韓国語講師の試行錯誤 埼玉県朝霞市

韓国語講師の試行錯誤 埼玉県朝霞市

埼玉県朝霞市で韓国語サークルの指導をしています。

韓国語を日本語と比べながら、マニアックに、かつ、わかりやすく説明する(ことにチャレンジする)ブログです。

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안녕하세요? キクットです。

またまたずいぶんご無沙汰してしましました。。。
韓国語教室の他に全然別のアルバイトを始めたり、子供の幼稚園の卒園イベントの手伝いをしたりで、忙しく過ごしております。


前回、予告したことと違うことを書きます。ごめんね。
予告した「-ハヌンデヨ」「-シヌンデヨ」については、またいつか(いつ?!)。


今日の記事は ㄹ語幹の後ろに-(으)がつく文法が来たときの接続について整理します。
それぞれの動詞や形容詞の -(으)形は、本によっては「第Ⅱ語基」という呼び方をしているものもありますね。

教えていて、今更ながらですが、「そういや、ㄹ語幹に -으 ってつかないなあ」と思って(ほんと今更だ!)、整理してみました。
-으 がつかないで、どうなるかというと、-으 の後ろに続く文字やパッチムによって、大きく3パターンに分かれます。



① -(으)の後ろに  ㅅ、 ㄴ、 ㅂ が続くとき
  → ㄹ脱落、 -으つかない

このㄹ語幹と仲の悪いㅅ、ㄴ、ㅂをそれぞれの発音から(ス、ヌー、ピー)と名づけているブログか本があって、「天才!」と思いました。
そう、とにかくㄹはスヌーピーと仲が悪いんです。
ですから、これらのパーツが (初声の位置でも、パッチムでも) -(으)の後に続いていると、ㄹは脱落します。そして、-으もつきません。

例  -(으)세요           만드세요
        -(으)ㄴ             만든
        -(으)ㅂ시다           만듭시다


(あ、そうそう、文法項目の見出しとしては、「-(으)ㅂ시다」と書いてあっても、パッチムは単独で文字になれないから、「ㅂ」は前の文字のパッチムとして書いてくださいね。間違っても 먹으ㅂ시다    とか、 만드ㅂ시다  と書かないでくださいね。 )



②-(으)の後ろに ㄹパッチムが続くとき
  → ㄹ兼用、 -으つかない

ㄹパッチムが続くとき、というのは、いわゆる「未来連体形」を使った文法ということになりますが、とにかく、ㄹパッチムが続くときですね。
本によっては、「一度ㄹが脱落して、その上でまたㄹがくっつく」という説明がありますが、この説明をすると、たいていの人は混乱します。
そこで、「兼用」という考え方を思いつきました。
「ㄹパッチムをつけようとしたら。。。 あれ?もうすでにㄹパッチムあんじゃん! じゃ、これ使っちゃえ!」という考え方。
というわけで、-으をつけずに、ㄹパッチムを兼用します。

例    -(으)ㄹ까요?       만들까요?
       -(으)ㄹ게요         만들게요
       -(으)ㄹ 거예요    만들 거예요.




③-(으)の後ろにㅁやㄹ初声が続くとき
  → ㄹそのまま、 -으つかない

韓国に留学したときに、만들으면 と書いて×になったから、これはよく覚えています。
ㅁとは仲が悪くないんです。-으をつけなくていいくらい仲がいい(-笑)。
そして、ㄹ初声が続くときというのは、-(으)러   -(으)려고 みたいに、文字の最初の子音としてㄹが続くときってことです。
これは、たぶん、ㄹパッチムにㄹが続くときは으入れないほうが発音しやすいからじゃないかな。
ㄹパッチムの名詞に-(으)로がつくときも으入れないしね。(例 지하철로 갑니다.)
というわけで、ㄹそのままで、으をつけません。

例   -(으)면         만들면
          -(으)러         만들러
          -(으)려고      만들려고


この3パターンを覚えておくと、ㄹ語幹に対する苦手意識がなくなると思います。
がんばりましょ!






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안녕하세요? キクットです。

子供の習い事に最近入って来た子のお母さんが韓国人でした。
それで、昨日、待ち時間に一緒に韓国語でちょっとしゃべったんだけれど。。。口が回らない! パッチムなど子音が連続するところがほんとグチャグチャになりました。なんか自然な単語が出て来ないし。。。 こうなったら、聞き上手な人なんだなって思われるようにがんばります!(え? そっち?)


