ND5ロードスター エンジン分解検証 その3 | 木村自動車商会のブログ

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ピストンのサイズを測ってみます。

最初の画像は初期型ピストン。 次の画像はマイナーチェンジで変更になったピストンの計測結果です。ボアサイズが0.02mm違います。

マイナーチェンジ後のピストンは設計値74.5mmのボアサイズを超えてしまっています。

なぜこんなことになっているのでしょうか。

実は生産されるシリンダーブロックの精度が低く、シリンダーライナーのボア寸法が規定値内に収まっていない過大な為、初期型ピストンではクリアランスが大きくなり、新車時で既に規定値(0.023mm~0.043mm)をオーバーしています。

実際に今回ばらしたエンジンの数値はシリンダー#1~#4で0.045mm~0.055mmでした。

これでは、ブローバイが多くなりオイル上がりも発生するので燃焼室はいつもベタベタ状態になってしまいます。

その証拠が下の画像です。

特に#1シリンダーはオイルでベタベタです。

ピストンの変更はシリンダーブロックの品質の悪さをカバーするためにとられた対策です。

 

ピストンは下記の点も変更になっています。

マイナーチェンジ後はトップランドのエッジ部分がカットされています。

この変更理由は分かりませんが、圧縮比の低下を招いている気がします。また、燃焼室の末端にガスボリュームがあるとノッキングのエネルギーが大きくなるので不安材料です。

 

悪いことばかり書いているようですが良い部分も沢山あります。

 

ピストンの加工精度は非常に高く、重量差も少ない。スカートが短く、とても軽量でピストンピンも短く設計されていて、昔で言えば凄いレーシングピストンと言えます。

 

クランクシャフトには、クランクアングルのセンシング用プレートがネジ止めされます。

このプレートとクランクシャフトの間に位置決めの為のノックピンなどは無く、整備で脱着する度にバランス取り加工が必要になります。

クランクシャフトのメインジャーナル径とコンロッドジャーナル径は同じで剛性不足が心配ですが、カウンターウエイトはフルカウンターで肉厚が有るので問題無いのかも知れません。

軸部は高周波焼き入れが施してあり表面硬度は高いようなので、摩耗の心配は無いようです。

精度も高く、曲りや振れはゼロに等しいのは優秀ですが、大きな問題が有るのはオイルクリアランスです。

メインメタルの規定値は0.016~0.039mm、コンロッドメタルの規定値は0.026~0.052mmですが、実車はというとメイン0.026~0.038mm、コンロッド0.044~0.055mmでした。

メインは問題無しですがコンロッドは4か所の内3か所で規定値を外れていました。

またも新車時から不良品状態です。

 

試しに、新品メタルで計測したところ更にひどくなり0.074~0.085mmという結果に。

あの、新品メタルは販売する意味があるのか全く分かりません。

新車時から規定値を外れているのは問題ですが、せめてメタルの補給部品はオイルクリアランス調整可能なように各種サイズを販売して欲しいものです。

 

とりあえず分解検証は終わりにして次回からはオーバーホールと、ついでに行った改善作業を紹介します。

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