「新板橋クリニック」主催


「ピロリ菌と胃癌・逆流性食道炎」


11月28日 土曜日 開催しました。



ピロリ菌
逆流性食道炎


TVでもしばしば取り上げられています。


皆さまの関心も深いようです。


「ピロリ菌」とは?

胃の中にいるとよくないの?

それとも、


「常在菌」と考えればいいの?


「逆流性食道炎」ではないかしら?


「内視鏡検査」は苦しいから、やりたくないの


皆さまの疑問に答えながら

楽しい時間を


体験していただきました。


Q: 逆流性食道炎とは、どんな病気ですか?


A: キーワードは、「胃酸」と「逆流」になります。食道粘膜が障害を受けて、炎症をおこした状態を、逆流性食道炎といいます。

それでは、なぜ、食道粘膜が障害を受けて、炎症をおこすかというと、「胃酸」のせいです。胃酸は、酸性で、食道粘膜を強く障害します。通常は、食道と胃のつなぎ目は、必要のないときは、しっかりと閉じているので、胃酸は、食道内には、さほど逆流しません。ところが、食道と胃のつなぎ目がゆるい状態で、かつ、肥満傾向の強い方、夜遅い時間に暴飲暴食をする方は、胃酸が食道内にたくさん逆流して、食道炎をおこします。すると、いわゆる、胸焼け、旨の焼ける感じ、食事が胸でつかえる、しみる・痛い、げっぷが多い、胃がはってもたれる、のどがやける、などの症状が出現します。

Q: 逆流性食道炎になりやすい人は、どんな人ですか?


A: 4つあります。

ひとつめは、肥満の方です。肥満の方は、食道と胃のつなぎ目が、ゆるんできます(食道裂孔ヘルニアといいます)。さらに、おなかまわりに脂肪がついてくるので、腹圧(胃にかかる圧力)が高くなります。そのため、とくに、食事後は、胃酸のまじった食べ物が、胃から食道内に逆流しやすくなります。また、空腹時も、胃酸が容易に食道内に逆流しやすいのが特徴です。


2つめは、夜遅い時間に、たくさん食べたり、飲んだりする人です。

3つめは、胃の切除術をしている方です。胃の切除をしている方は、食道と胃のつなぎ目がゆるくなっていて、胃の内容物と胃酸が、食道内に逆流しやすくなることがあります。

4つめは、猫背や、高齢者で背中が丸まって前屈の強い方(亀背といいます)です。とくに、高齢者で、背の丸まってしまった方は、前屈姿勢で胃を圧迫するので、胃酸が食道内に逆流しやすくなります。

Q: 逆流性食道炎といわれて、薬をのんでいるのですが、なかなか、よくならないのです。どうやったら、よくなりますか?

A: それは、理由があります。症状が一緒でも、原因には、ふたつあります。目にみえる異常・病気がある場合(逆流性食道炎)と目にみえる異常・病気ない場合(非びらん性胃・食道逆流症とよびます)です。それぞれで、発症のしくみが違います。逆流性食道炎といわれて薬を服用しているのに、症状がなかなかよくならないときは、ほぼ、まちがいなく、非びらん性胃・食道逆流症です。しくみが違えば、治し方も違うので、対処法を変更するのがいいでしょう。

詳細は、クリニックのホームページを参照ください。



Q: ピロリ菌は悪い菌なのですか?常在菌だという人もいますが?


A: 常在菌とは?の定義が必要です。いろいろ諸説(とんでも伝説も含めて)がありますが、ピロリ菌は、腸内細菌や皮膚表面にいるような共生細菌とは、違うと考えていいでしょう。なぜなら、共生細菌群に異常をきたしたり、細菌群が死滅すると、宿主である人にもさまざまな障害(異常や病気)がでてきます。ときには、死にいたります。けれども、ピロリ菌がいなくても(なぜなら、20歳以下の若者たちには、ピロリ菌の感染はほとんど、認められないからです)、宿主が生存をしていくのに、支障はありません。

つまり、ピロリ菌は、宿主がいきていくために必須の、共生細菌ではありません。共生細菌ではないので、常在菌でもありません。

すると、常在菌ではないのなら、悪い菌なのでしょうか?これには、いくつか、きちんとしたデータがあって、いわゆる急性の感染症をおこしたり、慢性の感染症をおこす、原因菌であることは、確定しています。

つまり、ピロリ菌は、常在菌でなく、病を引き起こす、急性あるいは慢性の感染症の原因となる菌です。


Q: ピロリ菌が、急性や慢性の感染症の原因の菌ならば、どんな病気や状態になるのですか?

A: 詳細は、クリニックのブログを参照してください。