今日は連体形における 지 않다 についてです。

まずは復習。
動詞、形容詞の否定形には、안 を前につけるパターンと、語幹に 지 않다 をつけるパターンがあります。
例えば、「갑니다」を否定して、「行きません」という文にするとき、
 안 갑니다.
 가지 않습니다.
になりますね。

形容詞の場合も同じです。「바쁩니다」を否定して、「忙しくありません」というとき
 안 바쁩니다.
 바쁘지 않습니다.
になります。


連体形になったときも同じく、前に 안 を使うパターンと、後ろに 지 않다 をつけるパターンがあります。
안 をつける場合は簡単です。 連体形を作ったら、前にくっつければいいのですから、
 안 가는 사람 (行かない人)
 안 바쁜 사람 (忙しくない人)


でも、 지 않다 を使うときは注意が必要です。
この「않다」という単語、辞書で引くと「補助動詞・補助形容詞」となっています。つまり、動詞になったり形容詞になったりできる単語なのです。(それで、この記事タイトルは「않다 (アンタ) 一体何者なのさ」という。。。)

지 の前に、動詞がついたら않다 は動詞に、 形容詞がついたら形容詞になります。
現在連体形を作るとき、動詞には 는 が、形容詞には (으)ㄴ がつきますから、
 가지 않는 사람 (カジ アンヌン) 
 바쁘지 않은 사람 (パップジ アヌン
になります。 発音にも注意してくださいね。


こういうのって、どこかで「ジ アンヌン」って聞いたことがあると、否定の連体形は何でもかんでも「-지 않는」だと思ってしまうけど、違いますよ。
지の前につくのが形容詞か動詞か、作りたい連体形が過去か現在か未来かによって違います。
지 の前に、動詞がついたら않다 は動詞に、 形容詞がついたら形容詞になります。」 ということを覚えておけば、それぞれの連体形を作るルールで作れます。
形容詞の現在連体形は上に書いたように、「-지 않은」ですし、動詞でも、過去連体形は「-지 않은」 未来連体形は 「지 않을」です。
 가지 않은 사람 (行かなかった人)
 가지 않을 사람(行かない(だろう)人)
となります。


ちなみに、안 と 지 않다 と、どちらの否定形をよく使いますか? と聞かれますが、うーん。。。どっちも使います、としかいいようがないですね。
もしかしたら、会話では 안 をよく使うのかもしれませんが、人によってこっちをよく使うとか、同じ人でもタイミングによってどっちも使うとか。。。
例えばですけど、日本語でも「行きますか?」って聞かれて否定の返事をするときに、「いえ、行きません」と言ったり、ときには「いや、行かないです」と言ったりしますよね。そんな感じです。


次回は、どこかで耳にした「ハヌンデヨ」と「シヌンデヨ」について書きます。




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안녕하세요? キクットです。


こないだ、スマホからログインしたら、下のほうに無料で読めるマンガの紹介があって、「星の瞳のシルエット」があったので、なつかしく読みました。まさに世代なんですよね。当時の少女マンガでは、ちょっと不良っぽい彼が人気でしたが、私は静かで優しいタイプのが好きで、「星の瞳のシルエット」の久住くんが、まさに理想のタイプでした。こんな彼が欲しいと夢見てた時期。うーん、なつかしいわ。


さて、連体形の話。
前々回、「韓国語の連体形は動詞・形容詞の区別ができないとダメ」というお話をして、前回、「韓国語と日本との動詞と形容詞の区別」についてお話ししました。
今回は、日本語と韓国語で、動詞と形容詞が違う単語について書いてみたいと思います。

まず筆頭は、좋아하다
日本語の意味である「好きだ」は形容動詞ですが、韓国語の「좋아하다」は動詞です。
動詞なので現在連体形は 좋아하는 です。

皆さん何回言っても、日本語の「~好きだ」につられて

사과 좋아합니다.

