こんにちは。

もう8月半ばになりますが、気が付けば今年の夏は麺類を食していない税理士の木戸実紀です。

食欲減退の気配なく、至って健康です。


今回は、『上下水道負担金の会計処理』についてです。



 yotsuba. 水道関係の支出金は会計処理や償却に注意


 建物を建築し、給水設備工事や排水設備工事を行う場合には、「建物附属設備(給排水設備)」として資産計上し、15年で減価償却することになります。
 さらに、これらの工事の際には、上水道については、水道事業者に対し「水道利用加入金」を、下水道については、市町村に対し「受益者負担金」を支払うことがあります。
 似たようなものに見える支出ではありますが、

これらは、会計処理や償却期間が異なるためキチンきらきら と区別したいところです。



 yotsuba.上水道は無形固定資産、下水道は繰延資産


 上水道の加入金について、「無形固定資産」の「水道施設利用権」あるいは「工業用水施設利用権」として15年で減価償却します。
 この「水道施設利用権」とは、「水道事業者に対して水道施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して水の供給を受ける権利」とされています。

他人(水道事業者)の所有する水道施設を利用することを目的とする「権利」であり、

その金額は、メーターの口径で決められます。


 一方、下水道の受益者負担金税務上の繰延資産」となります。
 これは、市町村が所有・管理する下水道(=公共施設)について、

法人・個人事業者自身が受けるメリットを反映するため費用配分を行うものであるからです.

(土地の地積に負担金単価を乗じて計算されます)。
 公共施設負担金の減価償却の年数は、その施設の耐用年数の7/10とされていますが、

現実に、その設備ごとに償却期間を定めると煩雑になることから、

このような受益者負担金については、通達(法基通8-2-5)により一律に

6年(公共下水道を使用する排水設備を新設・拡張するための負担金は水道施設利用権に準じて15年(法基通7-1-8)とされています。



 yotsuba.分割納付の受益者負担金には要注意!!


 受益者負担金は分割納付を認める市町村が多く見られますが、

繰延資産は原則として3年超の場合には、総額が確定していても、その総額を未払計上して償却することを認めていません。(法基通8-3-3)


 ただし、長期の分割払いについて、


①分割払いの期間が繰延資産の償却期間以上で、

②分割支払額が概ね均等額であり、

③徴収が工事着工後に開始される場合には、

その支出日の属する事業年度において損金に算入することができるものとされています。

(法基通8-3-4)




長くなりましたが、

今回は、『上下水道負担金の会計処理』についてでした。


お金を払って何かを作った、買った、と言っても、

それが、どのような内容であるかによって、会計処理は全く異なります。

よく考えて処理しないといけませんね。

給排水工事などが出てきた場合は要注意です!



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