お寺には音を出すための仏具がいくつかあります。
最も目立つものは、梵鐘です。
ふつうは高さが1メートル以上あって、鐘楼に吊らされ
撞木によって鳴らされます。
除夜の鐘として、一般の方も鳴らすことができるものです。
また、その小型版として半鐘があります。
主に本堂のところに置かれ、法要にあたり
僧侶たちを集める合図などに使われます。
この他によく目にするものとして
魚の形をした仏具があります。
まず、魚鼓(ぎょく)や魚板と呼ばれるものがあります。
木で作られた細長い魚の形をしたもので
廊下などに吊るして置いてあります。
主に禅寺にあり、食事や法事の時間などを
知らせるためにあります。
また、木魚は馴染みがあると思います。
これは球体をしており、細長い口が掘られ、
表面には魚などの彫刻が為されています。
読経の際にリズムを取るための仏具です。
木魚は比較的新しく、江戸時代に黄檗宗という
禅宗とともに日本にもたらされたといわれています。
これらは、なぜ魚の形をしているのかといえば
魚は昼夜を問わず目覚めているように見えるから
その魚にあやかって、精進していこうと
戒めるためとされています。
いずれの仏具も音を鳴らすためのものです。
昔から僧侶たちは音とともに生活してきました。
本山などの大きなお寺では、鐘の音によって
起床し、また鐘に音によって本堂へと移動し
勤行を行い、法要の間には木魚や太鼓などの
音によってリズムをとり、経を唱えます。
僧侶にとっては音はとても大事なものといえます。