と間違えますが、他動詞なので「를/을」をつけてください。
「~が好きだ」というより「~好む」だと覚えてください。


同じように、日本語で形容動詞なのに、韓国語で動詞なのは 잘하다
日本語の「上手だ」は形容動詞ですが、韓国語の「잘하다」は「잘 하다 よく やる」から来ていて動詞です。(「上手だ  塾達している」という意味のときは一語とみなし、잘と하다をくっつけて잘하다と書きます)
動詞なので現在連体形は 잘하는 です。
助詞にも気をつけてください「サッカーが上手な人」は「サッカーをうまくやる人」なので、

축구 잘하는 사람

です。


次は、다르다
日本語の「違う」は動詞ですが、韓国語の다르다は「違っている」状態を表す形容詞です。
形容詞なので現在連体形は 다른 です。다르는 という形はありませんので、注意してください。

でも、「違う」という単語、何かと何かが違うというのは、状態を表しているので、動詞よりは形容詞の感じですよね。日本語で動詞なのがちょっと不思議です。日本人でも、そう思う人が多いのか、「違くて」とか「違かった」というように、間違って形容詞の活用をしている人が多いです。本来なら、それぞれ「違って」「違った」です。文法上は間違いですが、間違える気持ちは理解できます。


あと、最近まで注意していませんでしたが、「お腹が空く」の고프다 
こちらも日本語の「空く」は動詞ですが、韓国語の「고프다」は形容詞です。
形容詞なので、現在連体形は 고픈 です。고프는という形はありません。



とりあえず、よく使う単語で注意すべき単語を書きました。他にもあったら、教えてくださいね。




こんにちは。キクットです。

書けるときにどんどん書いてしまいたいので、予約投稿で順番にリリースします。

前回の記事で「韓国語の連体形は動詞と形容詞の区別ができないといけない」という話をしました。
というわけで、今回の記事は動詞・形容詞についてです。


うーん。。。どこから説明しましょう。。。

「用言(ようげん)」という文法用語があります。文法用語なので詳しく覚えなくていいですが、まあ、大ざっぱに言うと、「単独で意味がわかる単語で、活用(変形ってことね)して、述語になれる」というような意味です。

日本語の用言は 動詞、 形容詞、 形容動詞 の3種類です。
韓国語の用言は 動詞、 形容詞、 指定詞、 存在詞 の4種類です。

韓国語の「指定詞」とは이다 と 아니다 です。 「存在詞」とは 있다 と 없다です。こちらは今回詳しくやりませんが、知っておくと便利かも。
(이다 にあたる日本語の「~だ」「~です」は助動詞で、用言には含みませんが、それぞれ文法のシステムがちがうので、同じ「用言」という言葉でも、日本語と韓国語では捉え方が違います。
まあ、韓国語の場合の「用言」というのは、「-다」で終わる単語のことだと思っていればいいです。)


それで、大まかにいうと、

日本語 動詞 ≒ 韓国語 動詞
日本語 形容詞 + 形容動詞 ≒ 韓国語 形容詞

です。


まず、動詞の話。
動詞とは動作や変化を表すような単語のことです。
日本語の場合、動詞は 「ウ段」 で終わります。
   、脱、縫、打、食べ、死、読、呼 
全部、最後の文字は違いますが、「ウ段」で終わっていますよね。

日本語 動詞 ≒ 韓国語 動詞

なので、韓国語の「다」で終わる単語で、日本語の意味が「ウ段」で終わるものは、ほとんど動詞です。
먹다  →(日本語では) 食べる →  「ウ段」で終わる → 먹다 は動詞



次に形容詞の話。
形容詞とは人や物などの特性を表すような単語のことです。
日本語の場合、形容詞と形容動詞がそういう単語のグループです。形容詞と形容動詞、単語の役割は似ているのですが、形や変化の仕方が違うので、日本語ではその2つのグループに分かれているのです。(分けないでどちらも「形容詞」と考える説などもあります。ここでは、皆さんの習ってきた「国語」の考え方でいきます)

日本語の形容詞は最後が「イ」で終わります。
  大き、長、良、嬉し、悲し
全部、最後の文字は「イ」ですよね。

そして、日本語の形容動詞は最後が「ダ」で終わり、なおかつ、名詞の前に来ると「ナ」になります。どっちか片方の特徴じゃダメですよ。「ダ」と「ナ」の形、どちらも持っている単語です。
  元気、豊か、きれい、有名
  元気人、豊か物、きれい物、有名
形容動詞の特徴、わかりましたか?

