仏教の八大聖地といえば
釈尊生誕のルンビニーや
悟りを開いたブッダガヤ、初めの説法を
行ったサールナート(鹿野苑)などがあります。
その八大聖地には含まれませんが
インド西部にあるアジャンターの石窟寺院は
有名です。
岩山に洞窟が掘られており、ここには
30ほどの石窟寺院が見られます。
このアジャンターの石窟寺院は
インドで仏教が衰退した後は
放置されていて、それが19世紀に
イギリスの軍人によって発見されました。
アジャンターは5世紀頃のグプタ朝のもとで
最盛期を迎えたとされ、多くの仏像や
テンペラという技法によって描かれた壁画が
芸術的にも注目されます。
また、インドではエローラ石窟という遺跡も有名で
ここには仏教のみならずヒンドゥー教やジャイナ教の
寺院も残されています。
さらに、アフガニスタンには
バーミヤンの仏教遺跡があります。
アフガニスタンは現在ではイスラム教の国ですが
2~7世紀はインドと中央アジアを結ぶ
交易路として栄えた地で
仏教への信仰も盛んでした。
バーミヤンの谷には、2kmほどの断崖に700余りの
仏教石窟と38mと55mの二体の巨大な
大仏立像が立っていました。
しかしながら、宗教紛争の中で破壊されてしまいました。
中国の訳経僧である玄奘が630年に訪れた時には
この大仏は金色に輝き、僧院には何千人もの
僧が住んでいたとされます。
当時のバーミヤンはとても栄えたところであり
ここの地を起点に中国や日本にも
文化や宗教が伝わっていたのでしょう。