あけましておめでとう一発目は
大晦日にUPしたお話

あの時も、今も、これからも・・・(風早・爽子未来話)の
爽子verです。

本当は元旦UPしたかったんですけど・・・orz
諸事情によりズレました^^;

しかも、当初は爽子ver書く予定がなかったので、
タイトル普通につけてました・・・
先ほどちょっと修正して前作を風早verとさせていただいちゃいました。

どちらから読んでも大丈夫だとおもいますが、
まだ読んでいらっしゃらない方は

あの時も、今も、これからも・・・風早ver 】もあわせて読んでみてください。

ではでは

さっそくどうぞ~~~


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サク
サク
サク
サク

サク
サク
サク
サク

今年も
降り積もる雪の中を歩いている。
あれから、
毎年恒例となった2年参り。
何回も何回も同じ道を通った。

そして、
となりにはもちろん今も・・・




「風早くんと今年も一緒に来られて嬉しいな」



何回来ても何回通ってもいつも二人で通るとドキドキが止まらない。
この日のこの道はとても、思い出が多すぎるから。
うきうきとした心の声がそのまま口から自然とこぼれてしまった。

『あ』

言い終わったあと、
二人して思わず顔を見合わせてしまう。

「今”風早くん”っていった~!」

いけない~~私ったらまた・・・
今日何度目だろう

「あわわわわそ、そうだった!!し、ししししししし翔太くん!!!」

恥ずかしいやら申し訳ないやら、
あ~もう本当に私ってダメだなぁ~
さすがに怒ってるかも・・・

恐る恐る隣を見ると、バチッと翔太くんと目があった。

その瞬間

「ははっ、”し”が多いって」

吹き出した翔太くんをみて、

「ごめんなさい。あの、今日の今日だとそ・・その・・・」

怒ってないのがわかってほっとしたけど、やっぱり申し訳ない。
だって、
翔太くんは私のこと”爽子”ってちゃんと名前で呼んでくれるのに、
私ったらいつまでたっても”風早”くんとしか呼べないんだもの。
もう何度も何度も練習していて、
ほら、今も心の中では普通に翔太くんて呼べているのに・・・
ああ~、口にするのって本当に難しいな。

「うん、そーだよな、俺もまだちょっと照れる」

そう言った翔太くんは目をそらしてしまった。

あああ~やっぱり気にしてる・・・よね?

でも、つないだ手をひきよせて、さりげなく凍ったところで私が転ばないように
気をつけてくれている。

やさしいな。

それなのに、私ったら
いつまでも恥ずかしいって言って呼べないのは失礼すぎる。

「で、でも、すぐに慣れるとおもうので・・・だから!」

だからどうか

「「嫌いにならないで?」」

言葉が2重に重なって、

「え?・・・」

思わず翔太くんを見ると、横でやっぱりっていう顔をして私を見ていた。

「わかるって!爽子の言いそうなこと。それ何回も聞いたもん」

「あ・・・」

どうしてわかったんだろう?
私、そんなに何回も言っていたかな?

「なるわけないじゃん!っていうかもうそれ言っちゃダメだかんね。絶対ダメ」


つないだ手に力をこめて、
翔太くんは真剣な目でまっすぐ言ってくれる。
それは出会ったときからずっとかわらない。

あの時、
誰もが怖がって目を合わせない中で唯一まっすぐ私をみてくれた人。

「う、うん」

そんな翔太君のまっすぐな言葉が、私の心の中に染みこんで次の言葉が出てこなくなってしまう。
そのまま道に降り積もる雪に目を落とした。

「だって、今日から爽子は・・・俺の奥さんでしょ?爽子も”風早”になったんだよ」

ハッとして
反射的に顔をあげる。

「お、奥さん!!!!ソ・・・ソウデシタ」

かぁぁぁ

奥さんという響きが、
なんだかとてもうれしくて、くすぐったくて、
赤くなる顔をおさえることができずに
私はあいている片方の手で頬を押さえて火照りを冷ますことに必死だった。

