ND5ロードスター エンジンブロー後、分解検証 | 木村自動車商会のブログ

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サーキット走行でエンジンブローしたエンジンを分解し、原因の究明と再発防止に向けた対策を施すため検証します。

 

 

今回のエンジンはコンロッドが折れることで幕を閉じましたが、コンロッドが折れる原因は何だったのでしょうか。

分解した各部品を観て検証します。

 

コンロッドが折れるとダメージは大きく、腰下は使い物にならなくなります。クランクシャフト、シリンダーブロック、オイルポンプ、オイルパン等の大物部品はことごとく破壊されます。

 

コンロッドが折れる原因で多いのはコンロッドメタルの焼付きですが、クランクシャフトに焼き付きの兆候は無く、潤滑は良好のようです。

ピストンのピンボスが摩耗または焼き付いてガタが出ると衝撃荷重でコンロッドに負担がかかり、折れることもありますが、今回ピストンが破壊されたのは折れたコンロッドが当たったことによるもので、ピンボスに摩耗痕など無く、ピストンの強度や潤滑不良が原因でもありません。

 

過回転によりバルブジャンプが起こり、ピストンとバルブが衝突することでバルブが折れ曲がり、硬いバルブがピストンとシリンダーヘッド間で圧縮されてしまい、コンロッドが曲がることもありますがそれも無いようです。

コンロッドが伸びてしまったときに軽くピストンと吸気バルブが接触し、ロッカーアームが折れているのは確認できました。

 

それではコンロッド単体の検証をします。

 

 

画像の後ろ側はスズキカプチーノ用コンロッドで660cc3気筒エンジンのものです。カプチーノ用343.7gに対しND5ロードスター用は380.3g。大きな重量差が無いということは、軽量な代わりに明らかな華奢な造りで小端部付近のロッド部分は強度が心配な断面積、大端部につながるロッド部分は末広がりにしており、荷重を分散させている構造は○。

大端部のキャップはカチ割り構造。合わせ面が破断面となっており組み付け精度とコストダウンを兼ねた構造です。

この為、これまでの材質と違い、破断面が綺麗に破断するように変更されています。

これまでの材質と比べて強度が上がっていれば問題ないのかも知れませんが、双方をケガキ針で傷をつけてみたところ同じような硬度のようです。

ちなみに、ND5ロードスター用コンロッドの硬さ試験をしてみたところマイクロビッカース硬さ約300HmV ショア硬さ30でした。

 

今度はブローをしていない気筒のコンロッドの精度を確認してみましょう。

2つのコンロッドをピストンピンを入れた状態で重ねたときに大端部と小端部のどちらかに隙間ができたら曲りまたは精度が低いことになります。

案の定、曲がりまたは加工精度の低さがありました。

この確認作業は他のP5-VPエンジンでも行い、同じ程度の隙間ができるのを確認できました。

また、鍛造用ダイスの汚れが付いたまま製造された製品があり、表面の凸凹が激しい。

 

今回のエンジンブローの原因として最有力なのはコンロッドの強度不足と精度不足に加え、サーキット走行でオーバーレブ付近の回転を持続した事です。(約7500rpm)

 

残念ながらマイナーチェンジ後のエンジンもコンロッドは変更無いので、エンジンブローのリスクは同じです。

MAZDAにはもう少し強度に余裕のある設計と生産車両の品質管理の向上をお願いしたいところです。

 

次回は同じエンジンを全体的に検証していきます。

 

 

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