ウグイス | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

この頃の朝は、

(結構前からだとは思いますが)

耳を澄ますと

ウグイスの鳴き声が聞こえます。

 

「ホー、ホケキョ」

 

「ホー」で息を吸い込み、

「ホケキョ」で

息をはいているそうです。

 

 

ウグイスは

木に隠れるように生活するらしく

その姿を確認できたことはありません。

恥ずかしがり屋なんでしょうか。

 

しかし、鳴き声は至極美しく、

日本人誰がも知っている程有名なので、

耳を澄ますだけで存在を感じられます。

 

「頭隠して尻隠さず」ならぬ、

「姿隠して声隠さず」ですね。

 

 

今朝は、8~9時頃まで

朝霧を掻き分けるほど透き通った声が

境内に響き渡っていましたが、

 

スズメの鳴き声が増えてくると同時、

朝霧がはけると同時に、

消えていきました。

 

今は、数羽のスズメたちが

追いかけ追いかけられじゃれる声、

近所の方が畑を手入れする音、

そして時折

場を制するよう鳴くカラスの声が

聞こえます。

 

みんなそれぞれ活動時間が違うんですね。

 

 

さて、私たちの身近には、

「ウグイス」の名の付くものが

いくつかあります。

 

例えば、ウグイス餅。

緑色のおもちです。

 

そして、色鉛筆のウグイス色。

こちらも深い緑色をしています。

 

身近にある

これらの「ウグイス」の影響か、


なかなか姿を現さないウグイスは

緑色をしている・・・と

勝手に思い込んでしまいがちです。

 

しかし、実のところ

ウグイスは茶色い体をしています。

 

私たちの頭の中で勝手に作られた存在と

真実は違うのです。

 

時には

鳴き声だけでなく実体も探しに行き、

想像と現実のギャップを埋めるのも

大切なのかもしれませんね。

 

 

話は変わりますが、

ウグイスの鳴き声

「ホー、ホケキョ」は

 

江戸時代、

その鳴き声がお経を読んでいるよう

と言われ


「法華経」をモジり

「ホケキョ」と真似たと言われています。

 

このようなモジり、実はよくあります。

江戸時代の方は

信仰心を日常にちりばめるのが

とても上手ですね。

 

 

最後に、今年はなぜ

「春告鳥」と言われるウグイスが

桜が散り葉が生い茂る頃まで

鳴いているのか

とても気になります。

 

もしご存知の方がいらっしゃいましたら

教えていただけると嬉しいです。