ネガティブ最前線 -12ページ目

『夜空に舞う赤い傘』

ねぇ、こんなにも愛しい人と

もう二度と会えないのは何故。


春の訪れを前に冬の名残が降らせた冷たい雨が

強かに傘の膜を打ちつける

強風に煽られてさらわれたそれを

僕の手をすり抜けて追いかけた

君を捉えた強い光とクラクションが鳴り響く


スローモーションに歪む世界。

ワンバウンドして空に舞う赤い傘と

跳ね飛ばされて転がる君の身体。

僕の手は君へ伸ばされたまま

何も掴むことなど出来ずに虚空を彷徨う


雨に滲んでてらてらと鈍く光る赤い色

それが流れて僕の足元に伝わる。

動くどころか声も出なかった

そんかな自分を今は情けなく思う。

でもあの時は

まるで映画を観ているみたいに

何もかもが出鱈目にしか思えなくて

君の身体が冷たいのも雨の所為にして

僕は

何も知りたくなかった。


あの日が嘘のように暖かく陽光が降り注ぐ日

君は真っ白な骨だけ残して逝ってしまった

笑う顔も 怒った顔も 泣いた顔も

もう何も見られなくて

言葉も交わせない。

あの時

君の手をしっかりと握り締めて

繋ぎ止めていればよかった

何度も繰り返してきた自責の念が

今も色濃くこびり付いている。


春に迎える筈だった君の誕生日に渡そうと

秘密にしていた誓いのペアリング

もうこれを渡せる日は一生こないんだと思うと

涙が溢れて止まらなかった。


ねぇ、神様

こんなにも愛しい人と

離れ離れにしたのは何故?


