サッカー審判TIPS(207) 不可解な判定 | サッカー審判KenKenのブログ

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不可解な判定


北京オリンピック女子サッカー、日本vsニュージーランドの試合を録画しておいた。
さきほど見てみたのだが、日本は小気味良いパスワークでボールを前線に運ぶ、とても良いサッカーをやっていた。
この調子なら勝ち点3は確実だろうと思っていたが、前半ワンチャンスをモノにされ、後半10分ニュージーランドのCK時に不可解な判定によりPKを献上してしまった。

最終的にはセットプレーから追いついて勝ち点1は確保したのだが、格下相手では取りこぼしに等しいだろう。


このPK献上の場面。
CK前のゴール前でのポジション争いが白熱。
GK福元の前に入ろうとするNZ選手に対して、入れまいとする近賀がド突き合い。
主審が注意しに入るが主審が少し目をそらすとすぐまたド突き合い。
これは見ていて面白かった。(いや、真剣にプレーしている選手に対して「面白い」は失礼か)

そしてペナルティマーク付近では両チーム4、5人ずつが位置取りで強烈なチャージを見舞い合っている。
その中で阪口に警告。
何度もリプレイしてみたが、なぜ警告が出たのかわからない。
確かにNZの選手の背中に手を回しているがあの程度ではホールディングは取らないだろうに。

次にそのコーナーキックが蹴られ、澤がヘッドでクリアした直後に笛が吹かれた。
GKの福元が倒れていたため日本にFKが与えられたのかと思ったが、判定はPK。そして岩清水に警告。
これもさきほどのカード以上に不可解。
スロー再生で見たが、岩清水はCKの際には相手選手の誰にもついておらず、ボールにも触れる位置ではなかった。つまり完全に孤立していたのだ。なぜその選手に警告が出るのだろう。

考えられるのは、笛が吹かれた後に主審に何かを言ったということなのだろうか。
可能性としてはそれだけだ。
だが、それではPKの原因にはならない。
CKが蹴られてクリアされるまでのプレーを何度もリプレイしてみたが日本がファウルを取られるようなプレーはどうしても見当たらない。

そうこうしているうちに画面に阪口が警告という表示が出た。
あれ?阪口がCK時にファウルをしたのか?しかし、それなら2つ目の警告だぞ。
ま、これは字幕のミスだろう。

しかしいずれにしてもPKの元になった反則が不明のまま1点が失われた。

しかし後半25分、NZのペナルティエリア内で浮き球の競り合いでNZのDFが阪口の背中を押したということで今度は日本にPKが与えられた。
これもスローで見たが、PKにするにはDFに気の毒な判定だった。
主審が先ほどのPKの埋め合わせにPKをくれたわけではないだろうが、アンラッキーなPK献上をラッキーなPK奪取で取り返せた。

副審もおかしい。
79分に左サイドの永里から出たボールに荒川が走りこんだのだが旗が上がってしまった。
スロー再生を見ると、ボールが出た瞬間は荒川はまだDFを追い越していない。並んでもいない。

全体的に審判のレベルが低いと感じた。
ま、自分のレベルは棚に上げての感想だが…。