高校生のころ米軍岩国基地から発信されて来るノイズ混じりのFEN(ファー
・イースト・ネットワーク)で、
時たま流れてくる魂を揺さぶられるような曲に出会った。

ウイルソン・ピケットの手になるアイ・ファウンド・ア・ラブという曲だった。


町のレコード店で探してもないその曲は、しばらくしてビクター・ワールド・グループから出されていた土曜の夜のアポロ劇場というLPにはいっていた。



吉瀬(きちせ)浩一郎の、R&Bなひとりごと


 当時の高校生にとって1,800円は大金だったが、なんとか手に入れてピケ
ットがリード・ボーカルをとるフアルコンズというグループの件の曲を聴いたの
だが、FENで流されていたマイクのメーターがレッドゾーンに飛び込んだまま
振り切れるほどの迫力で迫ってきたあの曲に比べたら生の抜けたビールのような
曲だった。


1,800円返せと言いたかったのだが、しかしよく聴くと、このレコードなかなか味のあるシロモノだった。面子はファルコンズ、ジエット・コースターズ、ドリス・トロイ、ルーファス・トーマス、オーティス・レディング、ベン・E・キングバック・バンドはかのキング・カーティスのバンドというものだった。(今でも確か輸入版CDで買えます)


このLPレコードをきっかけに私はR&Bの底なし沼にはまりこんでいったのであります。それから十数年が経過して、やっと彼のレコードにめぐり会うことになるのですが、それはまた次回とします。



 ところで、最近の東アジア及び北東アジアの政治情況は、相対的に中国が力を
付けてきたことによって中国の本音の部分が、というか、共産党独裁政権の地金
が露出してきて大変わかりやすい図式ができてきたようです。
中国は、威しのつもりでしょう謝罪と賠償などとねぼけたことをぬかしていま
すが、さて、この局面を菅政権どう切り抜けるのか、お手並み拝見といったとこ
ろでしょうか。


 スターリン、毛沢東(ケザワヒガシ)、ポルポト、自国民の粛清と大量虐殺を
行った政権は、すべて共産主義を標榜する政権でした。日本でも共産主義革命を
めざした多くの若者が死んでいきました。

このことは私達の大きな教訓となっているはずです。戦前、戦後にかけて、仮に、日本共産党が政権を奪取していたら、日本はソ連や中国や北朝鮮のような国になっていたのでしょうか?


 そういえば、先日、私の地区でリサイクルのための本の回収を行ったとき大月
書店(日本共産党系の出版社)のレーニン全集が全巻捨ててありました。捨てた
人は多分あの人でしょう。

主権を持っているはずの労働者階級=人民による選挙をやっていない中国では、この辺の著書を読んで理論武装?をしている人達はまだいるのでしょうか。党中央の幹部ばかりだったりして。


 資本主義国で労働者によって惹起されるはずであった共産主義革命は預言者マルクス・エンゲルスの予想に反して、ロシア、中国という農業国で起きてしまいました。で、そのいずれもが独裁国家になるとは、レーニンそんなつもりじゃなかったのかも、全集が捨てられるはずですね。


 それでは今夜は土曜の夜のアポロ劇場(解説は桜井温氏=桜井ユタカ氏)でも
引っ張り出して聴きましょうか。