そうなのです。

今日翔太くんと私は
ここに来る前に、婚姻届を出してきました。

私は結婚が決まったときに、
夢のようで、
とても幸せで。
それだけで心がいっぱいになってしまって、
本当はそれだけでも十分嬉しかったのだけど、
翔太くんがいつも二人でいられる私の誕生日がいいんじゃないかって言ってくれて、
それで、年末で休みだったけれど、婚姻届はいつでも受け付けてくれるというから、
あらかじめ書いておいたものを二人で提出してきたのです。

私、今日

『風早爽子』になりました。

だから、今日という日は誕生日であるけれど、何より翔太くんとの大切な結婚記念日。


”奥さん”

”風早爽子”

二つの言葉が、頭の中をぐるぐる回って
どどどど、どうしよう、夢のような言葉にクラクラめまいがしそう。

嬉しくて涙がにじむ。
静かに降る雪を踏みしめるギュッギュという音と一緒に、
心の中でドキドキという音が私を包んでいた。

気がつくと、
もう神社は目の前、
たくさんの人の姿がみんな階段をのぼっていく。
私と翔太くんも一緒にその中に紛れていった。

「行こっ!甘酒配ってるよ」

翔太くんがそういって私を導いてくれる。

「う、うん!!」

これも毎年恒例。
初めて二人きりで過ごした大晦日から、ずっとかわらない。

無料で配っている甘酒は、今年も同じ場所で配られていました。
よかった~。


「ください」

「はい、カップルさん2つね」

翔太くんが甘酒を受け取って、
私に一つくれた。
ありがとう
そう言って受け取った甘酒を一口口に含むと、

変わらないほっとする甘さと暖かさに、心がほっこりとして
思わず笑みがこぼれてしまう。

ああ~やっぱりおいしいなぁ~


「俺、すっかりここの甘酒のファンになったかも」

「すごくおいしいよね」

「あんなに苦手だったのにな」

「毎年飲んでるもんね」

「あれから毎年ここに来るの楽しみだもん」

「わたしも!」

翔太くんと一緒だからなんだよ。
今まで飲んでた甘酒よりももっともっと大好きになったの。
二人で一緒にこうしていられることが、
あの時と変わらない気持ち、
ううん、あのときよりも数倍に膨らんだ大好きの気持ちで
今こうしてここにいられることが何よりも幸せなの

翔太くんとだから。

翔太くんだからなんだよ。

変わらない甘酒の味に、また少し涙が出そうになってしまう。

と、翔太くんが、

「”カップルさん”・・・か・・」

ふいにそう言って笑った。

「今だから言うけど、はじめて爽子と二人きりで来たときさ、俺すっげードキドキしてた」

見上げた私に、まるでふんわりとした綿雪のような言葉が降ってくる。

「え?」

「だって、あの時の爽子、・・・いつもよりもかわいかったから、二人きりだっておもったら一人ですげー意識しちゃってて・・・余裕なかったんだよな~。カップルさんって言われただけで心臓止まるかと思ったし。・・・まあ、いい大人になった今も、あんまり変わってないかもしれないけど・・・。」

!!
その言葉が胸の奥でキューッと私を締め付けて、
思わず甘酒を持つ手に力が入ってしまった。
だって、だって!

「おなじだよ!あのとき・・・私だけが意識しすぎてるのかもって思いながらずっとドキドキしてたの!!」

おなじこと思っていたなんて・・・。

「そっか」

「・・・うん、だからすごくすごく、うれしい」

そう言って笑ってから、
私の中にあの時の光景が浮かんでくる。
初めて翔太くんとふたりきりで過ごしたあの2年参り。
私だけがこんなにドキドキしているんじゃないかって、
幸せすぎて夢なんじゃないかって、
そう思わずにいられなかったほど、非現実的なくらい幸せだった。

あのとき、こんなに幸せな時間が永遠に続けばいいのに。そうおもった。
それが今、現実となっていることを
昔のあの時私だったら、きっといくら言っても信じてくれないだろうな。

「あ!」

急に何かに気づいた翔太くんが大きな声をあげたので、

「え?わわっ!!!」

瞬間的に反応したとたん、私の体勢がグラリと傾いた。

い、いけない!甘酒!!

