以前、このブログで、
人間が生きている世界について、
ブッタは四法印と説いたと記しました。
(詳細は「四法印(しほういん)」をご覧ください。)
そのうちのひとつ、「諸行無常」、「諸法無我」については
先日記した通りです。
本日は、3つめを飛び越え
4つめの「一切皆苦(いっさいかいく)」について、
記したいと思います。
一切皆苦とは、字の通り
「すべてのものは苦しみである」
という教えです。
すべてのことは思い通りにならない
という人生の実態を示しています。
「一切」とは、自己中心性がもとになって生まれた
感情・行動・考え方を示しています。
このような感情・行動・考え方ゆえ、
結果として、人を傷つけたり
人に迷惑をかけてしまうことになり
最終的には自分が苦しくなってしまいます。
迷いの世界における在り方を示しており、
物事は常に移り変わっており、
それ自体で独立して存在していることはないのに、
ずっとあり続けると錯覚して執着してしまうので、
苦を招く。
ブッタは、このような迷いから抜け出すことが
人生において重要としています。
ふと、改めて考えてみると
ずっとあり続けると思っていることは多々あります。
所有物、名誉、人間関係、家族、自分・・・
これらが永遠にはあり続けないと考えるのは、
少し淡白な気がします。
しかし、
「あって当たり前」というフィルターを外すと
物事の本来の姿が見えてきます。
それは、煩悩から導かれる苦とは程遠く
その存在自体がありがたいものなはずです。
「物事に期待しない方が、結果としていい」
というのは、
「あって当たり前」というフィルターを外す手軽な方法が
「期待しない」ということです。
決して淡白なのではなく
むしろ、物事の本来の姿を知るための考え方
なのかもしれません。
管理人