仏教では、その昔ブッダの頃から、
心に沸く欲望を滅するプロセスが説かれています。
人はそもそも欲望を求め楽しんでしまう生き物で、
なにも気にせずいると
人の感情は欲望を持つ方向に動きます。
しかし、その欲望があるからこそ、
人は苦しいのです。
いわゆる四苦八苦です。
欲望が沸いてしまう理由のひとつに、
「物事をありのままに捉えることが出来ない」
という私たちの特徴があります。
例えば、餅を見れば
「ただの白い柔らかい物体」を通り越し、
食べたいという欲が発生します。
なぜなら、
今までの経験・知識・感覚によって
見た物事(ただの白い柔らかい物体)から
欲望の対象となる観念(もち)を作り上げ
執着してしまうからです。
話は変わりますが、
現在のAI開発技術のひとつに
画像認識があります。
AIが画像認識するには、
例えばAIが犬を見て
「これは犬だ」と認識しなければならず、
そのためには、沢山の犬の写真を見せ
犬の特徴を覚えさせなければなりません。
・目が二つ
・耳が上
・4足歩行
・
・
・
といったように特徴を覚えさせなければ
AIは犬を犬と認識できず
ただの色の集合体と捉えるのです。
さて、この話、
始めにお話しした仏教の話とは
逆行している気がしますよね?
私たちが欲望を滅するためには
むしろAIのような
「物事をありのままに捉える」ことが
必要なのです。