その子は、ずっと現状が嫌だった。
勝手に出て行く大人。
勝手を極める大人。
どうも自分は愛されていないんだろうと思っても仕方ないような状況が
起こる。
「今は、耐えるべきで、将来に向かって、何かをしなければならない」
と、どっかでその子は、思っていた。
だって、親の勝手で、ぜんぜん、面白くないし、楽しくない。
「いつか見返してやる」と、怒りや悲しみや愛の欲しさを無意識に心のうちに
秘めて、頑張り続けた。
そうしていくと、パターンが出来上がる。
今を楽しんではいけない、今は、将来のために〜すべきだ、
正しいことをすべきだと。
そうやって、自分の楽しい事、人生がわからなくなっていった。
正しいことをすれば、うまくいくと思っていた。
でもそれは違っていた。
今を否定していた。
どんな自分でさえも、どんな今でも、受け入れる、有難い、楽しむ、
今、自分は極楽にいるんだ
そこからしか、人生ははじまらないと、
その子は、気づきはじめた。
向上心があるのは、いいこと、
でも、今を否定したり、自分を責めたり、否定し続けたりして、向上しようとするのは、
違うと、その子は、気づきはじめた。
その子の中で、確信と心の中で何かが起こりはじめていた。