日本語 形容詞 + 形容動詞 ≒ 韓国語 形容詞

なので、韓国語の「다」で終わる単語で、日本語の意味が「イ」で終わるものは、ほとんど形容詞です。
   바쁘다 →(日本語では) 忙しい →  「イ」で終わる → 바쁘다 は形容詞

また韓国語の「다」で終わる単語で、日本語の意味が「ダ」で終わり、なおかつ、「モノ」や「ヒト」を後ろにつけたときに「ナ」になるものは、ほとんど形容詞です。
   조용하다  →(日本語では)静かだ、静かな人 →  「ダ」で終わり、「~ナ人」になる → 조용하다 は形容詞


一度、日本語に戻って考えるってのは、ちょっと面倒かな?
どうしても、韓国語で動詞と形容詞が区別できないよ、っていう人には、ちょっとヒントになるかなと思って書きました。
あとは。。。辞書を引いたときに、ちゃんと「動」とか「形」とかのマークを見てくださいね。


ただ。。。
↑の式、「=」ではなくて、「≒」なのに気づきました?
「=」だったら、説明は簡単なんですけどね、「日本語では動詞だけど、韓国語では形容詞」みたいな、例外もあるんですよ。
次回は、そういう例外の単語についてお話ししますね。

ではまた~。





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こんにちは。キクットです。

今日は主人が子供と2人で動物園に行きました。というわけで、私はひとり時間。のんびりと刺繍をしています。
明日は逆に私が子供と遊ぶ日ですけどね。


さて、私が教えている一番進んでいるクラスは↓の5課をやっています。
新装版 できる韓国語 初級II/アスク
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で、1~4課まではスムーズに進んできたのに、5課になったら、ぐちゃぐちゃになる人が何人か。。。。

この教科書、1課で動詞・存在詞の現在連体形、2課で動詞の過去連体形、3課で動詞の未来連体形、4課で形容詞・指定詞の現在連体形をやって、5課は主に現在連体形を使った-는데、 -(으)ㄴ데をやります。
そう、4課まではそれぞれ別々にやっているので、とりあえずその課でやる活用の法則を覚えればできるのですが、動詞と形容詞がいっぺんに出てくる5課になると難しいのです。理由は、それぞれの単語が動詞か形容詞かの区別ができないから。


ちょっと話題がそれますが。。。
私が韓国語の文法を勉強する上で大事だと思っていることが3つあって、それは

①パッチムの有無(とㄹパッチム)が区別できる
②陽母音と陰母音の区別ができる
③動詞・形容詞の区別ができる


です。


勉強を始めて出会うのが①ですよね。助詞の -는/은   -가/이などは名詞にパッチムがあるかどうかわからないとできません。
そして、합니다体をやるときも、母音語幹・子音語幹・ㄹ語幹が区別できないとできません。

その後(教科書によっては順序が違いますが)、해요体を習って、陽母音語幹・陰母音語幹を区別できる必要が出てくる。その後、過去形や、-아/어を使った文法に発展していきます。

ここまでの文法、합니다体、해요体、過去形、尊敬語などは動詞と形容詞を区別する必要はありません。①のパッチムの有無と②の陽母音陰母音がわかればできます。

ですが、この連体形をやる段になると、動詞と形容詞を区別できることが必須です。
でも、韓国語の動詞と形容詞、どちらも다で終わるので、形だけ見てたって区別できないのです。
そして、「そもそも、動詞と形容詞ってなんですか?」と、言い出す人も出てきます。

いつも、教えながら飲み込んでいる言葉。
「え? そこからですか?!」

いやいや、それをちゃんと説明できなきゃダメでしょ。(だから、↑言わずに飲み込んでいます)


というわけで、動詞と形容詞について、次回、書いていこうと思います。
よろぴく~。





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こんにちは。キクットです。

さてさて、漢字の話、そろそろまとめていきましょう。

韓国語の漢字の読み方は基本的に1つの漢字に1つの読み方です。
それに対して、日本語の漢字は読み方がたくさんありますね。
その理由は大きく3つだと思います。

①日本語には意味をあてた訓読みがある
②日本に入ってからバリエーションができた。
③同じ漢字だけど、日本に入って来た時期が違う。

②は、例えば、入声のある漢字に母音[u]をつけたり[ i]をつけたりして増えた読み方です。「質」を「シツ」と読んだり、「シチ」と読んだりするってことです。

今日のメインテーマは、③の、日本に入って来た時期の違いについてです。


日本語に漢字が一番多く入ってきたのは平安時代の初め頃。遣隋使や遣唐使が持ち帰った漢字の音が「漢音」と呼ばれています。

そして、それ以前の数百年に入っていたのが「呉音」です。5、6世紀に揚子江下流地域の漢語が百済経由で仏教とともに伝わったとされています。

「日」という漢字を「ジツ」と読むのが漢音、「ニチ」と読むのが呉音です。

で、この「呉音」のほとんどが百済経由で入って来たというだけあって、日本語の呉音は韓国語の漢字音とよく似ているのです。
一番そう思うのが、このタイトルの「老若男女」。これを「ローニャクナンニョ」と読むのは呉音です。漢音では「ロージャクダンジョ」と読みます。
「男女」を「ダンジョ」と読むより「ナンニョ」と読むほうが、韓国語の「남녀」に近いでしょう?

