ご飯を食べたあと、つまようじを使うことが好きだ。人前で使うことは少しはばかられるが、自宅にいる時はかなり大胆に使っている。


特に私が好きな「鶏胸肉」や「えのき」は、確実に歯に挟まってしまう食材のため、つまようじは必須アイテムなのだ。


ただそこで問題になるのが、つまようじの耐久性である。いわゆる普通のタイプの木製のつまようじは、先端がすぐにささくれてしまい、使っている最中にイライラしてしまうこともしばしばだった。


そんな私の目に飛び込んできたのは、とても興味深いつまようじだった。



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つよし君である。「強い歯」でつよし君。類いまれなる素晴らしいネーミングセンスだ。


見てみると「細くて強い、竹のつまようじ」とのことだ。私は一目で「これはすごいことになるのでは」と感じ、すぐに購入を決めた。


とはいっても、一方で、過剰な期待をしないようにもしていた。期待しすぎてもし満足できなかった場合、私はつよし君のことを見損なってしまうだろうし、ひいては全く関係のない「つよし」という名前の人に対して、意味もなく失望してしまう可能性があったからだ。


その日の夕食は、鶏胸肉とえのきの炒め物だった。つよし君の実力を試すにはもってこいの組み合わせだ。私はいつも以上にしっかりと噛み、むしろいつも以上に歯間に詰まってくれることを願ってさえいた。


そしてつよし君の出番がやってきた。






すごく、つよし君だった。




いつもより大胆に挟まっているにもかかわらず、使用後に見てみても、先っぽが全くささくれていない。むしろ「まだ第1ラウンドだろう?」というような強気な態度さえ感じられる。


そして私は次に、もっと強敵を用意した。



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揚げおかきである。


このおかきに関しては、もはや普通のつまようじでは全く歯が立たない。歯間というよりも、歯に被さるようにガッチリと張り付いてしまうからだ。


普通だったら新しいつよし君で試すべきだろうが、彼の本当のポテンシャルが見たいため、先ほどのつよし君を継続して使うことにした。







とても、つよし君だった。





頑固にこびりついた揚げおかきに対しても、全くひるむ様子はなかった。むしろ、先端の鋭利さを残したままの佇まいは、とても神々しく、そして勇壮であった。


こうしてつよし君のデビュー戦は華々しいものになったが、「もしかしたら洗ったらまだ使えるんじゃないか」とすら思えるその姿に、捨てることをためらってしまった。


ただ、つよし君は400本入りであるので、私はできるだけ敬意を払いながら、つよし君をゴミ箱に放り込んだ。


これからは、歯にものが詰まることすら楽しめそうだ──私はそう思ったのだった。




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(完)



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