仏教教団は、
教団の教義の解釈などをめぐり、
お釈迦様の滅亡したおよそ100年後に
まず、上座部と大衆部という
二つの派閥に分裂しました。
そしてさらに
多くの部派に分かれていきました。
このように諸派が多く生まれた時代は、
総称して部派仏教と
呼ばれるようになりました。
部派仏教の修行者は、声聞と呼ばれます。
声聞とは、教えを聴くものという意で、
その後に興った大乗仏教の修行者とは
様々な点で異なります。
声聞は阿羅漢になることを
理想とする一方で、
大乗仏教の修行者(菩薩)は
完全なる悟りを得る
仏陀の境地を目標としました。
部派仏教の時代、
お釈迦様の教えが学問的に
研究され、体系化されていきました。
この時代の教えに対する研究は、
アビダルマといわれます。
アビダルマは
ダルマの研究という意味であり、
ダルマとは、
「存在」のさまざまなあり方のことです。
アビダルマによって、
「存在」が詳細に研究され、
体系化されていきました。
このアビダルマによる「存在」の分析は、
煩瑣哲学ともいわれ、
批判の的ともなってきましたが、
後の仏教教理への影響も大きく、
大乗仏教が日本に伝わったときでも、
広く僧侶たちに学ばれていました。
-続きあり-