呉音だとナ行・マ行だけど、漢音だとダ行・バ行という漢字が、韓国語の音に近いかな。
文 문(モン ・ ブン
美 미 ( ・ 
米 미(マイ ・ ベイ
男 남 (ナン ・ ダン
女 녀 (ニョ ・ ジョ

いかがですか?


漢字と日本人 (文春新書)/文藝春秋


呉音の後に漢音が入ってきて、ほとんどの語は漢音の読みにとってかわられるのですが、↑の本ではそこの説明や比喩がおもしろかったので、引用します。




 全体として一番多いのは漢音です。「漢音」と言ったって漢代の音ということではありません。唐代の音(ことば)です。これがまとまってはいってきたのは平安時代のはじめのころ。弘法大師に代表されるような留学生たちがおおぜい唐の都長安へ行って、あちらのことばを学んできて日本にとりいれた。まあ近代で言えば、えりぬきの優秀な留学生たちが世界最高の財富と文化とをほこる英国のロンドンへ行って、ロイヤルイングリッシュを学んで日本に帰って、これこそが正しい英語、とひろめたようなものだ。
 で、優秀な若者たちが、目もくらむような財富と文化をほこる長安へ言って、長期滞在して、もちろんことばもペラペラになって、日本に帰ってそれぞれ高い地位について、日本の政治と文化とを指導した。その際に、長安で学んできた漢語を「正音」(正しい中国の発音)としてひろめた。


 平安はじめに留学生たちが長安の発音を持って帰ってきて呉音を排斥したから、それまでの呉音はたいてい漢音にとってかわられた。まあ言ってみれば、ロンドン帰りのバリバリが「コップじゃない、カップだ。ガラスじゃない、グラスだ」とかたっぱしからなおしてまわったみたいなものです。




ね、独特の語り口調でしょ?
大学で先生の講義を聴いてる気分になれる本でした。


漢字と韓国語、とりあえず今回で終わりです。
次は、連体形関連の話を書こうかな。




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こんにちは。キクットです。

皆さんがブログを書くツールは何ですか?
私はSNSはスマホでやっていますが、このブログは書き出すと書きたいことが止まらなくなるので、パソコンじゃないと無理です。
でも、私のパソコン、夜はなぜか主人のゲーム機になっちゃってるんですよね。
昨日も帰って来た主人が私のパソコンを使いたそうにウロウロしているので、落ち着かなくて。。。


さて、このところずっと書いてる漢字についての話です。

日本語ネイティブで、大学の外国語で中国語をちょっとやって、さらに韓国語を勉強して疑問に思ったこと。

「学」という漢字は、日本語で「ガク」、韓国語で「학[hak]」なのに、なぜ中国語は「シュエ」なんだろう?
[k(ク)]はどこ行った?

答えとしては、日本に伝わってきた時代(隋から唐辺り)の漢語(中古漢語)では「hok」というような音だったけれど、次第に変化して、今の中国語になったということです。
確かに、千数百年前の漢語と現代の中国語と同じなはずはありませんね。隋唐の都と北京では地方も違うしね。
現代の中国語にはk、t、pで終わる音はなくなってしまいました。
でも、遠く離れた韓国や日本の漢字の音のほうに、昔の中国語の音が保存されているっていうのもおもしろいですね。


ところで、現代の中国語ではなくなってしまったk、t、pで終わる音、これらを「入声(にっしょう)」といいます。当時(千数百年前)の中国の学者達が名づけたそうです。
今回は、この入声とパッチムと音読みの関係を見てみたいと思います。


で、まずはk入声について。先ほどの「学」などがそうですね。最後がkで終わる漢字です。これはわかりやすい。
韓国語では、ㄱパッチムとして残っています。
日本語では、母音[i] [u]をつけて、それぞれ「-キ」、「-ク」という音になりました。
-キの例 敵(テキ)、積(セキ)、駅(エキ)、域(イキ)など
-クの例 六(ロク)、百(ヒャク)、宅(タク)、楽(ラク、ガク)など
わかりますか? これらの漢字、韓国語では全部ㄱパッチムですよね?


