令和6年5月
(記憶を辿り書いてます)
この日もこの部屋は重く苦しい空気が漂っている
僕はスマホをテーブルに置く音にさえ神経質になってしまった
おやつもバリバリと咀嚼音がする煎餅とかご法度である
しかも深夜にバリバリさせるなど論外だ
私さえこんなに努力してるのに
純次は平常運転である
入院生活に慣れてきたか看護師さんに飛ばす冗談もヒートアップして饒舌で声が大きい💦
その度にモラルおじさんの
「チッ」と舌打ちの度に僕がビクッと反応してしまう
ある日の昼食時、僕が大失態をやらかしてしまう
その日のデザートにフルーツゼリーが出た!
自前のスプーンを出そうとして取り落してしまったのである
カチャーン!と金属音とともに床にバウンドしてモラルおじさんの方に飛んでった!
(ヤ、ヤバい!ドヤされる!)
僕「す、すんませんっ!」
モラ「はっはっはいいよ〜」
僕(ふぅな、なんだ以外といい人かも)
とある昼下がり
純次のタブレットから相変わらず音が漏れる、今日は途切れる事なくダダ漏れである
(純次よ、なぜ気がつかない)
その時モラルおじさんがとうとう動いた!
(ヤバい!純次よ早く!)
モラルおじさん靴履いて純次のベッドに近づく、そしてカーテン越しに
モラ「おい!💢」
純次(シーーン)タブレット音だけ
モラ「コラ!音が漏れとるぞー!」
純次(シーーン)タブレット音だけ
モラ「………💢」スタスタスタ…(戻る)
僕(ドキドキドキ…)
純次は気が付かなかったのか、いやあえて無視したのか…真意は分からぬが新たな火種を残しつつ抗争は一旦回避されたのだった
純次があえて無視したのなら相当の策士だな…などとドキドキしながら考えてたところ
パタパタパタ…純次がまたスリッパ鳴らしながら部屋を出てゆく
廊下で看護師さんにスッとぼけた冗談飛ばし高笑いしながら…
この男はいったい何者なんだ