@幸福の木Ⅱ 21 Double suicide? | 青くんの部屋

青くんの部屋

ここはサトシック、アラシックのお部屋です。
BL「おやま」メインの腐部屋です。
上記の意味の分からない方、一見さん、
一見三じゃなくてもお部屋の案内を読まれない方、
単に迷い込んだ方はすみやかに出ましょう。
【ブログ情報をご確認の上、入室ください】

※ 事故直後 (回想)








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微かな消毒液の匂い…
目覚める とそこは真っ白に囲まれた部屋だった。
一体…?
軀を起こそうとしたが 軀が異様に重かった。
怠い…


<え…大野さんっ。>


看護師さんが驚いたように駆け寄ってきた。


<大丈夫ですか? どこか痛くありませんか?>


矢継ぎ早に尋ねられる。
確かに体中が痛かった。
一体どうしたんだろう?
頭はぼんやりとしていて、上手く思考が働かない。


<すぐ先生に診て頂きますから…。>


先生…
ここって病院?


ガラッ…バンッ。

乱暴に戸の開く音がした。
ズカズカ とその人は進んでくる。


<え…。>


その勢いに看護師さんが戸惑いの声を漏らした。
その人は構わず そのまま入って来て、オイラの方に一直線に向かってくる。
そして…

バシンッ、

激しい音と共に頬に焼ける様な痛みが走った。


<櫻井さんっ!>
『どうして、お前が生きてるのっ。』
「…。」


俺は痛む頬を押さえながら 鬼の形相をした芳野叔母さんを 茫然と見上げていた。


『お前なんかっ、お前なんかっ、
死ねばよかったのに!』

<何なさってるんですかっ!>


再び手を振り上げるのが分かり オイラは反射的に目をつぶった。
バタバタと足音がする。
すぐさま室内に入ってきた看護師に叔母さんは抑えられた様だった。
彼女は半狂乱と言っていいい様子で喚き散らして暴れていた。
叔母さんが こんなに怒る理由は一つだけだ。
オイラは震える体を無理矢理起こし転がる様に病室を出た。

そんなはずないっ。

あのまま、助手席の方から激突したはずだった。
だが、おかしな感覚もあった。
翔くんがステアリングを…
ステアリングを…







彼は意識のないまま 管に繋がれてガラスの向こうに横たわっていた。
殆ど白く覆われて誰だかわからない。
何とか確認できる手が彼の物だった。

どうして…?
どうしてっ、
翔くんの姿が滲んでゆく。
あのまま、俺が死ねばよかったのに。
そうしたら何もかも終わらせることが出来たのに
なんでっ、
なんで…
崩れるようにその場にうずくまって 声をあげていた。

俺が、死ねばよかったんだっ。

俺が…




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※ 現在…病院の駐車場で






『あの…?』
「…。」
『大丈夫ですか…?』


泣き出したのは隠しようがなくって運転手が心配そうに尋ねてくる。


「行ってくださいっ。」


俺は何とか答えた。
翔くんにはオイラが分からない様だった。
そんなに変わったかな…
もう、子供じゃない。
俺は年を取っていた。
風貌も自分が思っているより…
いいや、きっとすっかり変わってしまっているんだろう。
ふ…
それよりなにより翔くんが忘れてしまいたかったのかもしれなかった。
それでいい、それで…
心の奥底に隠したものが露になる。

怯えながらも心配だった事。

それはいとも簡単に解決していた。


やっと終わらすことが出来たんだと言うのに、泪はあとからあとから溢れて止まらなかった。