電子書籍の売り上げ上昇は、本の売り上げ下降になるのか という問題は、検証の難しい問題だろう。

電子書籍の売り上げ上昇が、本の売り上げ上昇に貢献しているとしても、もしかすれば、電子書籍がなければ、本の売り上げにもっと、貢献していたかもしれないという、考えも当然存在する。

本の流通業者や本屋は、本の流通、販売が、中心なのだから、電子書籍の売り上げが増えても、流通業者や本屋にとっては、儲けにならないのだから、どんなに電子書籍の売り上げは、問題 にちがいない。
現状は、まだ、本の売り上げの方が大きいといえ、電子書籍の普及拡大は、流通業者や本屋にとっては、脅威にちがいない。自分たちのパイが小さくなってしまうことを暗示している。それでなくても、本の市場はちいさくなっているのだ。

それは、LPからCDへの変化や、デジタルカメラの普及にともなって、銀塩フイルム産業が衰退してしまったという事例に事欠かない。

人類 数千年の歴史と共にあった、本が、LPのように急速に衰退するとは考えにくいが、拡大することは難しい。

市場の衰退は、免れないだろう。難しいことだ。

実力のある作家なら、紙の本を作成しないで、十分売り上げを得ることも可能になる。

何十年も歴史と、莫大な費用をかかて、全国整備してきた、本の販売方法を無視することはできない。莫大な費用をかけてきただけではなく、現状を維持するためにも、莫大な費用とそれに見合う本を必要とするのだ。
しかしながら、本の売り上げは減少しているとなると、どうしたらいいのか、心配だろう。

その意味で、電子書籍の発展は、脅威にちがいない。

そのなかで、新しい産業として電子書籍が発展する方法はないだろうか?

電子書籍が、ヒットすると、印刷や流通がない分、丸儲けになる。
しかし、その丸儲けは、どこに行くのかというと、流通業者や本屋には無縁だ。
印刷業者や製本業者にも無縁だ。

それは、本の出版、販売を支えてたそれらの業者には嬉しくないヒットだ。
もし、そのヒットがなければ、本が売れていたのかもしれないのだから。

電子書籍推進派は、地道に、電子書籍のヒットが、本の売り上げに貢献するという仮説を証明するしかないだろう。
また、初回、紙の本の売り上げが伸びない場合も、電子書籍の普及にともなって、紙の本の売り上げが伸びていくという現象が、もし、存在するなら、地道に、証明していくしかない。

いろいろな仮説を設定して、分析する以外にないだろう。

ただし、紙の本は、衰退傾向にあるのは、免れないので、より、効率的な戦略が必要だ。今は、大切な玉を機関銃のように無駄玉を打たないで、効率よく利益をあげる戦略を練らなければならない。