そして、t入声。
日本語では、やはり、母音[i] [u]をつけて、それぞれ「-チ」、「-ツ」という音になりました。
-チの例 一(イチ)、七(シチ)、八(ハチ)、吉(キチ)など
-ツの例 結(ケツ)、節(セツ)、発(ハツ)など

で、これらの漢字は韓国語ではㄹパッチムです。
漢語のt音が韓国語のㄹになったのか、いろいろな説があるのですが、当時の韓国語の発音体系ではt入声が発音できず、後ろに母音をつけて読んだりしているうちに、ㄹパッチムで落ち着いたようです。
これが、前回の記事でちょっと書いた「日本語で「-チ」「-ツ」の漢字のほとんどは韓国語でㄹパッチム」の理由です。もともとは中古漢語のt入声だったのです。



最後に、p入声。
こちらは、韓国語ではㅂパッチムです。
日本語では母音[u]をつけて、「-プ」として取り入れました。
ところが、日本語の発音が時代とともに変化していき、「パピプペポ」→「ファフィフフェフォ」→「ハヒフヘホ」と、だんだん唇の閉じ具合がゆるくなったのです。
「急」という漢字の音は「キプ」として取り入れたのが、時代とともに、「キフ」→「キウ」→「キュー」(音読みのフリガナではなく、発音のカタカナで書いています)と変化して現代に至っています。

また、p入声は、日本に来てから、pがtになったものもかなりあります。
例えば、「雑」。もともとはzapですが、日本語では上に書いたように「ザプ」→「ザフ」→「ザウ」→「ゾー」と変化していきます。
ところが、一方でzapが日本でzatになったそうです。そして、母音[u]がついて「ザツ」にもなったのです。
以前書いた日本語の中のピウプパッチムは、このp入声のt転換のことだったのです。

そういう例がこちら
「立」 (リュー 建立、 リツ 国立)
「納」 (ノー 納入、 ナツ 納豆)
「執」 (シュー 執着、 シツ 執務)
「合」 (ゴー 合同、 ガツ 合唱)
「甲」 (コー 甲乙、 カツ 甲冑)
「十」 (ジュー 十円、 ジツ 十冊)
など。

上記の漢字は、韓国語ではㅂパッチムです。
なので、上記の漢字は「立」の音読みは「リツ」で、「ツ」で終わっているから、韓国語ではㄹパッチムだろう、とできないのです。
また、「合」は「ゴウ」で、「ウ」で終わってるから、韓国語ではㅇパッチムだろう、ともできないのです。

ということで、それぞれの漢字のいろいろないきさつがあるので、こういうときは絶対にこうなる! と断言できないのですが、それでも由来を知れば手がかりにはなりますよね。

韓国と日本が漢字と出会い、それぞれ苦労しながら自分達の言葉の中に取り入れていったんだなあと思うと、なんというか、ロマンを感じます。

漢字と日本人 (文春新書)/文藝春秋






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こんにちは。キクットです。

そういえば、このブログをPCから見たときに右に表示される人気記事ランキング。韓国語ブログなのに、一番人気は朝霞のタイ料理屋さんの記事なのです。韓国語関連記事が一位じゃないのは私の努力が足りないからなので、仕方ないです。
このタイ料理屋さん、ホームページがないので、食べログと私のブログがネットでの希少な情報のなのです。(責任重大!) この前も食べに行きましたが、やっぱりとてもおいしかったです。帰りにタマリンドのジュースも買いました。


さて、それこそずーっと書こうと思いつつ、放置してしまった漢字の話題について書きます。
今日のテーマは韓国語の音で[ㅇ」パッチムの漢字についてです。

韓国語の教材で、「漢字で覚える」などの教材がありますよね。日本語の音読みで「-ツ」や「-チ」で終わる漢字のほとんどは、韓国語ではㄹパッチム、などの解説のある本です。

日本人にとっては、漢字を手がかりに、どんどん単語を増やすことができます。日本語と韓国語の音読みの特徴がわかっていれば、知らない漢字語が出てきても想像で補うことができます。私が韓国の企業で専門用語を使いながら仕事ができたのも、漢字語のおかげです。


