現在の電子図書館には、2種類の意味がある。

 

ひとつは、大学図書館などが、電子ジャーナルや電子書籍の利用をすすめて、大学図書館自体が、電子図書館に変貌していく。

どの程度変貌した時点の分かれ目 分水嶺は、資料費予算の割合で考えるといいかもしれない。

紙の図書や雑誌を購入する費用とデジタル資料の購入や利用費用が、50:50の中で、どちらに傾いているかで、電子図書館なのか、紙の図書館なのかを決めるとよいと思う。(ICU図書館はその判断区分では、圧倒的に電子図書館に区分される。)

 

もうひとつは、商業的に業者が提供する図書館である。

EBSCO NetLibrary,OverDrive などが大手である。 (ProQuest ebrary のこの範疇にはいるのか、すこし微妙のところ)

日本では、KInokuniya Degital Library (KinoDen) Maruzen eBook Libray などがある。

 

問題は、これらの電子図書館は、スタート時に電子書籍が1冊もないので、紙の図書予算を削って、電子書籍をぽつぼつ購入していかなければならない。その上、何らかの利用制限がある。同時アクセス1ユーザー、貸出期限2週間という感じだ。

 

電子図書館というミニミュア電子図書館をゼロから構築する必要がある。

そのミニチュア電子図書館をそれなりの規模するためには、紙の図書予算を半減する必要がある。半減しても、費用をかけた分しか、蔵書はふえないミニミュア電子図書館にならない。仮に電子書籍の価格が1000円だとしても、10万円で100冊、100万円で、1000冊である。

実験的な利用では、それでいいと思うが、それが、図書館内のミニチュア電子図書館ができて、そのミニチュア電子図書館には、様々な利用規則があって、それをうまく調整するための司書さんが必要で、利用者員数が、数人なら、問題も起こらないが、数十人、数百人、数千人、数万人となってくると、同時アクセス1ユーザーのような電子図書館が、うまく運用できるはずもない。

 

図書館は、資本主義経済の例外規定として、法律で定めるところで運用する。

それは、あくまでも、資本主義経済ではなりたたないので、法律で定めている。そのことを利用して、ミニュニュア電子図書館をビジネスとしてなりたたせようとしているところに無理がある。

 

図書館をあいてに、ビジネスをしようとしても、無駄な努力で間違っている。

 

数千冊、数万冊の無償提供をおこなうような前提が必要だろう。

 

たとえば、新刊は、ビジネス的商品価値があるので、それらで、出版社や著者がビジネスする。

数年たつと、売れ行きも落ちて、たんまり、儲けをゲットして、もう、その商品で儲ける必要がないという商品を、全国のミニチュア電子図書館に格安、もしくは、無料で提供するような仕組みがあれば、新刊ビジネスに影響を与えることもなく、ミニチュア電子図書館も、それなりに豊富になり、意味あるものになるかもしれない。

かつて、電子書籍10円セールというのがあった。神々の指紋という本だったが、わたしは、それを10円で買って、はじめて読みましたが、そのような、安売りや無料でも提供してもよい本を、ミニチュア電子図書館にでも、提供しないと、スマホに入っている個人のKinoppyの本棚や個人のKindle 以下の品ぞろえ程度にしかならず、とても、図書館とよべるようなものに成長しない。