マヒワ　真鶸

英名：Eurasian Siskin

学名：Carduelis spinus

スズメ目アトリ科マヒワ属

生息地：ヨーロッパからユーラシア大陸、北アメリカなどに広く分布。冬季はユーラシア大陸の南部、北アフリカ、朝鮮半島、日本などで越冬する。日本では繁殖する個体も見られる。

全長：13cm

鳴き声：チリリリリ、チュイーン

雌雄：雌は全体の色が淡く、白いお腹の褐色の縦班が目立つ

マヒワは漢字で表記すると「真鶸」である。「真」はマガモやマガンと同じで「標準的な」「代表的な」を意味する。「鶸」は文字通り「小さくて弱々しい鳥」を表していると思われる。

マヒワの雄、冬羽。夏羽はもっと鮮やかな黄色になる

「ひわかし」という「可憐で若々しい」という意味の古語があり、これがヒワの語源のようだが、いずれにしてもマヒワが弱々しい鳥だと見られていたことは間違いない。

マヒワの雌（あるいは若鳥）。雄よりも白っぽい

マヒワの仲間のベニヒワがカマキリに襲われるシーンを、NHKの「ダーウィンが来た！」（2022年５月８日放映）でご覧になったかたも多いのではなかろうか。

マツヨイグサの種をついばむマヒワの雌タイプ

しかし、マヒワの生息地を調べてみると、アイスランドからイギリス諸島、ヨーロッパ各国はもとより、ロシア、中国などのユーラシアの国々、北アフリカ、日本などの東アジア、そして北アメリカ、中米にまで進出していることがわかった。

マヒワは群れで見られることが多い。アトリと同様、大群になることも多いという

もはや北半球を制覇していると言っても、決して大げさではないだろう。スズメより小さく、見るからに華奢なマヒワの思わぬ逞しさに、ただただ驚くばかりだ。

マヒワは弱々しい鳥なのか、それとも世界制覇を企てる強い鳥なのか。なんだかわからなくなってきた。

【参考文献】

街・野山・水辺で見かける「野鳥図鑑」（日本文芸社）、「野鳥の名前」（解説／安部直哉、山と渓谷社）

強いのか、弱いのか