また、「ソニム」というカタカナ発音はなんとなく覚えているけれど、さて、ハングルで書くとき、「ン」はㄴパッチムだっけ? ㅇパッチムだっけ? それぞれの「ン」は違うパッチムなんだっけ?と思い出せないとき、

・日本語の音読みで「-ン」の漢字のほとんどはㄴパッチム、一部ㅁパッチム
・ㅇパッチムの漢字の日本語の音読みは「-ウ」「-イ」が多い


ということを知っていれば、日本語では「センセイ」ですから、最初の「ン」がㄴパッチム、次の「ン」がㅇパッチムだと想像できます。
ニム  →  セ님  →  선생님です。


じゃあ逆に、なぜ、韓国語のㅇパッチムは、日本語の「-ウ」や「-イ」なんでしょうか?

このことは、↓の本に書いてありました。

漢字と日本人 (文春新書)/文藝春秋


(以前の記事で和製漢語について書いたことがありますが、どの熟語が和製漢語か知りたくてこの本を買いました。でも、和製漢語の話よりも他の話のほうがおもしろく、その中でも、このng音の件がとても興味深かったのです)

そもそも中国語には[ng]音で終わる漢字があります。漢字が伝わったとき、韓国にはㅇパッチムの発音がありますから、ng音に関しては苦労が無かったと思います。

しかし、日本語にはngで終わる音がなかったんです。それでng音の漢字を日本語に取り入れるのに、とても苦労しました。
以前、「英語のnとng キングコングとホンコン」で書きましたが、ng音は「ング」ではないんですよ。口開けっ放し、舌先も歯茎につけず、「ング」って言うつもりで、「グ」を言わないで鼻に抜けてく音です。でも、これが日本人にはできなかった。
それで、まあ、口を開けっぱなしで鼻に抜けていく音なので、だったら、「-ウ」や「-イ」と書くことにしたのです。「用」だったらyongなので、「ヨウ」にしました。

ところで、このng音、奈良平安の頃は「-ウ」「-イ」としたのですが、奈良以前はngの後に母音を付けて取り入れたそうです。その例として載っていたのが、「相」。この漢字はsangという音ですが(韓国語でも「상」ですね)、その後ろに母音[ a ]をつけて「サガ」にしました。「ガ」は[ga]ではなく、鼻濁音のほうの「か゜」です。神奈川県辺りを「相模 サガミ」というのは、この「サガ」が残っている例なのだそうです。

奈良平安より後の鎌倉時代はというと、ng音も「ン」にしちゃったんだそうです。その例は「鈴」。奈良平安時代の音は「レイ」ですが、鎌倉時代では「リン」です。呼び鈴の「リン」ですね。韓国語は「령」です。
また、「請」という字(韓国語は청)。これは奈良平安では「セイ」ですが、鎌倉時代に取り入れたときは「シン」。安普請というときの「シン」です。
あと、「燈(灯)」という字(韓国語は등)。奈良平安は「トウ」ですが、鎌倉時代は「ドン」。行燈の「ドン」ですね。

「請」と「燈(灯)」については、それぞれ「セイ」や「トウ」という音読みのほうが知られていますが、「鈴」の音読みは、最近の名前など「リン」読みがよく使われたりしていますね。先ほど、「日本語で「-ン」は韓国語でㄴかㅁ」と言いましたが、「鈴」は「リン」と音読みしてもㅇパッチムですよ。


ng音を日本語で「-ン」とすると、nとngの区別ができない。
かといって、「-ウ」にすると、「高」のようにもともと母音で終わる音もあるから、紛らわしい。(なので、「-ウ」は全部ㅇパッチムってわけじゃないので、それも注意してくださいね)

日本人はずーーーっと長い間、ng音に苦労しているんですね。



こちらも良ければどうぞ。
コヤンイとコヤギと音楽






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こんにちは。キクットです。お久しぶりですね。

先日、生徒さんが「先生、質問があります」というので、聞いてみると、「ブログは書かないんですか?」でした。ああ、本当にそうですね。放置しすぎると、韓国語講座自体やっていないみたいですが、ちゃんとやってます。

