夏のきもの
まだまだ寒い日が続いていますが、私たちのところでは今が夏物や単衣物の発表の時期です。メーカーさんは11月頃を中心に夏物の新作を発表されます。それを私たち問屋が注文して、1月から2月くらいに出来上がってきます。
呉服専門店さんにご覧戴いて、注文を出してもらって4月から5月頃に納めるのですが、最近は今頃に夏物を注文しておこう、と思っていただける呉服屋さんが非常に少なくなりました。なかなか売れない着物の、しかも夏物を前もって用意しておくほど、呉服屋さんに余力はありません。必要な時に少しでもあれば、それでなんとか、という感じです。
夏の着物を作られる方は多くはありませんが、近年は単衣物の着物のご注文が多くなったような感じがします。正式な場所では単衣は6月と9月、夏物は7月と8月ということになっていますが、カジュアルな場面では気候に合わせてお召しいただければと思います。温暖化の影響か、5月頃から暑い日が増えましたし、10月末でも結構気温が高い日があります。そういった時期に単衣をお召し戴く機会が多くなったのではないかと思います。
単衣物、夏物の着物姿も素敵です。お持ちでない方は是非チャレンジしてみては如何でしょうか。
今日はこの辺で。
お読みいただきまして、有難うございました。
これは単衣の付下げです。
色無地のきもの ③
少し前までは、色無地はどこの呉服屋さん・問屋さんでもたくさん積んでありましたし、十色以上ある見本帳を作ったりして大量に染めていましたが、今では色無地の現品を色を揃えて持っているところは、問屋でも少なくなりましたし、まして若い人向けの色は非常に少なくなりました。
そういったことから、以前にも紹介しましたが、生地を選んで戴いてお好きな色に別染めすることが多くなりましたし、それをおすすめしています。
昨日も知り合いの親戚の方が、お嬢様用の色無地をお世話して欲しいとお越しになりました。初めは不祝儀用のものが必要とのことだったのですが、よくよく聞いてみると、お寺様へお嫁入りされるので、そのお寺さんから色無地を作ってきて下さいと仰られているそうでした。さらに、黒の一つ紋付の羽折が欲しいとのことだったので、最近では黒の羽折はほとんどありませんし、お召しになる方もいらっしゃいませんとお話ししたのですが、それもお寺の行事などに必要なそうで、急遽染めることにしました。
黒の羽折は、よく売れた時代には慶弔それぞれにとてもたくさん扱っていました。それが数十年で全くと言って良いほど無くなってしまいました。着物の世界でも流行や廃り、着方の変遷があるのです。しかも比較的短時間の間でです。
話がタイトルとはずれて支離滅裂ですが、今日はこの辺で。
有難うございました。
また読んで下さい。
成人式
仕立屋さんに連絡しますと、今すぐなら何とか年内に仕立て上げられますということなので、すぐにお品物の手配をつけました。幸い端境期ということもあり、お品物はご希望の価格帯、ご希望の柄ゆきのものがバラエティーに揃えられましたので、すぐにご覧戴く様にお願いしました。
即日お越しいただきご覧を戴きましたところ、ご本人様もご家族の方もとても気に入って戴けた品物がありましたが、最終決定はスポンサーである病床のお祖母様と一緒にしたいということで、何点かお持ち帰りになりました。
数時間後に、これに決まりました、と持ってこられた時のお嬢さんの笑顔はとても満足されて嬉しそうで、こちらの心まで温かくなる気がしました。
どういった事情でこんなギリギリに購入を決意されたのかはわかりませんが、一般の小売店さんでは今からですとなかなか難しいのではないかと思いますし、時間的に間に合うとしても、満足して戴ける十分な商品を揃えるのも日数的に厳しいのではないかと思います。ましてやレンタルになると、良い品物はほとんど残っていないでしょうし、何とかご満足戴ける品物を提供することが出来てホッとしました。時間的、あるいは商品的に難しいと思われるタイミングでも、出来る限りご希望に添う様に努力していきますので、よろしければいつでもお声かけ下さい。
必ず約束の期日までにお納めしなければ、と決意した1日でした。
最後までお読み戴きまして、有難うございました。
また読んで下さい。
ありがとうございました。
色無地のきもの ②
色無地のきもの つづきです。
明日も、注文があって色無地の見本と白生地のサンプルを発送するのですが、呉服店さんに別染(お誂えで染めるということです)の経験や知識が有り、消費者にもある程度の理解があれば、色無地の着物の別染は、案外手ごろな価格で良い物が、比較的短時間で出来上がります。
どうしても、出来上がった反物を見て決めたい、色見本だけでは全体がわかりにくいので別染は嫌だ、とおっしゃる方には無理ですが、色見本で色を選んで、自分でイメージできる方であれば、別染が断然おすすめです。
白生地を無地に染める場合は、2種類の染め方があります。刷毛で生地に塗っていく感じ(イメージしやすい様に表現していますが、厳密には少し違います)の引き染めと言われるものと、色のついた液体の中に生地を浸して、熱を加えて煮る浸け染めといわれる方法です。価格的には引き染めの方がかなり高価になります(長くなりますので理由は省略します)。色無地の着物の場合は、浸け染めにするのが一般的です。最近の技術では、浸け染めの場合はほぼ見本通りの色に染めることが可能です。100%ぴったりとはなかなか難しいですが、生地によって多少発色が違う事はありますが、90%以上は近い色に仕上げることは可能です。
時間的には、最短で行くと丸2日あれば色無地を染めることが出来ます。もし紋入れをするのであれば、あと数日必要ですが、それでも最短で1週間もあれば仕上げることは可能です。
先日も、親戚の知り合いが初めての着物を作るのに、色無地を別染しました。お襦袢や帯はもちろん、小物や足袋まで用意して仕立て上げて納めましたが、伺っていた予算よりも随分安くて良い物が出来上がりました。
もし色無地をお作りになるのでしたら、お好みのお色での別染をぜひお考え下さい。
今日はこの辺で。
有難うございました。
またお読み下さい。
色無地のきもの
色無地のきもの
最近、色無地の着物の注文が多いように感じます。
少し前までは、色無地の反物はどこの問屋さんでも生地や染めの違うタイプを何種類か用意して、10色とか20色とかの見本帳を作って品物もたくさん積んでいましたが、最近京都市内で探しても、色無地の染め上がりの現品をたくさん積んでいるところは少なくなった様に思います。
1反の色無地を売るのに、少なくとも3色くらい、多い時は7~8色以上見せて欲しいと言われると、在庫の量が相当無いと対応できませんし、それでなくても点数が売れなくなっていますから、大量に在庫を持つことが難しくなってきました。
私のところでは、オリジナルの地紋の生地を特別に織ってもらって、見本反程度に色無地を染めています。在庫で置いている物は、3度引きと言って引き染めを3回行って色を出す染め方をしている、少し付加価値の付いた色無地です。
染め上がった色無地が少なくなっていますし、なかなか気に入った物が見つからない場合は、別染めをおすすめしています。
最近では生地も見本から選んで戴いて1反だけでも織れますし、染めもお好みの色に1反だけでも染められます。
色無地の別染めについては、次回に詳しくお話ししようと思っています。よろしければご覧下さい。
今日はこの辺で。
お読み戴き、有難うございました。