もう二度と

君と会えないのは何故。

蓋をしよう。

自分という存在に。

だって誰からも必要とされていないから。

周りから邪魔者として扱われているから。

仕方なく生かされる命なら

その意味も意義も理由も

初めから存在なんてしないんだ。

僕は仕方なくこの世に生み出され

仕方なく生かされている。

殺したら犯罪だから。

犯罪者は捕まってしまうから。

自分の生活を維持する為に

僕という腐った肉の塊を

此処に転がしておくんだ。


残念なことに

僕は成人を迎えても

とうにそれを過ぎても

誰かに必要とされるだけの力を 術を

もつことが出来なかった。

それどころか邪魔な生ゴミになった。

そこら中を病んでいて

お金のかかるゴミ。

それでも腐臭がしないように

最低限のメンテナンスはされる。

本当にただそれだけの

巨大な生ゴミ。


時々親から言われることがある。

「お前の持ってる本もゲームもCDもDVDも全部一緒に売ったって、

お前を買ってくれる人間なんていない」

自分でもそう思う。

それ程に邪魔な存在。

無価値な存在。

むしろ価値としてはマイナスだろう。

だって俺の持っている物は

市場は狭いが結構高値で売れる物が多い。

それをもってしても拒否される

そんな存在は無価値以下だ。


だから蓋をしよう。そう思った。

限りなく存在を薄めて

人に気付かれないようにしよう。

誰かを不快にさせないように。

ゴミだってばれないように。

僕をゴミ箱に入れて

蓋をしよう。


僕が存在していい場所は

唯一此処だけ。

それだけでもありがたいと思わなければ。

ゴミより劣る僕に

本来居場所なんて与えられないのだから。


『雪の足跡』

水分で質量を持った雪が深々と窓を叩く。

今日の雪はきっと積もらないだろう

そう思えば浮かんだ、残念そうな君の顔


あの時君は新雪を踏むのに必死で

雪の下に潜んでいた氷に足を取られていたっけ。

あまりにキレイに転んだものだから

僕はつい笑ってしまった。

君は怒るかと思ったけれど

僕につられるように笑ってくれた


明け方に程近い街灯の下で

君が踏む雪の音だけが聞こえていた

一歩一歩

遠く、近く

君の足跡が刻まれていくのを

何だか神聖な気持ちで眺めていた。


今、僕の目の前に広がる道には君はいない。

君も、君以外の誰かもいない

ただ一人僕だけの道がある。

何処までも続くような暗い道は

もしかしたら明日になったら消えているかもしれない

そんな不確かな道。

もうきっと誰とも巡り会えない

そんな道。


君は笑っているだろうか

誰かと共に道を歩んでいるだろうか。

要領の良い君のことだから

きっと誰かの手をとって

新しい道に足跡を残しているのだろう。

それはきっと此処とは違う明るい道だ

未来へ続く道なんだ。


雪が雨に変わって

やがてそれも止んで凍った道の上

僕は冷たい太陽を見上げる。

お前に溶かせぬ氷ならば

他の誰に溶かすことが出来ようか

太陽の温度さえ

此処には届かないというのか


やがて真昼の陽光に溶かされると知っていて

僕は悪態をつく。

あの日の雪が溶けても

僕の耳には新雪を踏む音が残っている

それはきっと

レコード盤に刻まれた音の様に

磨り減りながら繰り返し再生されるのだろう


いつか雪が積もったら

その時は僕の足跡を残そう。

それは神聖なものとは程遠いかもしれないが

大丈夫

溶けて無くなれば

誰の足跡だって一緒だから。


君の足跡を辿って

遠く、近く

悪ふざけみたいにおどけてつける

紛れもない僕の足跡。

幸せ

学園物のアニメや漫画を見ていると、あぁ青春ってこんなにも賑やかで鮮やかなのか、と思うことがあります。

俺には幼なじみもいなかったし、学校は訳あって居住区を偽って遠くの学校に通っていたので、遊び相手もろくにいない学生生活でした。

特に中高は自分の性別がネックになって学生生活をエンジョイとか考える余地がなかったのもあり、我ながら厳しい毎日だったように思います。

だから、学園物の作品を見ると哀しくなるのです。
あぁ、自分はこんな楽しい時間を無駄にしてきたのか、と。

自分の考え方次第だと言う人もいると思いますが、少なくとも俺は、性別のせいで結構大変な学生生活を送っていました。
なんでもないような日常を送ることが、俺には酷く難しいことだったのです。

今となってはどうしようもないですが、健康な身体でもう一度学生生活を送ってみたいと思うことが多々あります。
それはきっと、賑やかで鮮やかな毎日なんだろうな、と。

きっと大人が酒を飲むのはこんな時なんだろうと思います。
酒の席という建前で、若い頃みたいに騒いで笑って。

一度きりの青春を、俺は真っ黒に染めて過ごしてしまった。
賑やかで鮮やかな筈のそれは、辛く苦い思い出しか残さなかった。

出来ることなら、ちゃんとした男として、もう一度学生をしてみたい。
青春をしてみたい。

楽しい毎日というものを、体験してみたいものです。

もしも涙が枯れるものなら。

W.A関連のものをあらかた見終わってしまい、

今度は『最遊記外伝』に手を出しました。

これも片割れが好きだった作品です。


OVAの1巻を観て早速大泣き。


情緒不安定だとこうも簡単に泣けるものなんだなぁ、と実感。

小さい頃は「泣くような奴は家の人間じゃない」と怒られていて

いつの間にか泣こうにも泣けなくなっていましたが。


今は逆に何でも泣ける気がします。

まぁ、最遊記外伝は元々泣ける話だとは思うのですが。


OVAの出来としては、内容はしょり過ぎ、絵崩れ過ぎとお粗末なものだと思いますが

予め外伝を読んでいる人間にはきちんと分かるようには描かれていたので

内容を思い出しながら観ていました。

後半殆ど画面見てなかったけど。←


もしも涙を流すことで

色んな感情も一緒に流してしまえるなら

この心ごと全部流して

そして枯らしてしまいたいのです。


片割れと出会う前の自分は

心なんてとっくに壊されて持ってないに等しかったのに

笑うことも 泣くことも

全部アイツが教えてくれた。

それがいなくなって

やっぱり心なんて面倒だから捨ててしまおうと

あれだけ努力してきたのに。


俺はあの時から

機械になりたいと願うようになった。

体は勿論

心なんてものはいらなかったし

全部機械になって人の役に立ちたかった。

もうそれしか生きていく方法が残っていなかった。

それすら叶わぬ現在。


泣いて 泣いて 涙が枯れたら

アイツのことを忘れられるだろうか。

また普段通り

泣きも笑いもせず

1日を平坦に過ごせるだろうか。


いつか覚めてしまう夢なら見せないでくれ。

叶わぬ夢ならずっと眠って。