「あっぶな!!」

甘酒を両手で包んだわたしを
翔太くんがしっかりとあいていた片手で支えてくれた。

「ごごごごごめんなさい」

「こっちこそごめん!驚かせて」

「う、ううん大丈夫」

よかった。
甘酒もこぼれなかったみたい。

翔太くんがとっさに支えてくれなかったら、きっと今頃盛大に転んでしまっていたかも・・・。



「・・・このくらいの時間だったよなって思って」

「?」

「爽子が生まれたの」

腕時計を持っていなかった私は
言われて、翔太くんの腕時計をひょいと覗き込んだ。

「あ、ほんとだ」

言われてみて気づいた。
時計はちょうど11時45分になろうとしていた。

「言うの2回目だけど・・・改めて、爽子、おめでとう」

毎年毎年、一緒に来るたびに、翔太くんはそう言ってくれる。

日付が変わったときに1回そして、
生まれた時間に1回。

誰よりも一番先にそう言ってくれる。

それがどんなに嬉しくて、
どんなに幸せかを翔太くんに伝えたいのだけど、
どうやって
この気持ちを全部伝えたらいいのか、
いまだに上手な言葉が見つからない。
いつも『ありがとう』
そう言うことだけで精一杯になってしまって・・・

「爽子と出会えてよかった。俺、本当に幸せだよ」

「翔太くん・・・」

「これからもずっと、隣にいるから。爽子の誕生日に必ずいるから」

「うん」

「だから、ずっと一緒にいような」

「・・・うん」

どうしよう、
胸が、
胸が、
いっぱいで言葉が出てこないよ。
喉の奥が熱い
涙で翔太くんの顔が見えなくなっちゃう。

「ははっ・・・なに泣いてんの」

「だって・・・」

後から後からあふれてくる涙。
そんな私の涙をそっと拭いながら、笑って翔太くんはそのままそっと自分の胸に引き寄せてくれた。

高校の入学式の前に、出会ったあの瞬間、私に向かって笑ってくれたあのままの変わらぬ笑顔で・・・。

私はその胸の中で、一生懸命涙をこらえようとしていると、
頭の上でやさしい声が響いた。

「と、いうわけでこれからもよろしく、奥さん」

うわぁぁぁぁ
ダメだよ、
こんな言葉聞いちゃったら、
よけいに涙が止まらない。

「・・・ハイ、旦那様」

これが私の返せた精一杯の言葉だった。

こ、声が震えちゃった・・・。

「~~~~~~~っ!!」

バッ!
と、突然翔太くんの体が私から離れた。

「しょ、翔太くん?」

な、何かまずかったかな?

あ、あれれ?
でも、心なしか顔が赤い???

「・・・そろそろ並んだほうがいいな。行こうか!」

「う、うん」


あ。

顔、そらしちゃった。
今の、少し照れたような顔も好きなんだけどな。
もっと、見ていたかったな。
ちょっと、残念・・・。


そのあと、甘酒を飲み終わってから
翔太くんと
再び手をつないで歩き出して参拝の列に並ぶ。

除夜の鐘が鳴り終わり、

日付が変わった瞬間

「「あけましておめでとう。今年もよろしく」」

ほとんど同時にそう言って、
私たちは笑いあった。

しばらくすると、私の携帯に着信が届く。

あ、あやねちゃんとちづちゃんからだ!

二人もほとんど同じ時間に毎年私にメールをくれるんだ。

『あけましておめでとう!入籍もおめでとう!今年はWでめでたいね』

ちづちゃんからだ!

『あけましておめでとう!風早爽子になった感想、今度ゆっくり聞かせてね』

あやねちゃんも・・・。

嬉しいな。
いつまでも変わらない大事な大事な友達。

返信していいかな?
と翔太くんに確認すると、
もちろん。
そう答えてくれて、私は携帯と向き合った。
あれから、だいぶメールを打つのは慣れたけど、
やっぱり歩きながらはちょっと慣れなくて、
返信に時間がかかってしまう。

ようやく返し終わったころには、
もうすぐ順番になってしまっていた。

お賽銭を入れ、
手をあわせ私は祈った。

ずっとずっと翔太君と一緒にいられますように。
どうか、翔太君が・・・家族が元気で笑顔で過ごせますように。

二つもお願いしてしまった・・・
ちょっと欲張りだったかな?



