今まで、ずっと病気のことは詳しくは話さなかった。
子どもの悲しむ姿を見たくなかったから…
病気を認めたくない気持ちもあったと思う…
「パパね…後1ヶ月くらいしか生きられないかもしれないんだ…すい臓ガンなんだ…」
子どもはびっくりしていて、言葉が出なかった。
涙がこぼれていた…
「でも、まだ生きているし、パパは頑張るからね」
がんセンターの領収書とか普通に置いてあったので、薄々感じていたと思っていたが、子どもは全く何も気にしていなかった。
1年間休職していたのも、きっと治る病気だと思っていたらしい。
それ以上は話はしなかったが、次の日の子どもの顔は泣き腫らした顔だった。
そうだよね、突然、パパは後1ヶ月でいなくなるかもしれないって…
後々、もっと早く知りたかったと言われた時は、そうだよねと思った。
ただ過ごす1日と最後かもしれないと思って過ごす1日は全く違う。
子どもなりに、色々としたかったと言われた。