部派分裂の時代には、僧団の分裂によって
多くのグループが生まれましたが、
この時代の修行者の生活は、
お釈迦様が生きていたころのものと
同じであったといわれます。
違っていたのは、
出家者に対する信者の支援でした。
信者が増え、王族や商人階級の人々による
多大な財政的な支援が
受けられるようになりました。
それによって、より大きな僧院で
瞑想に専念できるようになり、
出家主義の傾向が強くなったとされています。
瞑想に専念できるようになり、
心理的な作用や、自分自身とその外側に
存在するものに対する分析が
より深くなされるようになりました。
また、哲学的な議論もされ、
理論が複雑なものになっていく中で
30以上もの学派が生じることとなりました。
それでも、学派間では相互に
関係があったようですが、
この小乗仏教の出家第一主義、
瞑想を行うことを重視する傾向は、
インドでの仏教の主流でした。
瞑想することによって、
宗教的に深い境地を得る出家者と、
そのような出家者を支援することで
宗教的な功徳を求め、
救済主としての仏陀に祈りを
捧げる在家者が共同して
仏教教団を運営していくというのが
基本的な形だったのです。