それから、
二人でおみくじを引く。
これも毎年恒例。

私はいつも『凶』か『吉』しかでなくて。

それでも、
いつもちょっと、ドキドキする。

凶のおみくじを引くのはかなり運がいいんだよ。
翔太くんは私が凶を出すたびにそう言ってくれる。
でも、確かに凶を出しても悪いことばかりではなく、
むしろ私にとってはとてもいいことばかり。

だぶん、
それはきっと、
カバンにいつも忍ばせてる、あのおみくじがあるからだとおもう。

でも、
今日は、ちょっとドキドキが大きい。
だって、苗字が変わったはじめてのおみくじだから。

せっかくの記念日。

大吉なんておこがましいけど、
でも、せめて小吉くらいは・・・

ドキドキしながら引いた
おみくじ。

開いてみると
そこにあったのは


「!!!!」

だ、大吉!?

生まれてはじめての大吉。

書かれていた二文字から目が離せなくて、
私はしばらくそれを無言で見つめ続け、
ひっくり返してみたり、
透かしてみたり、
いろいろしてみる。

でも、間違いなく、
そこに書かれていたのは大吉だった。

「持ってかえっていいんだよ。」

隣で翔太君が笑いながら私に向かって言う。

あ、そっか。

いいおみくじはもってかえっていいんだ・・・。

でも、

でも・・・。

「あの・・・これは、翔太君にあげる。」

「え!?」

私の生まれて初めての大吉、
翔太くんにあげたい。

「私にはもう大吉があるから」

「!!」

私が翔太君からもらった大吉は、
今も大切にかばんの中にあって、
いつも私を守ってくれて幸せにしてくれるから。

これ以上の大吉、私にはもったいないから。

「翔太君に持っててほしいの」

だから・・・はい。
そう言って、
私はそっとおみくじを翔太君の手に渡した。

私のおみくじに翔太君のおみくじほど効果はないかもしれない。
でも、それでも持っていてほしい。
一番大切な人にもっていてほしかったの。

その瞬間
私は翔太君の胸の中にいた。

抱きしめられた腕から伝わるぬくもりが、
あったかくてやさしくて、
また一筋涙がこぼれた。

それから二人で並んで帰る。

同じ家へ。


ありがとう、
たくさんの幸せをくれて、
ありがとう、
いつもそばにいてくれて・・・

・・・すき。
すきなの。
大好き。

降り積もる雪よりもたくさんの気持ちを
これからもずっとあなたに届けたい。

あの時、今も、そしてこれからもずっと・・・




【END】

---------------------------------------------------------


と、いうわけで爽子verでした。

前回書いてておもったのですが、

爽子のBD話のはずなのに、
風早のBDみたいなお話になってしまってるなぁ~って^^;

なので、このお話で

爽子もちゃんと幸せだったんだよ~と伝わったらうれしいです^^



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すっかりあけてしまってますが・・・

あけましておめでとうございます!

きんもくせいです。


本年もますます君に届け熱をヒートアップさせていきたいとおもっております!


昨年から足を運んで下さっていただいていた方も

今日たまたま見つけちゃったゾ☆という方も

今年はさらにパワーアップして、

虎のごとくガオーッ!っと食いついてもらえるようなお話を書いていきたいと思っておりますので

皆様どうぞよろしくお願いいたします♪



実は、

本当は元旦更新したかったのですが、

諸事情で今の今まで方々にいろいろ駆けずり回っていたため、

落ち着いてゆっくりとパソコンに向かうことができず、

コメントおかえしできないわ

サイト様めぐりもできないわ

君に届けを読み返すこともできないわ

大好きな妄想もできないわw

予定が狂いまくって、かなり君届欠乏症でした・・・。

今も実はその疲れで結構ヘロヘロ・・・。

なので、

本当は1本お話UPする予定だったのですが、

間に合わなかった・・・orz

スミマセン、今日中に間に合えばのちほど更新します。


コメントのお返事いまだできてなくてすみません。

今日中には必ずっ!!


