京都の着付け教室 きものシャン

レッスン会場:烏丸御池教室 (京都市営地下鉄烏丸御池駅すぐ)

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初級レッスン 全8回 + 着物のTPO基礎知識 全1回 

お悩み解決レッスン  1回 90分

 

京都市内・公共交通機関の範囲でしたら 出張レッスンもお受けしております^^

 

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⚫︎レッスンご予約受付中

※ただいま新規のご依頼は、平日のみ受け付けております。 

10:45-12:15 または 13:45-15:15

1レッスン 90分

(ご希望の日時をご相談ください。)

土曜日曜祝日のレッスンは現在満席が続いており、新規の募集は再来年度から行います。

 

※2024年の7月および8月の新規レッスン開講はございません。
(講座やイベントの開催はございます。継続の方は、お申込みいただけます。)

 

予約先着順で埋まってゆきますので、はやめのご予約をお願いいたします。

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こんにちは 京都の着付け教室 きものシャン 講師の原 です。
前回の記事の続きです

 精練剤の使い分け

さて精練する際に使う精練剤。つまりセリシンを洗い落とすために何を使うかによっても糸の仕上がりが違います。

小林練染工場では、せっけん精練、酵素精練、灰汁精練といったバリエーションで、取引先からのオーダーに細かく答える技を光らせています。

手っ取り早く薬剤の力でスピーディーに精練をすることもできますが、簡単にいうとそれでは糸が傷んでしまいます。


糸の美しさを引き出しつつ、セリシンを落とす、精練剤の使い方や時間を考えて、糸をベストな仕上がりに持っていく、それが手間をかけた精練であると言えるでしょう。


私も本当にびっくりしたんですけど、精練の仕方によって糸の艶やまとまり、扱いやすさが違うんです。

左から、酵素精練、袋練り、せっけん精練。


なお小林さんのところの「せっけん精練」は、石鹸の泡で絹糸を包み込んで、あわあわの状態でゆっくりセリシンを落としていく技術であることも記しておきます。


動画④ 精練後の糸を綺麗に乾かしているところ。


これは、せっけん精練のための粉状の石鹸です。




動画⑤ 昔ながらの灰汁精練で仕上げた糸

灰汁を用いた精練は、現在ではこだわりを貫く染織作家さんなど個人の単位でもちいられることはあっても、分業制の企業として取り組んでおられるところは他にないのでは、と思いました。


こちらの動画を見ていただくと、灰汁精練の仕上がりの糸への感想の声が聞けます‼︎


「良い糸」とは「良い織物」とは「良い着物」とは、様々な技術が絡み合っての結果なのだとあらためて。精練の技、恐るべし。



分業を知るとショックを受ける

この日見学に訪れていたメンバーの1人、芦澤養蚕の芦澤さんは、養蚕家として、「いい意味でですが、ショックを受けました。」とおっしゃっていました。


「養蚕家としては、良い品種、強い繭を作ること、そこを磨き上げることが良い絹糸の土台であると思っていた。しかし、こんなにも精練巧みな技で糸を変化させることが出来るならば、蚕の品質にこだわらずともいいのではないか、、、。」


ということです。


もちろん繭の状態によって糸になる過程での良し悪しが出るわけですから、そんなことはないのですが、芦澤さんがおっしゃることも一理あるのです。


つまり、いつもいつも原材料が百点満点なわけではない。加工業とは、良いものをさらによく引き上げるだけではなく、品質にばらつきのあるものも上手く材料として使えるように整える、そういう技術だといえます。



知って学ぶ時代

本来なら知らない同士で仕事に問題がないのが分業制。しかしながら、産業としてこれからどのように発展して行けるのかを考えなければならない令和のいまは、そうではありません。


新しい視点を持ち、持続可能性について考える場合には、このように業界同士での交流会、勉強会が大いに役立つことと思います。


着物ユーザーが「業界」と聞くと自分は関係ないと思う人がいるかもしれませんが、お買い物される皆様は言うなれば業界のスポンサーなのですから、着物ユーザーこそが着物界を支える大切な存在です。


そのお客さんの関心度や知識のレベルが低ければ、これこそ業界の衰退を後押ししてしまうことになるでしょう。


皆さま一人一人が、純粋に自分の楽しみのために着物を学ぶことこそが、着物文化の土台です。


そして間違った情報に振り回されず、本当に良いものにお金を使う。それが着物の世界、日本の文化伝統を支える力になると思います。


知りたいこと、体験したいこと、どしどしご意見お寄せください。レッスンや講座、イベントなどに落とし込んでゆきます。


企業様もうちのこんなところをエンドユーザーに知ってほしい!ということがあればご相談ください。このブログは私個人で取材して書いてやってるものですが、スタッフを増やしてプロモーション班も作れます。ご相談ください。


最後までお読みいただきありがとうございました。

 

今後の講座&イベント予定

 

9月6日(金)満席9月7日(土)残席2

「長襦袢のプロに学ぶ 品質と楽しみ方講座&販売会」(京都)

 

 
9月27日(金) 募集中
9月28日(土) 募集中
「リユース着物目利き講座〈レベルアップ紬編〉」
京都 四条烏丸 講座の後の座談会もあり


 

10月12日(土) 募集前

「リユース着物目利き講座 着物編」(大阪)

堺筋本町・船場センタービルお買い物ツアー付き

*過去の開催募集記事です。どんな内容なのか詳細ご覧いただけます。

 

 

10月26日(土) 募集前

「リユース着物目利き講座 帯編」(大阪)

堺筋本町・船場センタービルお買い物ツアーは開催未定

*過去の開催募集記事です。どんな内容なのか詳細ご覧いただけます。