私がお店の手伝いをし始めたころには、

  色無地や色紋付をお作り下さる

  お客様が多くおられました。

 

  染め直しをする方もおられましたが、

  新しいものを誂える場合は、

  まず、白生地の吟味から始まりました。

 

  白生地には、

  大きく分けて縮緬と言って

  しぼの大きさには違いはありますが、

  全く柄の無い染め上げると

  マットな感じになる白生地があります。

 

  それに対して、

  綸子と言うタイプの白生地がありまして、

  こちらは、

  地紋と言って織で柄を描いております。

 

  染め上がりは、緞子ほどではありませんが、

  やや照りがある感じに仕上がります。

 

  お客様は、白生地の段階で、

  重さや地紋を比較して

  お好きなものを選ばれ、

  小さなサイズの色見本帳で

  色をお決めになってご依頼されます。

  

  今、このような方法で色無地や

  色紋付を作る方はほとんどおられません。

 

  染め直しの方はおられますが、

  大半の方が染め上がったものを羽織られて、

  お選びになられます。

 

  昔ほど地紋に拘る方も少ないです。

 

  昔と違って、

  今はそれほど照りのあるものは

  綸子でも少ないと思います。

 

  当店の創業150周年の時には、

  スタイルと言うブランドの

  デザイナーである森尻氏に

  当店の社名「松」を

  テーマに地紋をデザインしてもらい、

  その白生地をご希望の皆様に

  プレゼントさせていただきました。

  

  お好きな色に染めて頂き、

  ご希望の方には、

  地紋を刺繍で起こして頂きました。

 

  出袖と申しまして、

  お点前をされる時に一番目立つ位置の

  地紋に刺繍をしてもらった

  色無地が今最後の一点となっております。

 

  どなたかの所に早く

  お嫁に行ってもらえると良いのですが・・・

 

  今年の「秋の秀彩苑」では、

  源氏物語の草加文様の地紋の白生地を

  自分色にお染させて頂く格安企画を

  ご用意させていただきます。

  

  

  お問い合わせは、きもの蔵人みやもとまで。

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