初詣にこれから行ってきます・・・(遅ッ)


そんなこんなのマイペースっぷりですが、

どうぞ見捨てずに今年も仲良くしていただけたら嬉しいです♪

さわ爽子誕生日おめでとう!!

そしていよいよ大晦日ですね~
皆様今年は本当にお世話になりました。
たくさんの方と出会え、
君に届けのおかげでとてもいろいろなことが広がった年となりました。
この作品に出会えて改めて感謝です。

そんな皆様への感謝の気持ちと爽子の誕生日を祝うべく
短編をUPしました。

今までで一番未来の設定です。
今までで一番照れながら書きました(笑)


設定としては、

風早と爽子がつきあってから数年後(そのへんアバウトです^^;)
風早は爽子と呼べてますが、
爽子は今だに風早くんという呼び方がなおってません^^;(遅っw)

そんなちょっと大人の二人のお話。

未来設定が苦手な方はご注意ください~

ではではどうぞごらんください~~


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サク
サク
サク
サク

サク
サク
サク
サク

今年も
降り積もる雪の中を歩いている。
あれから、
毎年恒例となった2年参り。
何回も何回も同じ道を通った。

そして、
となりにはもちろん今も・・・




「風早くんと今年も一緒に来られて嬉しいな」



静かな道に降り積もる雪に、染み込むように君の透き通るような声がした。

『あ』

言い終わったあと、
二人して思わず顔を見合わせる。

「今”風早くん”っていった~!」

俺はわざと頬を膨らませて、
いじけてみせると

「あわわわわそ、そうだった!!し、ししししししし翔太くん!!!」

顔を真っ赤にして、でも一生懸命言い直している彼女がまた愛しい。

「ははっ、”し”が多いって」

その姿を見たら怒る気どころか笑みが漏れてしまう。

「ごめんなさい。あの、今日の今日だとそ・・その・・・」

「うん、そーだよな、俺もまだちょっと照れる」

彼女が転ばないように、気をつけながらも
赤くなってしまった自分の顔を見られたくなくて、空をちらりと仰いだ。
俺の頬に冷たい雪が触ると、すぐに溶けて消えていく。
暗い空から、まっしろなふわりとした雪が落ちてくる様は、
今も同じでなつかしさがこみ上げる。

「で、でも、すぐに慣れるとおもうので・・・だから!」

俺が不機嫌になってしまったと思ったのだろう。
爽子は必死な顔で言葉を選びながら言う。
でも、俺はその続きに出てくる彼女のいつもの言葉を知っているから・・・

「「嫌いにならないで?」」

言葉が2重に重なって、

「え?・・・」

爽子は驚いてキョトンとした顔をした。

「わかるって!爽子の言いそうなこと。それ何回も聞いたもん」

「あ・・・」

嫌いになるわけないのになぁ~・・・。

昔と何一つ変わらない、君の謙虚すぎる言葉と純粋な気持ちが
俺の心に届きすぎるくらい伝わって、
たまに、すごくもどかしくなるんだ。

いつになったらわかってくれるのだろうか?
嫌いになるどころか、一緒にいればいるほど、どんどん好きなっていってるんだってことに。

俺はひとつ息をふぅっと吐くと、

「なるわけないじゃん!っていうかもうそれ言っちゃダメだかんね。絶対ダメ」

つないだ手に力をこめて、爽子に向かってまっすぐに言った。

「う、うん」

「だって、今日から爽子は・・・俺の奥さんでしょ?爽子も”風早”になったんだよ」

俺の言葉に弾かれたように顔をあげた爽子は
みるみる最大級に顔を赤くして、

「お、奥さん!!!!ソ・・・ソウデシタ」

あいている片方の手で頬を押さえた。

そう。今日俺と爽子は
ここに来る前に、役所に婚姻届を出してきたんだ。
もちろん年末で休みだったけれど、婚姻届はいつでも受け付けてくれる。
あらかじめ書いておいたものを、
爽子の誕生日にあわせて二人で出してきた。

これで、今日から爽子は

『風早爽子』となり、
俺たちは二人の夢を叶え、
晴れて

”夫婦”

