ち受ける。

なかでも、通称“三段坂”と呼ばれる見通しのよい直登が周回を追うごとに選手たちの脚にダメージを与える。

例年、暑さも相まってサバイバルな展開となることが多いが、今年は朝からの強い雨によって天候・コースともにコンディションは悪い状況。

アマチュアカテゴリーでは複数の落車が発生しており、このレースでもいつになく緊張感が高まる中でのレースとなった。

なお、ポイント付与に関係するレースレイティングは、Jプロツアー最高の「AAAA」に指定される。

 

この日のチームピット

 

今回、KINAN Cycling Teamは山本元喜、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6人が出場。

ワンデーレース2連戦として行われた昨年は、Day-1で山本元が2位、Day-2で中西が6位となっている。

また、前週まで行われていた全日本自転車競技大会では、山本元(エリートロード)と山本大(アンダー23個人タイムトライアル)が日本チャンピオンジャージを獲得。

チャンピオンチームとなった勢いのまま、広島へと乗り込んでいる。

 

初お目見えとなった山本元喜のロード日本チャンピオン仕様ステッカー

 

9周回・110.7kmに設定されたレースは、まず4選手のアタックをきっかけに、次々と選手たちが反応。

1周回目を終えた時点で約40人が先頭集団を形成し、KINAN勢では中西と中島が加わる。

2周回目では別の4選手が飛び出し、雨脚が強まる中でメイン集団でも出入りが激しさを増す。

この時点でKINAN勢は中西と中島に加え、山本元と雨乞が合流。

3周回目で逃げが3人となり、ようやくレース全体の形勢が固まることとなる。

 

スタート直後の中西健児と中島康晴

 

上りを進む山本元喜

 

逃げとメイン集団との差は、しばし1分20秒前後で推移。

中盤に入っても逃げと集団の構図に大きな変化がないまま進む。

 

集団が前をめがけてスピードを上げ始めたのが6周回目。

KINAN勢では雨乞が集団前方へと上がって、ペースコントロールを担う。

こうした動きもあって、逃げとのタイム差は約1分に縮まる。

その後の7周回目、8周回目とタイム差は1分前後を行ったり来たり。

逃げを射程圏内にとらえたメイン集団は、雨乞に代わって中島が牽引を引き受け、最終周回の鐘を聞くこととなった。

 

メイン集団を牽引する雨乞竜己

 

濃い霧の中を走る選手たち

 

中島康晴がメイン集団を率いて最終周回へ

 

最後の周回に入ったところでのタイム差は32秒。

残り距離が減るにつれて、その差はみるみる縮まり、フィニッシュまであと6kmになろうかというタイミングでついに吸収。

優勝争いは土壇場でふりだしに戻った。

 

勝負への思惑が集団内に交錯する中、レースを大きく動かしたのは中西。

残り4kmでアタックし、一時は後続との差を15秒とする。

これに追随した選手をチェックする形で山本元も加わるが、協調には至らず集団へ戻ることに。

さらにカウンターアタックが発生すると、再び山本元がチェックに入り、そのまま2選手がリード。

先頭のまま残り500mを過ぎ、急坂を含んだ最後の直線へと入っていく。

 

残り300m、山本元喜が先頭で最後の直線へ

 

急坂をクリアした残り300mでトップに立ったのは山本元。

最後のチャンスにかけてスパートを試みるが、メイン集団から残った5選手が猛追。

ここに中西が入り、山本元ともに上位進出をかける。

最終局面は中西が山本元に代わって少人数スプリントに挑み、結果はトップと同タイムの5位。

山本元は少し遅れて6位でフィニッシュした。

 

少人数スプリントに挑んだ中西健児は5位

 

序盤から中盤にかけて雨脚が強まり、レース展開が変化していく中で堅実に上位を固めたKINAN勢。

勝利を狙える状況であと一歩及ばなかったものの、前週の全日本選手権を経て、さらなるチームの底上げを図っていく段階へと突入し、その足掛かりとなるレースであったことは確か。

フィニッシュ後の選手たちからは、盛んに意見が出され、この先の戦いへつなげるためのポジティブな姿勢が見られた。

それを試す場となるのが、翌7月1日のJBCF 広島クリテリウムとなる。

 

フィニッシュ直後の中西健児と山本元喜

 

レースを振り返る中島康晴と山本元喜

 

なお、トップカテゴリーのレースでも各所で落車が発生。

KINAN勢では新城と雨乞が落車し、その影響で途中リタイアとなったが大事には至らず、レース出場を続けていく。

 

JBCF 広島クリテリウムは、記念すべき初開催。

同時に、広島市内で初めての実施される市街地クリテリウム。

1周1.7kmのコースは、3カ所のヘアピンカーブと長い直線が特徴的なレイアウト。

これを30周回・51kmで争うことになる。KINAN Cycling Teamは当初の予定通り、山本元、山本大、雨乞、中島、新城のオーダー編成。

スプリントのほか、逃げの動きなども想定し、勝利のチャンスをうかがっていくことになる。

 

 

52 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会(110.7km)結果

1 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 2時間46分39秒

2 横山航太(シマノレーシング) +0秒

3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) 

4 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) 

5 中西健児(KINAN Cycling Team) 

6 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4秒

20 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分58秒

DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)

DNF 山本大喜(KINAN Cycling Team)

DNF 新城雄大(KINAN Cycling Team)

 

 

●選手コメント

 

・中西健児

「中盤は雨乞さん、終盤は中島さんに仕事をしてもらっただけに、勝ちたかったし、勝たなくてはいけないレースだった。最終周回でアタックしたのは“三段坂”の上り。(山本)元喜さんの指示もあったので、思い切っていった。

 

今大会には自分の結果を求めて臨んでいた。前週、全日本選手権で約6時間のレースをこなしたが、その疲れを抜いて、ここに合わせてきた。気持ちの面でも集中できていた。

 

(翌日のJBCF 広島クリテリウムは走らないが)チームはよい感じで連携できているので、スプリントで勝つことを望んでいる」

 

低い姿勢で下りを攻める中西健児

 

 

【Gallery】

 

集中した様子でウォーミングアップを行う中島康晴

 

笑顔でレース前の準備を進める山本元喜

 

中西健児のレース前の笑顔

 

ウォーミングアップを行う雨乞竜己

 

雨の中でウォーミングアップを行う中西健児

 

スタート直前にアスリチューン・赤でエネルギー補給

 

高負荷でウォーミングアップを進める新城雄大

 

カメラを向けられ笑顔の山本大喜

 

スタートラインについた中西健児

 

スタートラインに並んだ新城雄大

 

雨脚の強まる中で走る中島康晴と中西健児

 

雨脚が強まる中を走る山本元喜

 

上り区間を進む山本大喜

 

上り区間をゆく山本大喜

 

集団内でレースを進める山本元喜と中西健児

 

集団内を走行する雨乞竜己

 

レース後半に入り霧が濃くなった

 

6位でフィニッシュした山本元喜

 

アシストとして役目を果たした中島康晴

 

 

Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU

 

メディアリリースのダウンロード

20180630_JBCF_West_Japan_Road_Classic_.pdf