お母さんってすごいです。

すごいお母さんは、やっぱりすごいんだけど、それは一部の人で。

普通は、罪を犯している人ほど、愛を与えなければならないという、イエス・キリストの教えのような話になると思います。年齢にかかわらず、子供たちの話になる。

見ている間は、子供たちに起こる出来事が心に去来しているのですが、あらためて考えるとお母さんの話なんだなとわかります。

子供たちに引きずり回されて、受け身に終始しているだけの人が、振り返って見れば、いかに力強く屹立した存在であるか。

お母さんは幸せだったんだろうか、と考えるという監督さんの言葉があった(プロモーション用の番組で見た)。

たしかに不思議な、神秘の存在なのである。
市民メディア Actio

エコ&ピース、だそうです。生態系保護と平和主義かな。
アグロエコロジーの入門書だそうです。アグロエコロジーとは聞いたことがなかったですが、有機農業とだいたい同じ意味のようです。だけど、僕が知らない間に有機農業の意味が変質して、収量を上げるために、兵器由来の薬品を使ったり、産業資本主義の経済モデルを使ったりしてもいい、ってことになっているみたいです。というわけで、「後進地域」で勃興してきた運動を、有機農業と同じようなことだけど、新たに取り上げているような感じです。ただし、アグロエコロジーが成り立っている地域のライフスタイルは持続可能で心豊かな暮らしとなっているので、後進地域だったところは先進地域になっていると言えます。

農民圃場の学校、農民参加型試験開発、SRI農法など、知らない単語が出てきて、それぞれ興味深かったです。たしかにうまくいっている事例を世界地図のうえにマッピングすると、なんかやれそうな気がしてきますね。自分のいる現場だけに閉じ込められていると、閉塞感が出てきます。

「日本人が暗い顔をしているのは、就活に失敗するとワーキングプアになるかもしれず、お金を稼がなければ結婚もできず、年金や介護保険も不安だらけだからではないでしょうか」(p85)とありますが、こんなことが頭にあることがとりあえず不幸のもとです。かといって空っぽにするわけにもいきませんので、代わりに何を入れるかです。

「キューバでは日本の総合学習にあたるカリキュラムによって、小学校から農業実習が義務付けられていますから、体験したうえで本当に農業が好きな学生だけが入学します。日本のように四年制大学に合格できないので仕方がなく農業専門学校に進学するようなことはありません。」(p171)という問題については、社会にとっての人手というのは本当は、どんどん必要だと思うのです。働き手も必要だろうし、社会問題の解決に向けて創意工夫して努力してくれる人が。それなのに、会社が人減らしをしていると、人は要らない要らないと言われる。会社の状況は置いといて、社会を見渡して、やることがあるな、というふうに思える世界像を描けるようになる必要があると思います。

「マヤ族たちは、他所者には用心深く、なかなか他人のアドバイスを信用せず、農法は普及しません。」(p92)というのは、最近思うのですが、日本人の多くはまだ未開の部族に近い印象を与えているのではないだろうか。臆病で迷信深いのと同時に深い知恵を受け継いでいるのが未開の部族ですが、日本人の場合は、伝統的な知恵のかわりに企業のコマーシャルに乗せられて、変なものにコントロールされていて、いいところがないというふうに見える。生活においては伝統回帰を目指すべき段階なのかもしれないけど、精神的には、伝統から離れて、自分で判断する力を身につける段階にあると思えます。

「工業的な緑の革命がもたらしたのは、農村から都市へと何百人もの移住でした。ベネズエラは人口の約90%が大都市に住み、ほとんどが北部沿岸地帯に集中しています。背後がガラあきなのです。ですから、選択肢のひとつとして田舎に戻り、アグロエコロジー農業を始めることを奨めています。義務でも強制でもありませんが、都市には多くのストレスがありますから、多くの人が始めると私は思っています。(後略)」(p168)とありますが、強制的に奨められると何でも嫌なことになりますが、自ら進んでだと英雄的行為になったりします。焼身自殺を進んでする人がいますが、強制的にされると火あぶりです。農民がいて、彼らに収量増の提案をすればいい地域は、まずやりはじめられる環境があると言えますが、ブラジルの土地なし農民運動では、都市部で仕事にあふれた人が、共同で遊休地を占拠して畑作をはじめたら、農作物を売ってくれるし、生活用品を買ってくれるし、周りの村の人に好評だったそうで、ないところからでも作れるという話もあります。(思ってもみない解決法だけど、社会環境にいろいろ適している面があった)



「1000万人が反グローバリズムで自給自立できるわけ~スローライフ天国キューバレポート」もいい内容です。もともと豊かな森林の島だったキューバが、プランテーションや近代の農法を目指す政策で、大規模に自然破壊を行ってしまった凄まじい景色と、そこから回復しようとする試みが半ば成功しているという、失敗と成功の両方に学ぶところがあります。それでも森林は元の状態の半分ほどだし、生態系を維持することも大事だけれど、人々に食糧を供給することが一番の課題です。人間が生き延びることだけを尊重するのもどうかと思いますが、他の生物ばかりを尊重してもいられないという実状が、食糧が足りている地域にいるとわかりづらくなると思います。