になった。

だから今日は爽子の誕生日であると同時に俺たちの結婚記念日でもあるんだ。

やばっ・・・なんか、自分で言って照れるな・・・

意識しすぎて顔のほてりが取れなくなり、

しばらく顔見れねー。

思わず口を手の甲で隠した。



そのまま静かに歩いていくと、
いつの間にか人が多くなってきていた。
神社は階段をあがればすぐだ。

「行こっ!甘酒配ってるよ」

俺は照れた顔をごまかすようにそっと別の話題に切り替える。

「う、うん!!」

これも毎年恒例。
初めて二人きりで過ごした大晦日から、ずっとかわらない。

無料で配っている甘酒は、今年も同じ場所で配られていた。

「ください」

「はい、カップルさん2つね」

あの時と同じおばさんから甘酒を受け取って、
同じように言葉をかけられる。
受け取った甘酒を爽子にひとつ渡す。

「俺、すっかりここの甘酒のファンになったかも」

「すごくおいしいよね」

「あんなに苦手だったのにな」

「毎年飲んでるもんね」

「あれから毎年ここに来るの楽しみだもん」

「わたしも!」

それはやっぱり爽子と一緒だからだよ。
俺は心でそう思いながら甘酒を口に含む。
あの時と同じ味はやさしくて少し甘くてあったかい。

いつも爽子は『風早くんからたくさんいろんなことを教わってるよ』と口癖のように言うけど、
それは俺だって同じだ。

甘酒がこんなにおいしかったこと。
誰かと二人きりで来る初詣がこんなに幸せだということ。

他にもたくさん、いろんな気持ち全部、君から教わったんだ。

「”カップルさん”・・・か・・」

口に出してから俺は思わず笑い声が漏れた。
今はこの言葉を聞かないと二人とも何か物足りないくらいになっているから不思議だけど、

あの時は・・・。

「?」

「今だから言うけど、はじめて爽子と二人きりで来たときさ、俺すっげードキドキしてた」

「え?」

「だって、あの時の爽子、・・・いつもよりもかわいかったから、二人きりだっておもったら一人ですげー意識しちゃってて・・・余裕なかったんだよな~。カップルさんって言われただけで心臓止まるかと思ったし。・・・まあ、いい大人になった今も、あんまり変わってないかもしれないけど・・・。」

そんな風に笑いながら言うと、爽子はみるみる目を輝かせて、

「おなじだよ!あのとき・・・私だけが意識しすぎてるのかもって思いながらずっとドキドキしてたの!!」

力いっぱいそう言った。

「そっか」

俺だけじゃなかったんだな。
改めて触れた彼女の気持ちに、あの頃と同じ甘酸っぱいようなクラリとする感覚が襲ってきた。

「・・・うん、だからすごくすごく、うれしい」

隣で微笑む爽子は、
以前よりも輝いて、とても綺麗になった。
でも、大人になっても、
あの時、俺が初めて見たあの時とちっともかわらない、柔らかくて優しい笑顔を向けてくれる。

