十一面観音 | 吉祥院 ~茨城県石岡市で約900年続く真言密教の寺(お寺ブログ)~

吉祥院 ~茨城県石岡市で約900年続く真言密教の寺(お寺ブログ)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺のブログです。

観音菩薩という尊格は、

変化観音という形で発展していきました。

それは、いくつもの顔、手を有した、

十一面観音や千手観音といった

変化観音の登場でした。

 

様々な変化観音が生まれた中、

十一面観音は比較的早く登場したとされます。

なぜ11の顔を持つのかというと、

『法華経』「普門品」いわゆる『観音経』に

あらゆる方角を向くものということが

観音菩薩の特徴として説かれているからです。

 

あらゆる方角は、十方で表されます。

東西南北、東南、西南、西北、東北、上下を

合わせて十方となり、さらに正面を向く

本来の顔があって合計11の顔となります。

 

十一面観音の図像的な特徴は、

十一の面をもつことですが、

縦方向に四層、五層と積み重ねる垂直型と

頭頂に横一列で並べる水平型、また、

ピラミッド型とよばれる形があるようです。

 

十一面観音が登場する経典では多くの場合、

左側の三面が怒りの相、前の三面が菩薩の寂静面、

右の三面が菩薩の表情をしながら牙をむきだす相、

残りの一面が笑っている相という姿になっています。

 

真言宗豊山派の総本山である

奈良にある長谷寺のご本尊も十一面観音です。

その観音さまは、通常左手に念珠をもつところを、

その代わりに錫杖をもっています。

加えて岩の盤に立っているその像形は、

長谷寺式十一面観音と呼ばれます。

 

長谷寺の本堂(観音堂)に

ご本尊として安置されていますが、

像は木造でその高さは約10mになります。

開山されて以来、幾度も火災によって

焼失しましたが、そのたびに作り直されてきました。

 

十一面観音は数多くの寺院でみられる

観音菩薩ですが、長谷寺のものほど

威厳のある像はなかなかないものと思います。

機会あれば、一度眼にしてみると、

何か感じることがあるかもしれません。

ぜひ長谷寺に参拝してみてください。

また、早朝には本山の僧たちによる

朝の勤行が行われています。