※保志喜久玲(きくれい)の神社紀行(外伝)
(画像はすべて富士急ハイランドHPより)
きくれいの神社紀行外伝
《富士急ハイランド☆絶叫マシン紀行③》
~対戦相手:ええじゃないか~
北口本宮冨士浅間神社から戻ります。
“高飛車号の歓喜”からすでに3時間。
午前の同行者はどこかで叫んでいるハズ。
なのでここからは単独行になります。
第3のマシン“ええじゃないか”はつり下げ式。
たとえが毎度JRで恐縮ですが、
特急サンダーバードを横から串刺しにして
その串の両端に座席を設置したような構造。
そのままの状態で最高速度100キロ。
もはや言葉もありません。
宙返り・ひねりに加えて、
座席自体も回転すること都合14回。
つり下げ方式だから足の踏んばりも効かない。
キャッチコピーは
「前後左右、東西南北、驚天動地の大回転」
どんな体感になるのでしょう。
ところで、なぜこの名前なのか?
“ええじゃないか”の本家・おかげ参りは、
徒歩で何日もかけてお伊勢さんを目指したそうです。
このマシンの所要時間は160秒。
たった数分で神様に出会えるのかもしれません。
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順番待ちのスロープからコースが見えます。
大体3分おき、轟音とともにマシンが走り抜けます。
間近で見るせいか、サンダーバードを凌駕するスピード感。
通過後ガイドレールの武骨な鉄骨全体が
わずかに揺れているのが分かります。
相当な力が掛かっている!
微笑みとともに戦慄が走ります。
20分待ってマシンに乗りこみます。
座席は後向きになっています。
まず腰のベルトを締めます。
頭上からハーネスも下りてきます。
念には念を、股間あたりのベルトまで。
このコックピット感。
さしずめ装甲のない
剥き出しのモビルスーツです。
ご自分でどうぞ、と安全ベルトの最終確認を促されます。
ここからは責任持ちませんよ、と言われた様で空恐ろしい。
係官が“ええじゃないか”と囃し立てます。
我が“ガンダム”に似つかわしくはないけれど、
ともかく“ホワイトベース”を発艦します。
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誘導路をゆっくり登ります。
フジヤマ程ではないものの、
障害物がない分やはり相当な高さ。
遠くの悲鳴が風に乗ってくるのが聞こえます。
後向きのまま落下開始。
突然、座席が回転、
眼前に地面が迫ります。
ぶつかる!と思うより先、
今度は空に仰向けに?
宙ぶらりんの足が
鉄骨や地面に削られそう・・・
でも引っ込めようにも
ままならないのです。
動きが読めない。
方向がつかめない。
重力すら判らない。
その状態で時速100キロ。
私は2度放り投げられた。
ハーネスがなければ
確実に2回は死んでいる。
これは荒ぶる神どころじゃない。
もはや宇宙空間の戦い・・・
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おかげ参りに機動戦士・・・
世界観がグチャグチャになっても
“ええじゃないか”
・・・・・・・
完敗。
(つづく・次回絶叫マシン紀行最終回)
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※富士急☆えええじゃないか※