その笑顔が今も変わらず俺の隣にいてくれることに、
幸せを感じながらもどこか夢みたいだって思うことがある。

これから毎日一緒にいられるなんてあの時の俺、考えもしなかったよな。

そんなことを思いながら
何気なし二チラリと見た時計を見た瞬間

「あ!」

俺はふいに声をあげた。

「え?わわっ!!!」

それに驚いた爽子が隣で体制を崩し、思わず甘酒を落としそうになる。

「あっぶな!!」

俺はあわててその体を片手で支えた。

「ごごごごごめんなさい」

「こっちこそごめん!驚かせて」

「う、ううん大丈夫」

「・・・このくらいの時間だったよなって思って」

「?」

「爽子が生まれたの」

俺の時計を覗き込むように見た爽子。

「あ、ほんとだ」

小さく声をあげて驚く。

「言うの2回目だけど・・・改めて、爽子、おめでとう」

実はこれも毎年恒例。

誰よりも先におめでとうって言いたくて、
本当は日付の変わった直後に一度言ってるんだ。
うっかりすると吉田や矢野に先越されたりするから。

でも、

生まれてきてくれてありがとう

君と出会えて本当によかった。

たくさんのありがとうを込めて
毎年必ずこの時間もう一度君におめでとうって言いたくなる。

「ありがとう翔太くん」

そして、俺の言葉に同じようにそう答えてくれる君の姿を見て、
また胸が熱くなるんだ。

「爽子と出会えてよかった。俺、本当に幸せだよ」

「翔太君・・・」

「これからもずっと、隣にいるから。爽子の誕生日に必ずいるから」

「うん」

「だから、ずっと一緒にいような」

「・・・うん」

じわりと涙をにじませて、甘酒を両手で持ったまま、
爽子はじっと俺を見上げていた。

「ははっ・・・なに泣いてんの」

「だって・・・」

片手でその涙をそっと拭って、俺はそのまま爽子の頭に触れると、自分の胸にそっと引き寄せた。

「と、いうわけでこれからもよろしく、奥さん」

面と向かってはまだちょっと恥ずかしい。
でも、この体勢だったら俺だって言える。

すると、

「・・・ハイ、旦那様」

爽子の口から聞こえてきた言葉に

「~~~~~~~っ!!」

バッ!
俺は思わずそれに反応して身体を離してしまう。

やばい、
これはやばいって。

「しょ、翔太君?」

ちょっとなみだ目で顔を赤らめながら見上げる爽子が
あまりにもかわいくて、かわいすぎて・・・。

あ~~~もうだめだ。
・・・不意打ちすぎる。

まあ、最初に言ったのは自分なんだけど・・・

何度目かの火照る顔を落ちつかせるため、
俺はそれを振り切るように頭をわしわしと掻いてから、

「・・・そろそろ並んだほうがいいな。行こうか!」

「う、うん」

甘酒を一気にのみ干して
爽子の分を受け取ってからゴミ箱に捨てると、
再び手をつないで歩き出し、
俺と爽子は参拝の列に並んだ。


除夜の鐘が鳴り終わり、

日付が変わった瞬間

「「あけましておめでとう。今年もよろしく」」

お互いそう言ったあと、
笑いあう。

しばらくしてから爽子の携帯にいつものようにメールが届いた。
矢野と吉田からだ。

それに必死に返信する爽子の様子も
お参りするときの真剣な顔も、
おみくじを引く前の緊張している顔も

あの時とちっとも変わらない。

ただひとつ、
風早爽子となって最初に引いたおみくじは、

爽子にとって人生初めての”大吉”だった。

あまりの出来事に、目を丸くして絶句しながら、
何度も何度も間違っていないか確認している爽子に

「持ってかえっていいんだよ。」

俺がそう言ったら、

「あの・・・これは、翔太君にあげる。」

「え!?」

「私にはもう大吉があるから」

「!!」

「翔太君に持っててほしいの」

俺の手にそっと、そのおみくじをにぎらせた。

胸が締め付けられるほど、
たまらなく愛しくなって、ついに我慢していたものをこらえられなくなった俺は

その場で思わず爽子を抱きしめてしまった。

抱きしめながら

初めて出した君の大吉とその左の薬指に光る指輪に誓うよ。

誰よりも幸せにする。絶対絶対幸せにする!

そう強く強く、思った。




そして、降り積もる雪の中、足跡を残して
ゆっくりと二人手をとって帰る場所

それはもちろん同じ道にある同じ家


これからもこうして歩いていこう

同じ道をずっと二人で―――



【END】

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


改めまして、
爽子誕生日おめでとう!
へへったぶん、風早よりも先にUPしてやったぜw(ひねくれた愛w)

そして風早と入籍おめでとう!(勝手に入籍させてしまったい)

2年参りの大人ver話でした。

初めて爽子、翔太と呼ばせたので、
盛大にテレながら書きましたが、
いかがだったでしょうか?

入籍日を大晦日に設定したのですが、
大晦日って受付てるよね????(わ、わからん・・・)
私も休日の夜間受付で出した口なのだけど、
どうにもこうにもあやふやです。

ま、まあ細かいことはおいておいて、
楽しんでいただけたらうれしいです。



最後まで読んでいただいてありがとうございました。




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