サッカー審判TIPS(138)
競技のフィールドについて
ルールブック第1条「競技のフィールド」にサッカーのフィールドの規定について書かれている。
これを見てみようと思う。
フィールドをラインでマークする。
これは、土のグランドなどで靴をひきずったり小枝で引いたりした線はだめだよ、ということ。
また、この「ライン」は実線を意味するので「点線」や「一点鎖線」や「二点鎖線」で描いてはだめです。
エリアの境界線を示すラインはそのエリアの一部である。
だからペナルティエリアに少しでもボールがかかっていればボールはエリア内にあることになり、キーパーはペナルティエリアの外にいたとしてもそのボールを手で扱うことができる。
長い方の2本の境界線をタッチライン、短い方の2本の境界線をゴールラインという。
これは言われるまでもないだろう。「うちの大会では長い方をサイドライン、短い方をエンドラインと呼ぶことにします」などと大会規定にあったとしてもそれは無効。てか、この項目は用語の統一を図っていこうという趣旨と思われる。
すべてのラインの幅は12cm(5インチ)を超えない。
超えなければ良いわけで、陸上トラックようの5cm幅のラインカーで線を引いても問題はない。
フィールドをハーフウェーラインで半分ずつに分ける。
ハーフライン、センターライン、など様々な呼び方があるようだがサッカー用語では「ハーフウェーライン」が正しい。審判として口にするなら用語も正確に使いたい。
わざわざ「ハーフウェーライン」を引いて半分ずつにわける」など当たり前と思われるかもしれないが、ミニゲームの延長気分で線も引かずにやるのはいけませんということ、こっちのチームは強いから半分より狭めのピッチ、なんて加減をするのはだめということなのだろう。
ハーフウェーラインの中央にセンターマークをしるす。
センターマークというのも正確に使いたい用語。ハーフタイムなどに本部に依頼するとき「センターマークが消えているので描いてください」と言うようにしている。
これを中心に半径9.15m(10ヤード)のサークルを描く。
当然このサークルのラインの幅も12cm以下で、そのラインはセンターサークルに含まれる。
だからキックオフ前に相手競技者がこのラインを踏んでいると厳密には「進入した」ことになる。
さて、ここまでがラインのことだが何か気がつきませんか?
そう、ラインの色について触れられていないのです。
一方、ゴールについては以下のように記述がある。
ゴールポストおよびクロスバーは白色とする。
つまりゴールの色は決まりがあり、ラインの色やネットの色、フラッグの色については決まりがないということ。
ラインはいつも石灰で引いているから「白」という先入観があるが、実は何色でも良いのである。
この適用例として、人工芝のグランドに黄色いラインで少年用のピッチを描いたものを見ることができる。