放置しすぎたのは、手芸をしていたからです。私は何かに熱中すると、他のことが考えられなけなるほど没頭してしまいます。それこそ、料理、食事、入浴、歯磨きも嫌になっちゃうくらいです。いや、でも、それらをやらないと、さすがに人間終わってると思うので、最低限それらはやってます。もちろん、授業もやってました。でも、ほんと、それ以外のことは全くしませんでした。

あとは、体調があまりよくなかったこと。いや、体調悪いなら、手芸に没頭するなって話ですが。。。夏は椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛で弱ってました。

まあ、近況はそんな感じです。


久しぶりのブログのネタ。何にしようか迷ったけれど、この前発見した「日本語の中の韓国語っぽさ」の話です。

授業で色を扱ったので、「회색」の「회」が漢字かどうか調べたんです。「회」は「灰」の韓国語の音読みでした。それで、辞書の関連の単語の中に、「석회」があったんです。日本語だと「石灰」。あれ、「せっかい」。。。?

「せき」 + 「はい」 → 「せっかい」

これはなんか韓国語の劇音化っぽい発音変化だ!

백화점 [배콰점]  ペクファジョム じゃなくて ペックヮジョム;
축하[추카]합니다 チュクハハムニダ じゃなくて チュッカハムニダ

みたいな!

おそらく「石」の音の(最後の母音[ i ] がない状態の)[sek]と「灰」の音「hai」が合わさった結果、[h]の音が[k]に負けてしまって消えたんだろうと思います。

こういう風に、日本語の中に韓国語っぽいものを見つけると、とたんにテンションが上がります!


追記
今、ちゃんと調べたら、なんと「はい」は訓読みでした!!!  音読みは「カイ」
おお! なんという…この記事自体が無意味に…。

という訳で、「セキ」+「はい」→「せっかい」ではなくて、
「セキ」 + 「カイ」 → 「セッカイ」でした…

ちゃんと調べてから書けば良かったよ…。恥ずかしい!!

ということで、激音化というよりは濃音化というような現象でしたね…。
こっちはよくある現象なので、そんなにテンションあがらない…。


•キの後にカ行が続く場合
•クの後にカ行が続く場合
キやクが小さい「ッ」になることが多いってことです。

でも、的確(テキカク)、液化(エキカ)、毒気(ドクケ)など、絶対にそうなるとも言いきれず、発音が揺れている状態です。

詳しくは文化庁のページへ。
안녕하세요? キクットです。


今日からNHKで始まった「花子とアン」。
このドラマが始まるって昨日知りました。

私、赤毛のアンシリーズ大好きなんです!
毎年「赤毛のアン月間」といって、赤毛のアンのシリーズを全部読む時期が来ます。
実は今も『アンの娘リラ』を読んでいるところでした。
何度読んでも、毎回楽しいんです。
100年前の話なのに、普遍的な「あるある、そういうこと!」「いるいる、そういう人!」という暖かいユーモアに癒されるというか。。。

もちろん、新潮社の村岡花子訳で読んでます。
とにかくね、『Anne of Green Gables』を『赤毛のアン』と訳したことが、この村岡さんの功績だと思ってます!
(そういえば、韓国語も『빨간 머리 앤』ですね。)
アンの言葉遣いとか、ちょっと古風で品のある感じでとてもいい!

ところで、遺作となった『エミリーの求めるもの』の後半の翻訳は。。。直訳が多くて、とても読みにくいんです。。。
体調が悪い中で、とにかくエミリーシリーズを全部、日本に紹介したかったんだろうなっていうのがわかって、読むとつらくなります。


ほんとにね、ニュースで「美空ひばりさんの自宅を資料館に!」というのを聞いて、「そういえば、村岡花子さんの家も資料館として公開されてるんだっけ。。。」とか、考えていたところだったんですよ。
タイムリーすぎ!

というわけで、すごく期待しているドラマです!



もひとつ。

今日は娘と姪と一緒に『アナと雪の女王』を観て来ました。
吹き替えで観たのですが、神田沙也加さんと松たか子さんの声、とてもいいですね。
ストーリーもしんみりしたり、笑ったり、ドキドキしたり、大人でも見ごたえ十分でした。

主題歌の『Let it go』、映画の中で松たか子さんが歌うほうも、May Jさんが歌うほうも素敵。

家に帰ってから、韓国語バージョンの효린さんが歌う『Let it go』も聞きました。
こちらもとても良かったです。
まだ聞いてない方はぜひ!


なんというか。。。自分の中の少女の心がときめいた1日でした。

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